“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ

基本編 第7回

【Q】2.4GHz帯と5GHz帯は何が違う?

【A】2.4GHz帯は遮蔽物に強く、5GHz帯は干渉が少ない

 電波にはさまざまな周波数帯があり、それぞれの周波数帯の用途は法律によって定められています。この周波数帯のうち、Wi-Fiで利用されているのが2.4GHz帯と5GHz帯と呼ばれているものです。

 Wi-Fiが最初に普及したときに使われていた規格である「IEEE 802.11b」は2.4GHz帯の電波を利用していましたが、その後、5GHz帯を利用する「IEEE 802.11a」が登場します。さらに「IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)」や最新のWi-Fi規格である「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」は、2.4GHz帯と5GHz帯の両方を利用できる規格となっています。

 2.4GHz帯のメリットとしては、遠くまで電波が届きやすいこと、そして壁や床などといった遮蔽物に強いことが挙げられます。ただ、2.4GHz帯は電子レンジやBluetoothでも使われる周波数帯のため、電波が干渉しやすいことが欠点です。

 一方、5GHz帯は(屋内では)Wi-Fi以外の用途では使われていないため、干渉が少ないメリットがあります。逆にデメリットは遮蔽物に弱い点で、具体的にはアクセスポイントとWi-Fiデバイス(PCやスマートフォンなど)の間に壁やドアがあると、電波強度が2.4GHz帯よりも低下しやすくなります。

周波数帯ごとの用途は、総務省の「電波利用ホームページ」で確認できる

利用環境によっては2.4GHz帯の方が安定する場合もある

 このように、5GHz帯は干渉の不安が少ないため、特にアクセスポイントからそれほど離れていない位置でWi-Fiを使うのであれば、5GHz帯がベストでしょう。

 ただ、遮蔽物があると2.4GHz帯よりも電波強度が低下するため、例えば住宅の1階にアクセスポイントを置き、2階で使っているノートPCからWi-Fiで接続するなどといった場合には、2.4GHz帯を使った方がいいケースもあります。

 なお、バンドステアリング機能を備えたアクセスポイントの場合、状況によって2.4GHz帯と5GHz帯を最適な周波数帯を自動的に選択してくれるようになり、ユーザーがどちらを使って接続するかを意識する必要がなくなります。もし、利用しているアクセスポイントがバンドステアリング機能を備えているのであれば、1度試してみてもいいでしょう。

連載『“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ』について

スマホをWi-Fiに接続する方法は? Wi-Fiがつながらない原因と解消法は? Wi-Fiルーターの選び方は? この連載では、これからWi-Fiを導入する人や、Wi-Fiを導入しているがトラブルを抱えている人に向けて「Wi-Fiの基本」や「トラブル解消のテクニック」をQ&A形式で解説していきます。