被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

気付かぬうちに課金され続けているかも!?

一定期間無料の怪しいアプリを試用したことがある

 ウイルスに感染したかもしれないと思い、無料で使えるセキュリティソフトをインストールしたことはなないだろうか。もしくは、漫画が無料で読めるホームページにアクセスするためにVPNアプリをインストールしたことはないだろうか。もし、心当たりがあるなら、一度アプリストアの設定を確認してみよう。無料だと思ってインストールしたアプリの料金がずっと引き落とされている可能性があるためだ。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

 これは、必ずしもネット詐欺とは言えないのだが、被害金額が大きくなる可能性があるので要注意。もちろん、サブスクリプションのサービスは普通の仕組みだし、筆者もいろいろ利用している。今問題になっているアプリもきちんとルールに則って、料金を提示している。しかし、早くアプリを使いたいユーザーはろくに画面を読まず、「無料でお試しできます」という文言のみを見てアプリをインストールしてしまうケースが多々あるのだ。

 自業自得とは言え、ろくに使っていないアプリに気が付かず毎週1000円とか、毎月99ドルという課金が継続するのは避けたいところ。気が付く人は、インストール画面でキャンセルするし、請求内容の記載されたメールやクレジットカードの引き落としをきちんとチェックしている人も1カ月目で気が付ける。問題は、その手のことを放置しておく人だ。

 何カ月も経ってから引き落とされた金額の大きさに気が付き、クレームを入れてもほとんど戻ってこない。アプリのレビューにも罵詈雑言が書き込まれているが、後の祭り。

 対策としては、怪しいアプリには手を出さないとか、課金の承認はよく確認するといった基本が重要。無料の試用ということは、有料版への導線だと言うことを認識すること。

 とにかく不安な人は継続課金の登録を見て、意図しないサービスがあったら、解約しよう。

 iPhoneの場合は、「設定」から「iTunes StoreとApp Store」で自分のアカウントをタップし、「Apple IDを表示」をタップする。Apple IDの設定画面が開いたら、「登録」を開くと契約しているサブスクリプションサービスが表示される。そこからサービスをタップし、「登録をキャンセルする」をタップすればいい。

iPhoneの場合は、「設定」から「iTunes StoreとApp Store」で自分のアカウントをタップし、「Apple IDを表示」をタップ
Apple IDの設定画面が開いたら「登録」をタップする
契約しているサブスクリプションサービスを開いたら「登録をキャンセルする」をタップする。なお、この画面はあくまで操作例で、「1Password」は筆者が愛用しているサービスだ

 Androidの場合は、「Google Playストア」を開き、三本線アイコンをタップしてメニューを開き、「定期購入」をタップする。契約しているサブスクリプションサービスが表示されるので、サービスを開き、「定期購入を解約」をタップすればいい。

メニューから「定期購入」をタップする
契約しているサブスクリプションサービスをタップし、「定期購入を解約」をタップする

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DLIS(デジタルリテラシー向上機構)

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人。今後は、媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行う予定となっています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。