被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

それって騙されてない?

オンラインカジノで一攫千金! のはずが…突然の閉鎖や出金不能など詐欺に引っ掛かる可能性も

日本でもコロナ禍でオンラインカジノを楽しむ人が増えました

 日本では賭博行為は非合法とされています。しかし、海外ではカジノをはじめ合法なところも多く、日本人でも海外旅行時に楽しむことは可能です。

 そんなカジノをオンラインで楽しめるようにしたのがオンラインカジノです。スマホからでもアクセスでき、バカラやルーレット、ブラックジャック、スロットなどを楽しめます。もちろん、現金を賭けて勝てば儲かります。

 日本においてオンラインカジノを営業することは違法です。ただ、海外で合法的に運用されているオンラインカジノを利用するなら、明確に取り締まる法律がなく、グレーゾーンとなっています。利用者が逮捕されたケースもあるのですが、コロナ禍でユーザーが急速に増加しています。

 カジノゲームは普通にプレイするだけで、胴元側は必ず利益が出るようになっています。そのため、きちんとしたカジノはイカサマをせず、公平にプレイさせてくれます。オンラインカジノも定評のあるサービスであれば、勝つときは勝てるそうです。

 しかし、顔の見えないオンラインカジノです。詐欺的なことが行われることもあり、ありとあらゆるパターンの被害に遭った声がSNS上にあふれています。

まともに運営していたとおもったら急に閉鎖……

 最もひどいのが、ある程度まともに運営して、評判が高まり入金額が大きくなってきたところで、いきなり閉鎖するパターンです。対外的には解散したという体で、お金を持ち逃げします。もちろん、ユーザーにお金は戻って来ません。

 ギャンブルはプログラムで処理されますが、その確率を変更するなど造作もないことです。わざわざ公平にする必要もありません。しかし、そのようなギャンブルに負けて文句を言ったところで返金などされません。

 低額を賭けている時は通常の処理がされる一方で、大きい金額を賭けたときだけ負けさせる処理がされることもあります。この場合は、トータルの勝敗率がフェアに見えるので、ユーザーに気付かれにくくなります。

 運よくギャンブルに勝っても出金できないというトラブルも多発しています。出金するためには追加で10万円入金するよう詐欺的な要求をしてくるケースもあります。

入会特典のボーナスに釣られないように注意国際ロマンス詐欺にも悪用されるオンラインカジノ

 では、なぜ定評のある大手ではなく、怪しいオンラインカジノでプレイしてしまう人がいるのでしょうか。

 もちろん、何も考えずに目に付いたサービスに手を出した、ということもあるでしょうが、多くは入会特典です。新規入会し、入金すると○○ドル分のボーナスがもらえると謳っています。このボーナスが大きいほど怪しいと言えるので注意が必要です。

 別パターンとしては、「国際ロマンス詐欺」にオンラインカジノを利用する例もあります。例えば、海外の美男・美女にオンラインで口説かれ、LINEを交換してコミュニケーションするうちに同棲や結婚の話に持ち込まれるのですが、その軍資金を作るために一緒に投資しようと、オンラインカジノに誘導されるのです。この場合は確実に詐欺で、全財産を失うまで止りません。途中、数値上は勝っている状況に見えるのですが、絶対に引き出すことはできません。

関連記事:『「国際ロマンス詐欺」への対策とは? ネットで魅力的な人物から口説かれたら要注意!』参照

 オンラインカジノをプレイすることの是非はここでは置いておいて、大事なお金を預ける場合、きちんとサービスのことを把握しておく必要があります。

 運営者は誰なのか、カスタマーサポートはあるのか、利用規約はどうなっているのか。ユーザーはどのくらいいて、悪い口コミはないか、などを徹底的に検索しましょう。詐欺サイトであれば、何らかのヒントが見つかるはずです。

 自分の財産は自分でしか守れません。欲を出してしまい、より大きなお金を失わないように注意してください。

自分のお金を使うのであれば、利用するサービスについては厳重に調べる癖を付けましょう

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと