“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ

基本編 第3回

【Q】Wi-Fiルーターのスペックはどこをチェックすべき?

【A】Wi-Fiの規格だけでなく、最大通信速度もチェックしよう

 Wi-FiでPCをネットワークへ接続する際に必要となる、Wi-Fiルーターのスペックには、さまざまな項目があります。その中でまずチェックしたいのは、対応するWi-Fiの規格です。

 最新の規格は、「Wi-Fi 6」と表記されることの多い「IEEE 802.11ax」、その1世代前が「Wi-Fi 5」(IEEE 802.11ac)、2世代前が「Wi-Fi 4」(IEEE 802.11n)です。最大通信速度は規格が新しいほど高速となっており、理論上はWi-Fi 6が9608Mbps、Wi-Fi 5は6933Mbps、Wi-Fi 4が600Mbpsです。

 ただし、同じ規格をサポートしていても、最大通信速度はルーターによっては異なります。これがスペックでチェックしたい2つ目のポイントです。例えば、Wi-Fi 6に対応したルーターの場合、ハイエンド製品の最大通信速度が4804Mbpsである一方、ローエンドの製品は1201Mbpsに留まります。

 特にWi-Fi 6やWi-Fi 5対応のルーターは、製品によって最大通信速度が大きく違ってくるので、製品を選ぶ際には、対応規格に加えて最大通信速度もしっかりチェックしておきましょう。

 なお、Wi-Fiで接続するためには、ルーターだけでなく、接続するスマートフォンやPCもWi-Fiの規格に対応している必要があります。

 Wi-Fiの規格は下位互換性が確保されているため、例えばWi-Fi 5にしか対応していないスマホやPCでも、Wi-Fi 6対応のルーターへ接続することはできますし、逆にWi-Fi 5のルーターにWi-Fi 6のスマホをつなぐことも可能です。ただし、その場合は低い方の規格で通信を行うため、本来の性能を最大限に引き出すことはできません。

 そのため、現状で使っているスマホやPCがWi-Fi 5対応で、なおかつしばらく買い換える予定がないなら、安価なWi-Fi 5対応のルーターを選択するといった判断もあり得るでしょう。

最大通信速度4803Mbpsを誇るバッファローのWi-Fi 6ルーター「WXR-6000AX12S」。同社Wi-Fi 6ルーターのエントリーモデル「WSR-1500AX2Sシリーズ」の通信速度は1201Mbpsなので、大きな開きがある

有線ポートの最大通信速度も要チェック

 Wi-Fiルーター選びでは、Wi-Fiの規格や最大通信速度のほかに、使う機器や環境次第では、有線LANのスペックもチェックしておくのがいいでしょう。

 一般的なWi-Fiルーターであれば、インターネットに接続するための「WANポート」、そしてPCなどを有線LANで接続するための「LANポート」を備えています。このうち特に注目したいのは、WANポートの速度です。例えばインターネット回線の通信速度が10Gbpsであっても、Wi-FiルーターのWANポートの最大通信速度が1Gbpsでは、ここがボトルネックになってしまい、最大でも1Gbpsでしか通信ができません。

 LANポートは1Gbpsで通信可能なものが一般的ですが、最近は2.5Gbpsや10GbpsをサポートしたWi-Fiルーターも比較的入手しやすい価格帯になってきています。実際にその速度で通信を行うためには、有線LANで接続するPCや、途中にあるスイッチなどの機器まで含めて対応させる必要はありますが、高速に通信するニーズがあるなら、LANポートの最大通信速度もチェックしておきましょう。

連載『“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ』について

スマホをWi-Fiに接続する方法は? Wi-Fiがつながらない原因と解消法は? Wi-Fiルーターの選び方は? この連載では、これからWi-Fiを導入する人や、Wi-Fiを導入しているがトラブルを抱えている人に向けて「Wi-Fiの基本」や「トラブル解消のテクニック」をQ&A形式で解説していきます。