被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
それってネット詐欺ですよ!
Facebookメッセンジャーの複数グループに招待されて「いかがわしい動画」が送られてきた
2020年4月10日 06:00
Facebookメッセンジャーでは、知り合いとチャットでコミュニケーションできるので、日々活用している人も多いでしょう。昔から、ピンポイントでネット詐欺メッセージが来ることはあったのですが、最近、手口が変化したのでご紹介します。
あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
100人くらいが登録された不特定多数宛てのグループメッセージが届きます。当然、相手は友だちなので、「設定」の「メッセージリクエスト」というところに入ります。メッセージのトップにはアダルト動画へのリンクのようなサムネイルが表示されます。文章はありません。
画像は、日本ではそもそもNGのようなえげつないものです。クリックするとアダルトサイトが開き、嗜好について質問が表示されます。最後に「無料登録しますか」と表示され、同意するとパスワードを聞かれます。その後、メールアドレスを聞かれます。先にメールアドレスを聞くと心理的ハードルがあるので、最後に聞くのが芸の細かいところです。
ログインしてもコンテンツは視聴できません。「この先はすごいコンテンツを用意しているので、クレジットをチャージしましょう」とクレジットカード情報の入力を求められます。もし、ここで中断したとしても、メールアドレスとパスワードの組み合わせは盗まれています。
まず、基本的にダイレクトメールで来るような怪しいコンテンツには触らない、ということが重要です。今回も、即削除すれば良いのです。放っておいても、ネット詐欺アカウントはFacebookに削除されます。最初はお金を支払うつもりがなくても、一度ウェブサイトを開いてしまうと、巧みに誘導されてしまいます。URLを開くという行為がデジタルリテラシーが低いことの証明なのですから、そんな人をだますのはプロのネット詐欺師からすれば簡単なのです。
さて、ここで注意したいポイントがあります。このネット詐欺メッセージは、当然、海外の人が投稿しているのですが、なぜかメンバーはほとんどが日本人です。試しに、片っ端からグループの人を開いてみたところ、高い確率で1人だけ共通の友だちがいることが分かりました。
その人の友だちリストから無差別に送信しているのです。別にアカウントに不正アクセスされているわけではないのですが、もし自分のアカウントが使われていたら気持ちが悪いですよね。デジタルリテラシーのない人であれば「君が共通の友だちに出たから信用してお金を払ったんだ」などと言いかねません。
Facebookの友だちリストは第三者には見えないように設定を変更しておきましょう。設定の「プライバシー設定」を開き、「友達リストのプライバシー設定」を開き、「公開」以外の設定に変更します。「友達」にしておけば、少なくとも第三者に閲覧されることはなくなります。
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NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)
高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。