被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
それってネット詐欺ですよ!
Amazonのプライムデーやえきねっとなど、ユーザーが増える時期を狙ったネット詐欺に要注意!
2023年9月29日 07:12
BBソフトサービス(BBSS)が8月31日に発表した「インターネット詐欺リポート」によると、7月はAmazonのフィッシング詐欺が増加し、全フィッシングサイトの中で15%の割合を占めました。フィッシングサイトに誘導する詐欺メールには「会員の満期通知」「お支払い方法の設定を更新してください」などの内容が書かれていたのが特徴です。
急増した理由は、7月11~12日にプライム会員限定で開催されたセールイベント「プライムデー」に便乗したとみられます。このようなイベント時やユーザーが増える時期を狙ったフィッシング詐欺が増加する傾向にあります。
例えば、年末年始に向けて、交通系のフィッシングサイトが増加する傾向にあります。2022年11月には、JR東日本の指定券予約サービス「えきねっと」のフィッシングサイトが増加し、全フィッシングサイトの中で48%の割合を占めました。年末年始の旅行需要を狙った可能性があり、今年も出回ると見られるため注意が必要です。
えきねっと以外にも、年末年始に需要が高まるサービスのフィッシングサイトは増える傾向があり、インターネット詐欺リポートでは、「ETC利用照会サービス」のフィッシングサイトも事例の1つとして挙げています。ETC利用照会サービスのウェブサイトでも、これまで確認された詐欺メールやフィッシングサイトの事例を挙げて注意喚起を行っています。
Googleも注意喚起、サブスクサービスや知人を装うパターンも
年末年始に関連するネット詐欺について、Googleは2022年12月に「年末年始に気をつけたい5つのネット詐欺」という記事を公式ブログで公開しました。Googleは1日に150億通の迷惑メッセージからユーザーを保護しており、フィッシングやスパム、マルウェアの99.9%以上をブロックしていると説明しています。中でも注意したいネット詐欺として以下の5つの事例を挙げています。
- ショッピングシーズンに便乗し、知人を装ってギフトカードを購入させようとしたり、景品の当選詐欺でクレジットカード情報を盗む
- 慈善活動を装い、寄付金を要求するフィッシング詐欺
- 特定の個人をターゲットにして、個人の生活や身分に関する要素を含めた詐欺メールを送りつける
- サブスクリプションの更新を促すフィッシングメール。アンチウイルスサービスを装うケースもある
- 暗号資産に関するネット詐欺。脅迫的な内容のメールで支払いを要求する
ふるさと納税や確定申告など税金関連の手続きを装うパターンも
他にも確定申告などの税金に関する手続きを装うネット詐欺は2~3月ごろがピークになりますが、年末にもよく見かけます。「税金を滞納している」「還付金がある」などとかたり、お金を奪おうとしてきます。
12月には駆け込みでふるさと納税をしようとする人が増えますが、偽サイトも横行します。普段あまり使わないサービスなので、偽サイトの違和感に気が付きにくいのもネックです。また、年明けには、「お年玉キャンペーン」として、フィッシングサイトへ誘導する手口が流行ります。
ただでさえ忙しい年末に、このようなネット詐欺に引っ掛かって、対応に時間が取られるのは避けたいところです。最も効果的な回避策はメールやメッセージのURLは開かない、ということです。Googleなどの検索エンジンを使って検索し、正規のウェブサイトに直接アクセスするようにしましょう。
その際、注意が必要なのは、例えばGoogle検索する場合は検索結果の上部に表示される広告枠からではなく、その下に表示される検索結果からアクセスすることです。前述のえきねっとの詐欺サイトはGoogleの広告枠に表示されており、正規のウェブサイトより上位に表示されていたのです。
自分がネット詐欺に遭わないように注意することはもちろん、ご家族などにも情報を共有し、今のうちに対策を立てておくことで、被害を避けられる可能性が高まります。
あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
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※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと