被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

高齢者のネット詐欺被害を撲滅しよう!

SMSで来るネット詐欺をブロックしてくれるアプリが今年中は無料で使える

 ネット詐欺を仕掛ける経路の1つに、SMS/MMSメッセージがあります。携帯電話を持っていれば、電話番号宛てに送られてくるので注意が必要です。

 アダルトサイトの料金が未納なので3万円を本日中に振り込むようにとか、宅配便を届けたら不在だったのでアプリをインストールして希望日時を入力してくれとか、Amazonの会員登録料が未払いだといった内容が送られてきます。電話番号を知られている、ということから個人情報を全部握られていて逃げられない、と錯覚させるのが狙いです。

 定番の詐欺ですが、今でも一定数の詐欺メールが配信されています。お金を振り込んだり、記載されている電話番号に連絡したり、アプリをインストールしてしまうと、目も当てられません。

 対応策は“無視”の一手です。本連載では、これらの詐欺を見破るテクニックをいろいろと紹介してきましたが、新しい対応策がお目見えしました。3月27日に、ソフトバンクグループのBBソフトサービス株式会社がiPhone向けの「SMS詐欺ブロッカー by 詐欺ウォール」をリリースしたのです。

年末までは「SMS詐欺ブロッカー」を無料で利用できます

 iPhoneの「メッセージ」アプリに組み込む製品で、SMS/MMSメッセージを解析し、詐欺かどうかを判断してくれるというもの。怪しいメッセージは「迷惑メッセージ」タブに隔離してくれるので、安心できます。さすがに、「迷惑メッセージ」タブに分類されていれば、引っかかる可能性は少なくなるでしょう。

 しかも、BBソフトサービスは「SMS詐欺ブロッカー」を2019年12月31日まで無料で使えるようにしました。年内であれば、タダで利用できるのだから入れない手はありません。とはいえ、アプリをダウンロードしただけでは有効にならないので、設定方法をチェックしましょう。

 アプリをインストールしたら起動し、通知を許可します。続いて、使用許諾契約に同意します。続けて、iOSの「設定」から「メッセージ」を開き、「不明な送信者および迷惑メッセージ」をタップします。「SMSフィルタリング」のところに「SMS詐欺ブロッカー」という項目が出ているので、オンにします。確認ダイアログが表示されるので「有効にする」をタップすれば準備完了です。

「SMS詐欺ブロッカー」からの通知を許可します
「不明な送信者および迷惑メッセージ」を開きます
「SMS詐欺ブロッカー」をオンにします
「有効にする」をタップします

 メッセージアプリを開くと、「迷惑SMS」というタブが表示され、詐欺メールと判断されたメッセージが分類されるようになります。

「迷惑SMS」というタブが現れます。画面は筆者が作成しました

 年内無料ということは、来年から課金されるのでは? とアンテナが立った人はさすがです。「一定期間無料の怪しいアプリを試用したことがある」の回で紹介したようなネット詐欺もあるので注意するに越したことはありません。

 しかし、安心してください。BBソフトサービスは「Internet SagiWall」というネット詐欺対策ソフトを開発している企業なので、その心配はありません。無料提供期間終了前に、きちんと連絡が来るとのことです。少なくとも、何もせずにそのまま有料プランに移行してしまうようなことはありません。まずは、SMSで届く詐欺メールの遮断にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

NPO法人DLIS(デジタルリテラシー向上機構)

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。