イベントレポート

CEATEC 2026

PCメーカーとして唯一、CEATECに出展――NEC PCが示した「AI時代のビジネスPCの進化」と「安全で実践的なAI活用」

「CEATEC 2026」のNECパーソナルコンピュータのブース。ブランドカラーのブルーでまとめている

 PCメーカーとして唯一、「CEATEC 2026」に出展したのがNECパーソナルコンピュータ(NEC PC)である。

 昨年は、2016年以来、9年ぶりの出展となったことが話題を集めるとともに、2025年4月に法人向けPCの販売機能をNEC本体からNECパーソナルコンピュータに移管したあとのタイミングでもあったことから、法人向けPCを前面に打ち出した展示となっていた。

 それに対して、2年連続となる今年の出展では、2026年7月に法人向けデスクトップPCの「Mate」と法人向けノートPCの「Versa Pro」を、個人向けPCブランドとして使用してきた「LAVIE」に統一したことで、それを訴求する狙いがあるとともに、AI時代の働き方を支える新たなビジネスPC群を、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを交えてアピールすることを目指した。

「LAVIE」ブランドとなったビジネスPCの新製品群を展示。生成AIの情報漏えいを防ぐ独自技術も

 CEATEC 2026を、AI時代のビジネスPCの進化と、安全で実践的なAI活用の未来を体感できる場に位置付けた。

 NECパーソナルコンピュータの髙橋直人氏(コマーシャル事業本部 マーケティンググループ プロフェッショナル)は、「AI PCが登場したものの、それによって何ができるのかといったことが、PC業界全体で訴求できていないという反省がある。今回の展示では、AIを活用してPCで何ができるかということだけでなく、NECが提供するソフトウェアやサービス、さらにはパートナー企業のソフトウェアなども展示することで、AI PCによって実現する新たな世界をアピールする展示内容とした。CEATECにはAIに関心を持つ来場者が多い。だが、各社の展示はAIソリューションの展示が中心となっている。CEATECに唯一出展したPCメーカーとして、NECパーソナルコンピュータのAI PCを訴求する絶好の機会になった」と語る。また、「NECパーソナルコンピュータが、法人向けPCで打ち出したいと考えている日本のユーザーが求める軽量化、長時間バッテリー駆動、AI活用といった点での優位性を訴求する場にもなった」と語る。

CEATEC 2026会期2日目には、NECパーソナルコンピュータの檜山太郎社長がブースを視察
ブース内では熱心に説明を聞く檜山社長の姿が見られた

 展示ゾーンは、4つに分けたという。

 1つめが、法人向けPCの新たなブランドとなった「LAVIE」の新製品群の展示だ。

 NECパーソナルコンピュータでは、2026年7月のLAVIEブランドへの統一とともに、Copilot+ PCをはじめとした7機種の法人向けPCを発表。展示ブースでは、99.9Whの超大容量バッテリーの搭載と、重さ999gという軽量化を目標にした「Project 999(スリーナイン)」によって開発したモバイルノート「LAVIE BM94C」を展示。動画再生で約30.5時間、アイドル時には約50.8時間を実現した世界最長バッテリー駆動の強みを訴求したほか、SSDやメモリ、バッテリーの交換が可能な16型スタンダードノートPCの「LAVIE BN56R」、13型タッチディスプレイを搭載したWindowsタブレットPCの「LAVIE BT53C」など、5機種を展示した。

 NECパーソナルコンピュータの髙橋氏は、「LAVIEは、フランス語で人生という意味を持つ。さまざまな場所で仕事をすることが増えており、仕事の面でも人生を支え続けるブランドとして訴求していく」と述べた。

世界最長バッテリー駆動を実現したモバイルノートPCの「LAVIE BM94C」
約914gの軽量設計と22.6時間のバッテリー駆動を両立させた「LAVIE BM74C」も展示した
バッテリーを自ら交換できることを訴求した16型スタンダードノートPCの「LAVIE BN56R」
13型タッチディスプレイを搭載したWindowsタブレットPCの「LAVIE BT53C」
NECブランドのPCは、1979年に発売したPC-8001を起点に、累計出荷1億台を達成している

