イベントレポート
CEATEC JAPANで見た 日本の新技術・謎技術
会議室を音で見張るAIデバイス
喜多充成の“虫の眼”レポート #8
2018年12月14日 07:00
千葉・幕張メッセで10月16日から4日間の日程で開催された「CEATEC JAPAN 2018」で興味をそそられた展示物を、この展示会を定点観測してきた筆者が“虫の眼”で回顧する。
音響つながりでさらにもう1つ。PFUはドキュメントスキャナーの展示の背後で、音で会議室の利用状況を把握する「会議室満空検知システム」を展示。スマートスピーカーのような外観のこのデバイスは、マイクがキャッチした音声を環境音としてAI認識することで、大事な仕事をする。その仕事とは「AIがその場の状況を分析し、会議室のカラ予約を自動キャンセル。限られた会議室を有効に活用して働き方改革に貢献します」というもの。ちなみに同社が自社内で調べたところ、カラ予約の比率は約3割にも上ったとか。「マナーの問題かもしれませんが」と自虐を入れつつ、「音響識別の国際コンペティションで優勝のAIを搭載」と強力にアピールしてくれた。
「CEATEC JAPANで見た 日本の新技術・謎技術」記事一覧
喜多 充成
1964年石川県生まれ。科学技術ライター。週刊誌のニュースから子ども向けの科学系ウェブサイトまで幅広く手がける。産業技術や先端技術・宇宙開発についての知識をバックグラウンドとし、難解なテーマを面白く解きほぐして伝えることに情熱を燃やす。宇宙航空研究開発機構機関誌「JAXA's」編集委員(2009~2014年)、共著書に『私たちの「はやぶさ」その時管制室で、彼らは何を思い、どう動いたか』(毎日新聞社)ほか。「インターネットマガジン」の創刊から休刊まで見届けたほか、「INTERNET Watch」では、「あるウイルス感染者の告白」「光売りの人々」など短期集中連載。