被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

それってネット詐欺ですよ!

「会費が未納です」で4800万円を詐取、弁護士なども自称してメールと電話を駆使する架空請求詐欺の手口

 2020年12月下旬に、埼玉県さいたま市の自営業男性が、4800万円以上の架空請求詐欺の被害に遭ったことが報道されました。

 架空請求詐欺とは、例えば、使っていないアダルトサイトや通販サイトなどの利用料金が支払われていないなどと騙し、金銭を要求してくる詐欺のことです。ウェブサイトを見ているときに突然メッセージが表示されることもありますし、メールが届くこともあります。

 報道によると、通信販売会社社員を名乗る男や弁護士から、「会費が未納のため財産が差し押さえられる」などといった内容のメールが被害者のもとに届いたそうです。被害者の男性はメールに記載されている電話番号に電話し、7月から10月にかけて電子マネーを購入したり、ATMから現金を50回も振り込みました。

 裁判の賠償金は返還されるが、家族に話したら無効になるとも言われたそうですが、最終的に男性が家族に相談し、詐欺被害が発覚しました。

 一度電話をしてしまうと、相手には電話番号が伝わってしまいます。会話の流れで、氏名も聞き出されてしまうでしょう。今回は犯人が通信販売会社や弁護士を自称していましたが、焦っていると正常な判断ができなくなってしまい、信じ込んでしまうのです。

 警察庁の調べによると、2019年に起きた特殊詐欺の認知件数は1万6851件、被害総額は315億8000万円でした。このうち、21%にあたる3533件が架空請求詐欺にあたり、被害額は98億6000万円に上っています。泣き寝入りしている人もいるはずなので、この数字は氷山の一角でしょう。多数の人が被害に遭っているのです。

 高齢者だけがターゲットというわけではありません。筆者の周りだけでも複数の人が架空請求詐欺のメールやメッセージに反応し、電話をかけてしまっています。相談に来る半数以上が女性でした。普段なら見破れるのに、寝起きで寝ぼけていたり、酔っている状況だと、反射的に電話をかけてしまう可能性もあるので気を付けましょう。

 架空請求詐欺を防ぐために、詐欺メールが届いても無視しましょう。もし、AmazonやDMM.comといった企業を騙っている場合でも、メール内のリンクにアクセスせず、自分でウェブサイトを検索してアクセスしたり、不安があればサポートセンターに連絡してください。

知人はこのようなメールを見て直ぐに電話してしまいました

 不審なメールに記載された電話番号について、インターネットで事前に検索する手もあります。電話番号検索サイトに情報があるなら、その会社名が表示されます。そして、架空請求詐欺に使われている番号なら、「架空請求詐欺」「架空請求業者」などと表示されます。

 試しに、架空請求に使われている番号で検索すると、10件近いウェブサイトで詐欺業者であると警告されていました。例えば、日本最大規模の電話番号検索サイト「jpnumber.com」で検索してみると、ユーザーの口コミなども見られます。どのような詐欺が行われているのか情報が共有されているので、参考にすることができます。

 不審なメールに記載された電話番号に電話をかけたり、URLを開くのは危険です。デジタルリテラシーを身に付け、ネット詐欺に遭わないようにしましょう。

「jpnumber.com」などの電話番号検索サービスで調べてみましょう

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

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NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「support@dlis.info」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。