イベントレポート
CEATEC 2026
アンダーパスなどに簡単設置できる「自立型冠水センサー」と、給排水が困難な環境でも洗濯できる「排水レス循環型洗濯システム」
「CEATEC 2026」で見つけた、水害・災害対策ソリューション
2026年10月16日 11:03
今年8月から9月には、「CEATEC 2026」の会場がある千葉県でも多くの水害が発生した。偶然にも、水害・災害時に非常に役立ちそうなソリューションの展示があったので紹介したい。
外部の電源も通信回線も不要、設置してすぐ水位情報を取得できる太陽誘電の「自立型冠水センサー」
太陽誘電は、水位計をはじめとする防災ソリューションを展示した。太陽誘電といえば電子部品の会社というイメージがあるが、持っている技術などを活用、防災ソリューションも手掛けている。
ブースで目を引くのは「自立型冠水センサー」。高さ447mm・幅107mmの円筒形で、太い塩ビ管のような形状。内部にバッテリーとLTE通信モジュールが入っており、設置に際して電源配線も通信回線も不要。すぐ稼働させることができる。内蔵バッテリーは約7年間使えるという。
用途としては、道路冠水の可能性がありそうなアンダーパスや、水位を監視しておきたい水路など。
センサーは4段階の検知となるが、なによりも設置が簡単。ポールなど取り付けられる場所さえあれば、設置工事の手間も少なく、取り付け場所によっては業者に依頼することなく自治体職員の手ですぐ取り付けることもできる。
太陽誘電はほかにも水位計があり、水面の上からセンサーで水位を測定する「電波式水位計」もある。水面を見下ろす場所に設置すると0.1~50mまで読み取り単位が1cmで測定できる。
こちらもLTEの通信機能があり、電源は別途必要だが省電力設計で小型の太陽光パネルと蓄電池で動作させることで、電源のないところの設置がしやすい。例えば、河川なら水面を見下ろす橋の下に設置できる。
また、センサーからのデータを集めて確認する手段も必要となるが、太陽誘電ではクラウドサービスをあわせて提供。ウェブブラウザーで確認できるサービスや、アラートメールの送信のほか、外部システムとの連携もできるサービスも用意している。
洗濯水を濾過して循環させる“排水レス”の洗濯機「トリプルフリーランドリー」シャープが展示
シャープの排水レス循環型洗濯システム「トリプルフリーランドリー」は、「CEATEC AWARD 2026」で優秀賞を受賞した。洗濯水を濾過して使うことで排水不要。アルカリイオン水を使うので洗剤も不要。災害時の衛生環境維持に役立つ。
水を繰り返し使うので「洗浄能力はどうなの?」と思うかもしれないが、洗濯機の展示の裏側には実際に洗濯した白いシャツが展示され、ソース、醤油、トマトジュース、汗染み、ココアを付着させて、洗濯前と後の比較も展示されている。
水についても洗濯後の水が循環され、きれいになっていく様子も展示されている。ブースのデモでは35リットルの水を繰り返し使っているとのことだ。
一方で、こうした災害時に使える製品は、通常時は使用していないと、いざというときに使えないこともある。そこで、シャープではこのシステムはふだんから普通の洗濯機として使って通常排水を行い、災害時だけ水の循環利用ということを想定している。
組み入れる洗濯機もほぼ市販品のままで、水の循環システムへの接続部分の追加が今回の循環型洗濯システムのメインになっている。
なお、水をきれいにして再使用するが、もともと使う水は上水道を想定している。雨水や河川の水などを使うことは想定しておらず、主に排水に制限がある場合のシステム。水の利用も96%は再使用できるが、残り4%は洗濯物に付着、乾燥させる際になくなってしまう。そのため、使い続けるには水の補給も必要になる。
実際に水害に遭うと分かるが、上水道は使えていても、冠水が続けば下水が使えなくなる場合が多い。特に洗濯では大量の水を排水するため、下水の流れが悪くなることまで想定すれば、災害時にこのシステムはかなり有効だ。
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