イベントレポート

CEATEC 2023

会話生成からモザイク自動生成まで、CEATEC 2023のAI活用ブースまとめ

 10月17日~20日に開催中のCEATEC 2023。今年も多くの企業・団体がブースを出展しているが、この記事では個別にまとめきれなかった、AI関連の技術を利用したブースをピックアップして紹介していく。

 昨今、AI活用がさかんに叫ばれているのは周知の通りだが、CEATEC 2023においても「AI」というキーワードはさまざまなブースで散見される。なかでも「ChatGPT」による文章生成や対話能力を活用した事例は非常に多く、従来なら有人で対応していた部分をAIに置き換え、人手不足などの課題をケアしようという需要の高さがうかがえた。そのほか、画像や映像の解析といった分野でもAIの活用が目立ち、こちらは多様な関連ソリューションが展示されていたのが印象的だ。

日テレ

会場にカメラを設置し、自動で人物の顔にモザイク処理を施すデモ。左画面のように、車のナンバープレートを認識して隠すといった使い方も可能

 日テレとNTTデータが共同開発した「Blur On」は、リアルタイムで映像を解析し、人物の顔を検知してモザイク処理を施すAI自動ソリューションだ。会場ではカメラを使ったデモを実施していたが、映像に映る顔を検知した瞬間、ほとんどタイムロスなく自動的に顔部分にモザイク処理が実行されていた。顔だけでなく特定の情報にモザイクをかけることも可能で、これによりプライバシーの保護や、従来であれば動画編集ソフトで時間をかけていたモザイク処理の大幅な時間短縮などにも貢献できるという。

日立

日立が推進する「鉄道メタバース」のデモ。車両内部や路線をメタバース化し、設備保全の訓練などに利用するもの
今回展示されたシステムには、生成AIによる質疑応答機能が組み込まれていた。過去の業務報告書などのソースに基づいた指示に従っていくことで、業務の精度を高めることが可能に

 日立ブースでは産業用の鉄道メタバース関連の展示を実施。具体的には、鉄道の車両や路線をメタバース空間に投影し、質疑応答などが可能な生成AIを組み合わせることで訓練システムとして成立させている。鉄道メタバース自体は、設備保全に関する情報を立体的に共有しようとする試みで、関係者の合意形成、現場の技術継承といった目的があるとのこと。

MIXI

独自の会話生成AIを搭載したAIロボット「Romi」。対話の返答時などにクラウド経由で文章を生成するため、単にルールに従って返答する従来の会話ロボットよりも自然な応答ができるとしている
本体はSNS「mixi」の吹き出しロゴを模した形状をしている。ちなみにRomiの名称の由来は"ロボット オブ ミクシィ"だそう

 MIXIは、深層学習により日本語データを学習させた独自の会話生成AIを搭載するAIロボット「Romi(ロミィ)」を展示。登録された会話パターンではなく、1つ1つの発話ごとにしゃべる文章を生成することで、より自然な会話を可能としている点が特徴。表情や動きのパターンは100種類以上にのぼるほか、今年に入ってから追加されたChatGPTと連携するアシスタントモードにより、さらに幅広い会話を可能としている。

NEC

「NEC Generative AI Service Menu」は、日本語の大規模言語モデルをもとに、クライアントの特性にあったさまざまなサービスを提供する試み
LLMの業務への組み込みを支援する「NEC Generative AI Framework」なども提供

 NECブースでは、生成AIによる日本語のLLM(Large Language Model、大規模言語モデル)をもとにサービスを提供する「NEC Generative AI Service Menu」関連の展示を実施。同社製のLLMは日本語能力の高さ、標準的なGPUサーバーで動作する軽量さを特徴としており、日本語プロンプトへの反応も高速であるという。ハードウェア、ソフトウェア、コンサルティングといった業種ごとに特化したサービスを提供し、機密性の高い業務にも対応するとしている。

bestat

AIを活用し、写真や映像からベースとなるモデルを生成する「3D.ai」。3D化した商品は360度さまざまな角度で見られるようになるといったメリットがあり、ウェブ上の店舗などと親和性が高い

 bestatは、同社製の3Dモデリングプラットフォーム「3D.ai」を実施。AIが写真や動画をもとに3Dモデルデータを自動作成し、最終的には3Dモデラーが調整を加えることで、半自動ながら精巧な出力を可能としているのが特徴。店舗やショールームのバーチャル化といった用途を想定しているとのこと。

AI Booster

AIに実在人物の個性を学習させ、「AIタレント」としてファン向けのプロモーションなどに活用する試み。現在は開発中とのことで、デモなどは実施していなかった

 AI Boosterは、生成AIに実在するタレントの個性を学習させたチャットコミュニケーションサービス「AI am:アイアム」関連の展示を実施。ユーザーとの会話を実現しながら学習していくことで、親密度に応じたよりパーソナルな会話が可能になるとしている。プロモーションやアンケートといった目的での利用が想定されており、12月には第1弾となる「AI am:和田まあや」をリリース予定。