“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ

基本編 第13回

【Q】デフォルトゲートウェイって何?

【A】インターネットなど、LANとは別のネットワークへパケットを送るための転送先の1つです

 「デフォルトゲートウェイ」とは、宛先の経路が分からないパケットの転送先となるIPアドレスで、「デフォルトルート」と呼ばれることもあります。

 一般的な家庭内LANのデフォルトゲートウェイは、ブロードバンドルーターのLAN側インターフェースのIPアドレスです。LAN内機器からインターネット宛のパケットは全て、まずブロードバンドルーターに転送されます。

 IPアドレスが「192.168.1.5」で、サブネットマスクが「255.255.255.0」だったときは、そのコンピューターが所属しているネットワークでは「192.168.1.1」から「192.168.1.254」までのIPアドレスが使われます。

 そして、パケットの宛先となるIPアドレスがこの範囲(192.168.1.1~192.168.1.254)であれば、そのIPアドレス(が割り当てられたコンピューター)と直接通信を行って、パケットを送信します。

LAN外のネットワークへパケットを送信するルーティングの処理

 一方、宛先に自分が所属していないネットワークのIPアドレスが指定されていた場合は、直接パケットを送信することができません。そこで行われる処理を「ルーティング」と呼びます。

 ルーティングは、別のネットワークに所属しているコンピューターへパケットを送信するための処理で、パケットの転送先を記した「ルーティングテーブル」の内容に従ってパケットを転送します。

 ルーティングテーブルには、宛先となるIPアドレスと、そのIPアドレス宛のパケットをどこに転送するかの組み合わせが記載されています。Windowsにもルーティングテーブルはあり、その内容に従って別のネットワーク宛にパケットを転送します。

Windows 10のルーティングテーブル。コマンドラインで「route print」とコマンドを入力すると、保存されているルーティングテーブルの内容を確認できる

 最初に出てきたデフォルトゲートウェイは、このルーティングテーブルに記載される情報の1つです。

 パケットの転送先がルーティングテーブル内で見つからない場合は、デフォルトゲートウェイとして記載されたIPアドレス宛にパケットが転送されることになります。

ルーターは、LAN内のIPアドレスまたはルーティングテーブルに従ってパケットを転送

 このとき、転送先として記載されているのは「ルーター」と呼ばれるネットワーク機器です。ルーターがパケットを受け取ると、その宛先が自身に接続されているネットワークであれば宛先となっているIPアドレスに直接パケットを送信し、そうでなければ自身が持つルーティングテーブルに従ってパケットを転送します。

 家庭内LANで使われているブロードバンドルーターもルーターの一種です。LANに接続されたPCやスマートフォンなどから、インターネット宛のパケットを受け取ると、ISPのルーターにパケットを転送します。

 「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)」によってLAN内の機器へ自動的にIPアドレスを割り当てる場合、通常はデフォルトゲートウェイが自動的に設定されるため、基本的にユーザーが意識する必要はありません。ただ、手動でIPアドレスを設定する場合は、デフォルトゲートウェイもユーザー自身で設定する必要があります。

連載『“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ』について

スマホをWi-Fiに接続する方法は? Wi-Fiがつながらない原因と解消法は? Wi-Fiルーターの選び方は? この連載では、これからWi-Fiを導入する人や、Wi-Fiを導入しているがトラブルを抱えている人に向けて「Wi-Fiの基本」や「トラブル解消のテクニック」をQ&A形式で解説していきます。