被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

それってネット詐欺ですよ!

「38億円当選しました」を信じて1000万円以上の金銭被害、231回にわたり電子マネーを購入させられる

 「宝くじ38億円が当選した」というメールの内容を信じてしまい、結果的に1000万円以上の金銭的被害に遭ったという事件について、先日報道がありましたが、これは当選したと見せかけた「当選詐欺」の手口です。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

 被害に遭った沖縄県うるま市の60代の男性は、10月に「約38億円が当選した」というメールを受け取りました。そこに記載されているURLを開くと、ウェブサイトには当選金を保証するための費用として、電子マネーの番号が必要だと書いてありました。

 信じてしまった男性は、コンビニで電子マネーを購入し、番号の写真を送信フォームから送りました。その数は231回にも上り、合計1101万8000円相当になりました。

 当選詐欺はさまざまなパターンがあります。「iPhoneが当選した」という偽の当選メールからフィッシング詐欺サイトに誘導させて個人情報を入力させたり、「500万円の車が当選した」ということで、配送料500ドル分をビットコインで送るよう指示するケースも確認されています。

 宝くじに関するネット詐欺も定番で、さまざまな手口が存在します。

 例えば、宝くじに当選したので手数料を振り込むよう要求してくる手口が確認されており、みずほ銀行でも注意を呼び掛けています。

 宝くじを買った覚えがないなら、怪しむ人も多いでしょう。そこでほかにも、「時効当選金を配当する」などとかたり、金銭をだまし取る手口があります。

 通常、宝くじの当選金の支払期間は、支払開始日から1年間です。期限を超えると時効になり、換金できません。この換金されなかった「時効当選金」が意外にも多く、2019年度の時効当選金は144億円に上るそうです。

 時効当選金は発売元の自治体に納められます。しかし、この時効当選金を配当するランダムな抽選に当選したため、手数料や保証料が必要だと要求してくる手口があるのです。

みずほ銀行が宝くじにまつわる詐欺の手口を公開しています

 信じてしまったら終わりです。話半分でも、もしかしたら……と思い、「38億円中、19億円、いや10分の1の3億8000万円でも受け取れればありがたい」と都合のいいように解釈して犯人の話に乗ってしまうのも危険です。

 効果的な対策は2つあります。まず、この手の詐欺メールを受け取ったり、金銭を支払おうか迷ったら、家族などに相談してください。詐欺メールの中には、「ほかの人に情報を伝えたら無効」と予防線を張っているものもありますが、惑わされないようにしてください。

 もう1つが、この事例を知っておくことです。当選詐欺というネット詐欺の手口があるということを知っていれば、ぬか喜びすることもなく連絡を無視できます。また、デジタルリテラシーが高くない人が周りにいるなら情報を共有してください。聞きかじったことがあれば、警戒のアンテナが立つかもしれませんし、いざというときには気軽に相談できる空気も醸成できるので一石二鳥です。

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NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「support@dlis.info」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。