“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ
基本編 第8回
【Q】MACアドレスフィルタリングって何?
2021年8月18日 06:00
【A】MACアドレスを使ってアクセスポイントに接続する端末を制限する機能です
MACアドレス(Media Access Control Address)とは、PCやスマートフォン、あるいはルーターやスイッチといった機器のネットワークインターフェースに割り当てられているアドレスです。このMACアドレスを利用し、Wi-Fiに接続できる機器を制御する機能として、Wi-Fiアクセスポイントに搭載されているのが「MACアドレスフィルタリング」になります。
MACアドレスは「00:50:56:C0:00:08」あるいは「00-50-56-C0-00-08」などといったかたちで、2桁の16進数を6つ組み合わせて表記します。最初の3つの2桁の組み合わせ(00:50:56)がメーカーを表すベンダーID、次の2桁(C0)が機種を表す機種IDで、最後の2つの2桁(00:08)が機器固有のシリアルIDです。
このMACアドレスを割り当てるのはネットワーク機器やネットワーク用チップなどを製造するメーカーであり、基本的には世界中で唯一の番号となるように、それぞれのネットワークインターフェースに割り当てられています。
MACアドレスフィルタリングは、このMACアドレスを利用してWi-Fiでの通信を制限する仕組みです。意図しない端末によるアクセスポイントの利用を制限することを目的とした機能であり、多くのアクセスポイントが対応しています。
MACアドレスフィルタリングにセキュリティ上の効果はなし
ただ、Wi-Fiの電波を傍受すれば、ほかの端末のMACアドレスを簡単に調べられます。また、通信に利用するMACアドレスは、ツールやOSの機能を使って簡単に変更できます。
このため、MACアドレスフィルタリングを行っていても、電波を傍受してMACアドレスを入手し、そのMACアドレスで通信するように設定すれば、簡単にMACアドレスフィルタリングをすり抜けられてしまいます。
Wi-Fiが普及し始めた当初、このMACアドレスフィルタリングはセキュリティ機能の1つとして紹介されることがありました。しかし上記のように簡単に回避することができるため、セキュリティ対策としての効果が期待できるものではありません。
そのため、基本的にはMACアドレスは利用せず、Wi-Fiのセキュリティ規格であるWPA(Wi-Fi Protected Access)を適切に設定して利用するなど、MACアドレスフィルタリング以外のセキュリティ対策を適切に実施しましょう。
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