 2つめは、AI時代におけるソフトウェアのゾーンだ。

 ここでは、生成AI活用時の個人情報漏えいリスクを低減するNECパーソナルコンピュータの独自技術「PS Info Shield」を展示した。

 チャットアプリ並みの軽量なメモリ使用量でありながら、プロンプトや添付ファイルなどのなかに記載された個人情報を高い精度で検出して、その部分をマスキングしたり、ID化したり、一般化したりする技術であり、これをSDKとして提供している。

 「クラウドAIを業務で利用したいと考える国内企業は多いが、その一方で個人情報などの流出リスクがあり、AI導入や活用のブレーキになっている。PS Info Shieldを活用することで、プロンプトや添付ファイルのなかにある個人情報を安全な情報に匿名加工することができる。検出や匿名加工は、ローカルPC内で完結して動作することができる。今回の展示では、PS Info ShieldのSDKを提供していることを訴求し、コラボレーションできる企業との対話を進めたい」とした。

 NECパーソナルコンピュータでは、2026年4月に開催したプライベートイベント「AI×PC DAY 2026」においてPS Info Shieldを公開していたが、プレスリリースなどを通じての発表は行っていない。その点では、一般に広く公開するのは今回が最初の機会とも言えた。すでにSDKを提供できる環境にあることから、今回の展示を通じてパートナーとの協業のきっかけを模索した。

 また、情報漏えい対策では、パートナーによるサービスの展示も行っていた。

 SentinelOneでは「Prompt Security for Employees」を展示。AIのプロンプトに文字列を“コピペ”する場合などに、機密情報や個人情報が漏えいしないように自動的にマスキングすることができるという。すでに1万5000以上のAIサービスに対応しているという。

「PS Info Shield」の概要についてパネル展示
「PS Info Shield」による個人情報の匿名加工の様子
パートナーによる展示も行った
SentinelOneの「Prompt Security for Employees」の紹介

 3つめは、AIを活用したパートナーのソフトウェアおよびサービスの展示である。

 ここでは、Preferred Networksが開発中の国産AI翻訳サービスである「PLaMo翻訳」や、K-kaleidoが開発したローカル文字起こしソフト「スピーチコネクト」などが展示されていた。

 インテルの技術営業責任者を務め、2024年12月にK-kaleidoを設立した同社の安生健一朗社長も、NECパーソナルコンピュータのブースに自ら立って「スピーチコネクト」をデモンストレーション。さらに、PC操作から操作動画や手順書を自動生成する「KnowStep」や、会議ログから議事録・要約・アクションを生成する「言の記(コトノキ)」も実演してみせた。

 K-kaleidoの安生社長は「AI PCのアプリを開発するために設立した企業がK-kaleidoである。今回の展示では、会議や商談をリアルタイムで文字起こしをしたり、翻訳ができたりする『スピーチコネクト』に加えて、『KnowStep』と『言の記』を展示した。いずれも、AI PCのなかに閉じてローカル上で処理できる。AIエージェントの時代は、セキュリティなどの観点からも、クラウドファーストではなく、PCファーストだと考えている。こうした考え方をベースに開発した製品群である」と位置付けた。「KnowStep」と「言の記」は、いずれも10月中に発売予定だという。K-kaleidoの製品はすべて買い切りでの価格設定としているのが特徴であり、2つの新製品もそのスタイルを踏襲するという。

Preferred Networksが開発中の国産AI翻訳サービス「PLaMo翻訳」
K-kaleidoは、ローカル文字起こしソフト「スピーチコネクト」などを展示
会議ログから議事録を作成する「言の記」。日付から議事録を検索できる機能も持つ
PC操作から操作動画や手順書を自動生成する「KnowStep」
スクリーンショットを撮影するといった作業を行わずに簡単に手順書が完成する

 4つめが、学生向けタブレットや中小企業向け販売チャネルの紹介だ。CEATEC会場には学生の来場も多いことから、学生向けのタブレットPCを展示。さらに、法人向け専用ストア「NEC Pro」についても紹介した。小規模事業や個人事業を対象にしたものであり、NEC Proに登録すると法人向けPCを1台から購入でき、専任営業がサポートし、会員限定価格で購入できることをアピールしていた。

学生向けのタブレットPC「LAVIE TabT12N」などを展示
法人向け専用ストア「NEC Pro」では、法人向けPCが1台から購入できる
ブースでは「AI活用タイプ診断」も実施した
来場者にはグッズのプレゼントも行われた
さらに毎日1人に「LAVIE BM74C」が当たる特別キャンペーンも実施していた

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