2004年ごろから急速に広がりはじめたSNS。それまでオンラインコミュニケーションの手段といえば掲示板やチャットが主流だったが、SNSの登場によって友人同士のつながりがシステムとして可視化され、プロフィールや日記をお互いに公開しあうスタイルが浸透した。年月を経てより大規模化、高度化、そして目的別化されているSNS・コミュニティサービスの姿を、今一度チェックしてみよう。
●著名SNS・コミュニティを再確認!
それではまず、知名度の高いSNSからチェックしていこう。近年は招待制がやや下火となり、誰でも自由に参加できるオープン化が一気に進んだ。そのため旧来からある会員制コミュニティとの境界線が曖昧になってきているが、各サイトの機能を気軽に試せるようになった点は素直に歓迎できるだろう。
■ mixi
http://mixi.jp/
2008年12月時点でのユーザー数が1630万人を数えるという国内最大級のSNS。完全招待制を特徴としていたが、この春から誰でも自由に登録し、参加できるようになる予定だ。日記の公開範囲設定など各種機能の改良も随時行われており、直近では「足あと」関連の新機能が追加された。
■ GREE
http://gree.jp/
日本国内のSNSとしては古株で、2004年4月に個人サービスとしてスタート。2008年12月の会員数は約800万人におよぶ。近年は、携帯電話向けの無料ゲーム機能が充実している。
■ モバゲータウン
http://www.mbga.jp/
DeNAが運営する携帯電話向けのポータルサービス。その中心は無料ゲームだが、日記やサークルといったSNS的な機能も提供する。現在はPCからの利用も可能。一度携帯電話からユーザー登録を済ませた後に、「PCログインパスワード」を取得すればOKだ。
■ Twitter
http://twitter.com/
最大140字程度のごく短い「つぶやき」をユーザー間で共有するサービス。日記ほど長文で書く必要がなく、また、携帯電話などから気軽に投稿できる点も魅力という。
■ この指とまれ!
http://www.yubitoma.or.jp/
学校同窓会サイトとして知られ、現在は「ゆびとまSNS」とともにサービスを提供する。かつては「株式会社ゆびとま」によって運営されていたが、売上低迷に伴って2007年8月「株式会社この指とまれ」へ事業譲渡されている。
■ MySpace
http://jp.myspace.com/
「世界最大級のSNS」を謳い、2006年11月に日本上陸。音楽をキーワードにしたさまざまな交流機能が用意されており、有名アーティストとフレンド登録できる点も大きな魅力という。米国のオバマ大統領ら、著名人の公式プロフィールページもある。
■ Facebook
http://ja-jp.facebook.com/
米国で人気という大規模SNS。実名制が重視され、当初は大学生向けサービスだったが、後に広く一般ユーザー向けに開放された。主要なユーザーインターフェイスやヘルプ記事は日本語化されている。
●こんなにあります! SNS
著名な大手SNSが存在感を増す一方で、ポータルサイトやプロバイダーなどからもSNSは盛んに提供されている。ブログやWebメールなど別サービスとの連携を強調しているケースも多く、その運営形態はまさに多種多様。いろいろ比較してみるのも面白いだろう。
■ Yahoo! Days
http://days.yahoo.co.jp/
大手ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」のSNS。日記やコミュニティといったオーソドックスな機能を中心としつつ、自分自身のプロフィール公開に特化した「Yahoo!プロフィール」機能と密接に連携しているのが特徴だ。登録した情報は、Yahoo! JAPANの他のサービス利用時にも表示・公開できる。
■ Windows Live
http://windowslive.jp.msn.com/
無料Webメール「Windows Live Hotmail」をはじめとした総合的なオンラインサービス群。その1つとして「プロフィール機能」が用意されており、自分の近況を公開したり、友人のブログ(Spaces)の更新状況などを確認できる。Windows Liveのストレージサービスや写真共有サービスに新しいデータをアップすると、その情報もプロフィールに表示する。
■ gooホーム
http://home.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」の提供するこちらのサービスは「ミニブログ」的な位置付け。比較的短い文章を投稿する用途に向いている。さらに、その「ひとこと」をブログパーツ上で表示することができるので、手持ちのブログに貼り付けることも可能だ。フレンド機能なども実装済み。
■ ウェブリSNS
http://webrysns.biglobe.ne.jp/
プロバイダー「BIGLOBE」が運営するSNS。日記やメッセージ、コミュニティなどSNSとして一般的な機能を揃えている。BIGLOBEのユーザーIDがあれば誰でも参加できる。
■ So-net SNS
http://www.so-net.ne.jp/sns/
