被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

ロマンス詐欺に引っ掛からないように注意!

「元アイドル」の女性から“間違いメール”が届いてビックリ!? 返信しても大丈夫?

 芸能人を装ってメッセージやメールを送って金銭をだまし取ろうとするネット詐欺の手口があります。これは「ロマンス詐欺」の手口の1つですが、これまでは男性の芸能人を装い、女性をターゲットにする傾向がありました。しかし、今度は女性の芸能人などを装い、男性をターゲットにしたロマンス詐欺について相談を受けたので、その事例を紹介します。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

 ある日、「ごめん~」という件名のメールを相談者の男性は受信しました。文面は「このメールアドレスで合ってるよね?」のみ。メールアドレスに心当たりがなかったため、男性は「誰でしょうか?」と返信してみます。すると、相手は連絡先を間違ったと説明してきます。スマートフォンが故障したため、会社のスマートフォンを利用しているものの、使い慣れていないので誤操作してしまったというのです。

相手によると、会社のスマートフォンを使ったため、間違ってメールを送ってしまったというのです

 そこから、自然な感じでメールのやりとりが始まり、こちらの個人情報を少し開示すると、相手は「名前は○○です!」「大分出身」「11月21日生まれ」「元アイドルでバラエティをやっている」などと自己紹介を始めます。こうした情報を元に検索してみると、有名な女性芸能人のプロフィールと一致しました。

 しかし、この時点で、芸能人がこんなことをするはずがないと詐欺を疑わなければいけません。それでも、出会いとなったのが間違いメールということや、数回やりとりしている中で、完全に信用してしまったというケースがあります。冷静に判断できず、相手をすぐに信用してしまうのは大変危険です。

 もちろん、この話を第三者にされてしまえば、詐欺であることが発覚してしまいます。そのため、相手は「ここだけの話ってことで、内緒にしてくださいね」と釘を刺し、口外しないように手を打つのです。

 その後、朝のあいさつや「お腹が空いた」といった気軽なメッセージで友だちのように接してきたり、芸能界の様子を交互に送ってきます。

 例えば「新しく決まりかけてたCMの仕事がなくなっちゃった。私がバラエティーで発言した内容が、商品イメージと合わないって、相手の会社の人がたまたま番組を見ていて、だめってなったんだよね。いきなりこんな愚痴みたいなこと言っちゃってごめんね」などと弱みも見せるなど、あの手この手とメッセージを送ってきます。そこで電話をしたいことを相手に伝えると「会社のスマートフォンなので無理だけど、修理が終わればOK」といなされます。

相手は赤裸々なことを言ってきますが、信用してはいけません

 今回、情報を提供してくれた方は、最初からネット詐欺だということに気付き、画面をキャプチャーしつつ適当にあしらいました。そのため、犯人もお金を奪う段階までには移行できず、ずるずると会話をしている状態になっています。

 もし、被害者が食いついたと判断した場合「メールやLINEだと事務所にばれやすいので安全なメッセージサービスを使おう」と聞いたことのないチャットサービスに誘導されます。そのチャットサービスが有料で、1通100円~5000円といったお金をエンドレスで取られていくのです。

最終的に有料のチャットサービスに誘われました

 芸能人から一般人にいきなり連絡が来ることはありません。ネット詐欺です。そもそも、最初から名乗らずにメールアドレスが有効かどうかを確認してくる内容に返信してはいけません。メールアドレスが有効だと分かれば「カモリスト」に入れられてしまい、その後、さまざまなネット詐欺を仕掛けられてしまう可能性があります。

 ロマンス詐欺の被害は急激に拡大しています。以前は外国から仕掛けられることが多く、翻訳サイトからのコピーと思われる文面で見破りやすかったのが特徴でした。しかし、多額の被害が頻発しており、この手口で儲かることが判明したので、今では日本人の手によると思われる文面もたくさん出回っています。

 デジタルリテラシーを向上させ、ロマンス詐欺の被害に遭わないようにしましょう。そして、もし少しでも怪しいと思ったら、お金を支払う前に誰かに相談してください。友だちに話すのが憚られる場合は、消費者ホットラインや国民生活センターなどに相談しましょう。

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高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「support@dlis.info」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと