スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)

第18回

Wi-Fiの使い過ぎを防ごう! 子機の接続断と速度の制御(ASUS「RT-AC59U」編)

 本連載では、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC59U」を使った設定を行っている。前回までで、セキュリティ対策も考えたWi-Fiルーターの基本的な設定を完了できた。QRコードを駆使して、複雑な暗号化キーを安全に使いこなして欲しい。

「ペアレンタルコントロール」でWi-Fi子機での通信の使い過ぎを制御

 今回は、子どものいる家庭などで便利な「ペアレンタルコントロール」の機能を使ってみよう。これを使うと、特定のWi-Fi子機によるインターネットの使い過ぎをコントロールできる。

 なお、この機能はWi-Fiルーターの動作モードをアクセスポイントに設定していると利用できないので注意しよう。例えば、ISPから提供されたルーター機能内蔵のホームゲートウェイなどと組み合わせて使う場合などには、特に注意したい。

 さらに、スマホでWi-FiではなくSIMによるモバイル回線を用いて通信をする場合にも、ペアレンタルコントロール機能による制御はできない。子どもには、自宅ではWi-Fiのみで利用するタブレットやゲーム機などを使わせたり、スマホであれば外出時に必要なとき以外にSIMを抜いてしまうといった、利用上の工夫が必要になるかもしれない。

Wi-Fi子機ごとに接続できる曜日と時間を設定

 まずは、インターネットの利用をコントロールしたいWi-Fi子機を、ルーターであるRT-AC59Uにつなげておこう。

 接続すると、「ASUS Router」アプリの[デバイス]タブに表示されるようになる。その後[家族]タブを表示させ、ここに表示されたデバイスごとに、接続スケジュールを設定する。

 なお、ペアレンタルコントロール機能の利用にあたっては、Wi-Fiルーターの時刻が正しいことが大前提になる。一度時刻を確認しておくと確実だ。時刻の設定方法は連載第16回の後半で解説している。

「ASUS Router」アプリの[ホーム]画面から、下部にある[デバイス]タブをタップする
現在Wi-Fiルーターに接続しているWi-Fi子機が一覧表示されるので、コントロールするデバイスの名前をタップ
[デバイス名]から表示名を変更できるので、管理するのに分かりやすい名前を付けたい。[インターネット接続制限]をオンにすると、その瞬間に即切断もできる
画面下部の[家族]タブから、ペアレンタルコントロールの設定ができる。[タイムスケジュール]をタップ
右上の「+」をタップ
管理したいデバイスにチェックマークを付け、[完了]をタップ
まず通信を遮断したい曜日をタップする
次にブロックする時間を選んでいく。深夜~早朝の時間帯をブロックしてみよう
ほかの曜日でもブロックする時間を設定したら、[完了]をタップ
デバイスに対して、接続をブロックするスケジュールが登録される

 登録したデバイスは、時間になるとインターネット接続ができなくなる。

Wi-Fiの通信速度の上限を決めて使い過ぎを防ぐ

 もう1つの手法として、「QoS(Quality of Service)」を使うこともできる。これは、通信できる帯域幅を制限することで使い過ぎを防ぐもの。つまり、接続自体を遮断するのではなく、接続の転送速度を制限するわけだ。

 例えば、かなり遅い「0.1Mbps」などに絞れば、高品質な動画再生はできなくなるし、対戦ゲームもとてもやりにくくなる。この状態でもメールやLINE、Twitterなど、テキストベースのやり取りは、反応は少し遅くなるが問題なくできる。

 このため結果的に、YouTubeなどの動画の見過ぎやゲームのやり過ぎを防ぐことができる。こちらは時間で制御することはできず、設定した後は、ずっと制限されたままになる。

 ちなみに0.1Mbpsだと、動画再生は最低画質の144pでも途切れ途切れで実用的ではなかった。0.2~0.3Mbpsだと、スマホでかろうじて低画質の動画が再生できる程度だ。そして1Mbpsでは、ワリと制限なく使えてしまう感触だ。ちなみに、0.1Mbps以下に設定することはできない。

 [設定]タブの[QoS]にある[子供用帯域幅]に速度をあらかじめ設定しておくと、複数端末や設定のオン/オフを頻繁にしたいときに便利だ。どのあたりの帯域が制限用にベストかは、実際に試してみて試行錯誤する必要はある。

[設定]タブの[QoS]では、帯域幅の設定を4種類まで保存できる。あらかじめ設定しておくといい
先の手順でも見た[デバイス]タブで設定したいデバイスを表示し、[帯域リミッター]をオンにする
ダウンロードとアップロードの帯域を入力できる。「i」をタップすると……
先ほどの[QoS]で設定しておいた帯域の設定から選択ができる
値が自動入力されるので、[はい]をタップすると、そのデバイスの帯域を制限できる
帯域制限中のデバイスは、[デバイス]タブで確認できる
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(協力:ASUS JAPAN株式会社)

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。