大手プロバイダー「So-net」でもSNS作成サービスを提供中。SNS開設にあたってはSo-net IDが必要(「こんてんつコース」を含む)だが、参加者側は通常のユーザー登録手続きを済ませるだけで利用できる。
■ Vox
http://www.sixapart.jp/vox/
ブログ構築ソフト「Movable Type」で知られるシックス・アパートが運営。通常のブログとして運用できるが、記事単位で公開範囲を詳細に設定することも可能だ。画像や動画のアップロード容量が1カ月あたり2GBまでとかなり余裕があるのも特徴となっている。
■ i-revoマイポータル
http://mp.i-revo.jp/
コナミデジタルエンタテインメントとIIJによる共同出資会社が運営。マイポータル内のブログでは、記事の公開範囲を自由に設定できる。フレンド登録、メッセージ送受信などSNSの一般的な機能も用意されている。
■ エキサイトネームカード
http://namecard.excite.co.jp/
ブログなどに貼り付けられる名刺風のコミュニケーションサービス。外見はブログパーツそのもので、リンク先ページに自分のプロフィールや興味あるテーマなどをまとめて記しておける。さらにネームカード作成者間で「名刺交換」を行えば、メッセージを送り合うことも可能になる。
■ アバウトミー
http://aboutme.jp/central
@nifty運営。Webサイト上で公開される質問に答えることで、自分自身のプロフィールが次第に充実していく。このデータをさらにブログパーツで公開できるという一風変わったサービスだ。お気に入りユーザーを登録しておける「コンタクト」などのコミュニケーション機能も提供している。
■ FC2 レンタルSNS
http://sns.fc2.com/
SNSを無料で作成できるというサービス。「FC2ID」を持つユーザーなら誰でもSNSの開設が可能で、好きなテーマを決め、さらにオープン制か招待制かを選択できる。また、既存のSNSに参加するユーザー側もFC2IDが必要となる。
●あらゆる分野に応用されるSNS
SNSの普及が一段落した感のある昨今だが、ある特定分野を中心的に扱うジャンル特化型のSNSや、写真や動画の共有を目的としたサイトにSNS風の機能が盛り込まれる例は増加している。また、従来からあるアバター機能を絡めたゲーム感覚溢れるSNSもある。あらゆるシーンに応用されているSNSの実体を見てみよう。
■ pixiv
http://www.pixiv.net/
イラスト共有を目的としたSNS。2月には会員60万人を突破したという。アニメキャラのイラストから独創的なタッチのオリジナル作品までさまざまなイラストが並んでおり、まさにギャラリー感覚で楽しめる。ユーザー単位でのお気に入り登録が可能なので、気になるイラストレーターの作品を継続的にチェックするのも簡単だ。
■ fg
http://www.fg-site.net/
フィギュアやプラモデル、鉄道模型など立体物の写真を投稿できるSNS。投稿した画像には吹き出し状のコメントを付けられる。さらに、1作品あたり10枚までの画像を投稿できるので、さまざまな応用方法が考えられそうだ。
■ プレセペ
http://www.presepe.jp/snstop
アニメファン向けポータルサイト。SNS機能が盛り込まれており、サイト内で公開されているニュースに対して日記を書いたり、作品レビューなども公開できる。「メイト」と呼ばれるフレンド登録機能も利用可能。なお、2月16日付で運営会社がワンナップゲームズからImpress Touchへと変更された。
■ あに~ば
http://ani-ba.com/
日記やフレンド機能が利用できるアニメ・声優ファン向けSNS。CS放送局「キッズステーション」で放送中の番組に関連したコミュニティなども設けられている。3月10日付で角川書店への事業移管が発表されており、サイト名も「アニメ・声優情報SNSサイト -VOICE Newtype Cafe-」へと改称される予定だ。
■ コスプレイヤーズアーカイブ
http://www.cosp.jp/
「国内初」を謳うコスプレ専門SNS。「コスプレイヤー登録」を行うことでコスプレ写真のアップロードが可能なほか、「ユーザー登録」をすればコスプレをしない参加者でも日記やフレンド機能が利用できる。
■ SPORA
http://spora.jp/
CS放送のスポーツチャンネル「GAORA」を手がけるスペースビジョンネットワークが運営。スポーツ全般を対象としたコミュニティサービスで、ブログの開設が可能。野球、テニス、格闘技、アメフトなどのカテゴリ別でも記事を検索できる。
■ Sports@nifty SNS
http://sports.nifty.com/sns/
ISP「@nifty」が運営するスポーツ専門SNS。日記やフレンド登録、メッセージなどの一般的な機能が用意されるほか、国内外で活躍する著名選手らの公式コミュニティがあらかじめ設けられているのも特徴だ。
■ フォト蔵
http://photozou.jp/
写真共有が可能なコミュニケーションサイト。大量の画像アップロードにも対応しており、月間で最大3GBまで保存可能という。気に入った写真にコメントを付けたり、単に日記を公開するといった楽しみ方にも対応している。
■ Life-X
http://life-x.jp/
