イベントレポート
CEATEC 2026
道路からの“走行中ワイヤレス給電”、いすゞの自動運転大型バス、超小型自動車の「セルフメイド」……併催イベント「Japan Mobility Show Bizweek 2026」にも見どころ多数
2026年10月15日 15:00
「CEATEC 2026」と同時開催されている「Japan Mobility Show Bizweek 2026」。隔年開催される「Japan Mobility Show」のクルマそのものを中心とした展示とは違い、ビジネスの出会いを生み出すイベントとして開催している。
自動車メーカーの展示も、自分たちが持つ技術を紹介しながら、共創する相手を探すということも同時に行っていることが特徴となる。そのなかから、注目の展示を紹介する。
三菱自動車、コネクテッドカーによる中古車査定
2009年に本格的な量産電気自動車を発売した三菱自動車は、実証中の車両データ評価書の展示を行った。現在では通信するクルマ“コネクテッドカー”が広まっているが、クルマに蓄積された情報から、車両を評価するという試み。
例えばクルマの価値の重要な指標である走行距離は、途中で不正に改ざんすることもできなくない。そこで、コネクテッドカーであれば、適宜データをクラウドにアップロードするため、蓄積された走行距離データを追っていくと改ざんが判明しやすくなる。
また、ほかにも、現在のクルマは車両の不具合は記録され、車検時にもケーブルを接続して不具合情報をチェックするようになっているが、コネクテッドカーならその情報もクラウドに蓄積、時系列に蓄積されたクルマの異常も知ることができる。
さらに、超高速走行の記録や、エンジン車の場合はクルマを傷めると言われる短距離走行の繰り返し、また、位置情報から雪国走行での融雪剤の影響がある可能性、海岸部での利用の塩害の可能性などまで情報を集め、車両状態の判断に活用できる。データの活用はユーザーの承認のもとで行うことになるが、最初は法人利用やカーリース車の状態把握などの利用が想定されるという。
また、コネクテッドカーの応用として、電気自動車向けには、車両からの使用データから最適な充電スケジュールを算出、電力会社からのリアルタイムで変動する電気料金情報も加味して充電が行える電気料金プランの紹介も行っていた。
スズキ、電動車いす事業から発展した“ロボットの足”
スズキは自動車メーカーとして知られるが、シニアカーなど電動車いす事業でも約50年の歴史がある。そこで、電動車いすの車台をロボットの足として活用する多目的電動台車「MITRA」を展示した。
MITRAは前後左右サスペンションと後輪独立2モーターを搭載、防水と防錆性能を持っている。段差も乗り越えて直進することできる電動台車とし、用途としてスズキが挙げた例は、運搬車の足、点検ロボットの足、配送ロボットの足、除雪ロボットの足、土木/建設ロボットの足、農業用ロボットの足など。
ホンダ、“道路からの給電”を展示
ホンダは、自工会合同展示に走行中無線給電を展示した。電気自動車を長距離連続走行をさせるため、道路に埋め込んだ給電ユニットから、車両側の受電ユニットに電気を供給する。
大型トラックから乗用車まで共通の50kW給電の基本ユニットを使い、トレーラーのヘッドならユニットを配置して200kW給電を実現する。
社会実装には大成建設グループとともに技術開発を進め、2027年度はNEXCO東日本の館山自動車道での実証実験に参画。将来的には長時間走行する物流車両での充電停止時間の削減が期待できるという。
いすゞ、大型路線バスタイプの自動運転バスを展示
Japan Mobility Show Bizweek 2026の会場の中央部分には、このイベントを主催する一般社団法人日本自動車工業会(自工会)合同展示としてテーマ別の展示が行われ、自動運転にはいすゞが大型電気バスの「エルガEV」の自動運転バスを展示した。
ベースとなるエルガEVは国内初のフルフラットな電動の大型路線バス。そこにティアフォーの自動運転システムを組み合わせ、レベル4の自動運転を目指している。ボディにはカメラ、LiDAR、ミリ波レーダーなどを搭載して自動走行を実現する。
展示では、動くことはなく、中にも乗り込めなかったが、自動運転に備えてセンサー類が多数ボディに装着されていることは確認できた。路線バスとして日本各地で多く走っているディーゼルエンジン搭載のいすゞエルガと比べて、特徴的なヘッドライト形状や、バッテリーを搭載しているボディ前部などが確認できた。
マツダが提案したCO2削減策は“排出せず貯めて回収”してしまうこと
自動車業界では低燃費化や電動化などでCO2削減に取り組んでいるが、マツダはCO2を出さない仕組みではなく、エンジンからの排ガスは出すが、CO2を貯めてしまうことを提案した。
マツダによれば、カーボンニュートラル燃料によって90%削減したうえでCO2回収技術を使うことで、さらに20%削減。CO2の排出を減らすだけでなく、走れば走るほど大気中のCO2濃度を減らしてしまう「カーボンネガティブ」を実現するとした。
展示された回収装置は自動車の排気口のところにあるマフラー(消音器)のようなもの。すでにスーパー耐久シリーズで走らせており、回収のデータを集めている。
ダイハツ、電気自動車を活用した地域マイクログリッドを提案
ダイハツと前田建設工業が共同で実証実験を行う地域マイクログリッドは、電気自動車のバッテリーを移動可能な蓄電池として地域マイクログリッドに組み込むことで、蓄電容量を増やすことと非常時に電力を融通しあうことが可能になる。
中心となるのは太陽光発電と蓄電池、電気を使うものの3つのポートを持つ電力変換器で、そこにダイハツの軽商用BEVバンを接続することで、BEVの充電だけでなく蓄電地としての役割りを持たせ、BEVは蓄電池を持ちながら移動できるので非常時に電気を融通する役割りを果たす。しかも、軽自動車なので取り回し性能が良く、狭い道などでも移動が可能。
さらに、蓄電池と電力変換器などを20フィートコンテナに納め、移動できる電源として被災地やイベント会場に移動させることもできる。自動車の開発技術を使うことで、電力変換器を約10分の1にコンパクト化することや、既存の自動車部品を使うことで低コスト化も狙っている。
自分で作ったクルマを走らせ、市販化へ
環境技術などの展示が多くなりがちなモビリティの展示会で、変わった提案をしているのはICOMA。小型モビリティを多く発表しているが、ICOMAのメカニックがDIYで作った公道走行可能な「セルフメイド」をベースに、完成車を市販しようという共創プロジェクトを展示した。
ベースとなったセルフメイドは、超小型自動車として50cc以下の排気量のエンジンを搭載する「ミニカー」に区分される。セルフメイドはすでに公道走行可能で、2023年に日本一周走行を行い、その後も累計4万6000kmを超える公道走行を記録するなど実績もある。
完成車を共同開発するのはICOMA、萩原エレクトロニクス、名張ホールディングスの3社。
水素の普及を狙う合同展示
Japan Mobility Show Bizweek 2026の会場で最も目を引く展示が、自工会合同展示にある水素を燃料とした大型トラック2台をはじめ、水素を燃料とする自動車たちだ。
大型トラックは三菱ふそうの「H2IC」と日野の「プロフィア Z FCV」で、どちらも燃料電池の燃料として水素を使い、発電された電気で電気モーターを動かす。
バイクでは、スズキが燃料電池の「GIXXER SF 250 FFV」と、水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE)による水素エンジン搭載のバイクが展示された。
4輪車では、スズキの海外向け車両「ビクトリス」に水素エンジンを搭載したものや、ヤマハの水素を使った燃料電動カートなどを展示した。



