ソニーが運営する写真共有サイト。アップロードした写真やメモを時系列に並べ、「ライフログ」として閲覧する楽しみ方を提案している。また、ソニー製液晶テレビやプレイステーション 3などPC・携帯電話以外の機器からもコンテンツを閲覧できるのも特徴だ。
■ zoome
http://www.zoome.jp/
一般ユーザーが自由に動画を投稿できるコミュニティサイト。トップページから気になる動画を検索して楽しむのはもちろん、フレンド登録したユーザーとの間で日記を見せ合うといったSNS的な機能も用意されている。
■ PLAYLOG
http://playlog.jp/
国内レコード会社が共同出資する音楽配信サービス企業「レーベルゲート」が運営。ウォークマンやPCで再生した音楽の履歴をマイページ、もしくはブログパーツ上で公開できる。iTunesやWindows Media Playerの再生履歴もアップロード可能だ。日記機能なども用意されている。
■ Last.fm
http://www.lastfm.jp/
PCで再生した楽曲の履歴をもとに、おすすめ楽曲をピックアップしてくれるコミュニティサービス。ユーザー別のマイページでは履歴が公開されるので、例えば、似た趣味のユーザーへフレンド申請するといった用途も可能だ。
■ Red Karaoke
http://www.redkaraoke.jp/
2007年4月にスペインでサービスを開始、2009年2月に日本版が開始されたばかりの音楽SNS。MIDI形式で作成された音楽に合わせて、無料のカラオケが楽しめる。用意された約3万曲のうち、1万曲ほどが日本語曲という。さらに、歌った内容をアップロードし、他のユーザーから評価してもらえる機能もある。
■ Nicotto Town
http://www.nicotto.jp/
スクウェア・エニックスグループの企業「スマイルラボ」が運営。日記的に使えるブログに加え、アバターのカスタマイズや街でのコミュニケーションおよびミニゲームが楽しめる。着せ替えアイテムの購入などには有料ポイントが必要。なお、サービスは時間制限を設けており、現在は10時から24時まで利用できる。
■ ハンゲーム
http://community.hangame.co.jp/
無料・有料ゲームを数多く集めたポータルサイト「ハンゲーム」でもコミュニティサービスを提供している。ブログやプレイしたゲームの成績を公開したり、アバターの着せ替えなどが楽しめる。アイテムの購入は基本的に有料。
■ アイピ
http://aipi.nexon.co.jp/
「メイプルストーリー」「マビノギ」などのオンラインゲームを提供するネクソン。公式サイト内のいちサービスとして、ブログや掲示板を使ったコミュニティも運営している。アバターアイテムの購入や有料ゲームを楽しむ際には、NEXONポイントが必要。
■ カフェスタ
http://www.cafesta.com/
アバターを中心としたコミュニケーションサービス。日記や画像の投稿、サークル機能などが利用できる。アバターアイテムの購入などには有料のポイントが必要。なお、現在は「マウスコンピューター」などを傘下に持つMCJグループのサービスとして提供されている。
■ プーペガール
http://pupe.ameba.jp/
ファッションがテーマの女性向けSNS。アバターの着せ替え以外に、ユーザー自身が購入した服飾品を写真に撮って投稿すると、ポイント(仮想通貨「リボン」)がもらえる仕組み。リボンを貯めて、アバターのファッションアイテムを入手する。
■ ウェブカレ
http://web-kare.jp/
男性キャラクターとの恋愛を楽しめるゲームサイト。ミニブログやフレンド機能など、他のユーザーとコミュニケーションする機能も盛り込まれている。月額380円の「ウェブカレプレミアム」に登録すると、ゲーム内の思い出を保存できるアルバム枠が増加したり、各キャラクターとの親密度が下がりにくくなるといった特典がある。
■ loc8r(ロケイター)
http://loc8r.jp/
携帯電話のGPSや簡易位置情報機能を利用したコミュニケーションサービス。位置情報とともにコメントを投稿することで、地理的に近いユーザーの書き込みを参照できる。アルファ版サービスだが、NTTドコモ、au、ソフトバンクなど各キャリアのGPS対応携帯電話から利用可能。
■ iKnow!
http://www.iknow.co.jp/
SNS機能を盛り込んだ英語学習サイト。サイト内で公開されるアプリケーションで英語を学習、その進捗度などを公開することが可能だ。現在は、ユーザー自身が問題を作成できる機能なども追加されている。
■ 自分史.JP
http://jibunsi.jp/
その名の通り、自分の歴史をWeb上に投稿できるサイト。年月日を指定して自分史を投稿すると、その年の主な出来事をWikipediaから自動転載する機能を備える。写真付きプロフィールやフレンド一覧の公開も可能。
■ LinNo
http://linno.jp/
大学生および大学OB・OGを対象としたSNS。友人の出欠、サークルの日程調整、時間割の確認、講義ノートの共有など独特の機能が揃う。なお、ユーザー登録にあたっては学籍番号の登録が必要。
(2009/2/20)
[森田秀一]
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