地図と位置情報
位置情報技術の多様性は“カラフルなロングテール”――「人生を賭けて取り組む価値のある領域です」
地理空間情報の最新トレンドを札幌で俯瞰してきた。「MIERUNE MEETUP 2024」レポート
2024年9月4日 06:00
位置情報技術をテーマとしたカンファレンス「MIERUNE MEETUP 2024」が7月23日、札幌で開催された。地理空間情報に関する最新トレンドを俯瞰できる、同カンファレンスの模様をレポートする。
[目次]
- MIERUNEは“FOSS4Gコミュニティ”から生まれたベンチャー。
「QGIS」のポータルサイト今秋に開設予定 - 古地図を現代風デザインで再現した「れきちず」上に歴史データを可視化
- “空間検索”を可能にする「GCKANポータル」とは
- ハザードマップを“ゲーム化”して防災教育、デジタルサイネージでも提供
- 「HERE」のAPIの活用法をまとめたテクニカルブックが作成される
- AWSでニーズが高まる“地理空間情報のデータレイク”
- 北海道の農協も取り組むGIS、農業の大規模化により必要性が増大
- “道路デジタルツイン”を支える日本デジタル道路地図協会のプラットフォーム
- 位置情報業界は“3層構造”、ビジネスには「ローカルパートナー」が不可欠
MIERUNEは“FOSS4Gコミュニティ”から生まれたベンチャー。「QGIS」のポータルサイト今秋に開設予定
「MIERUNE MEETUP」は、札幌を拠点にオープンソースのGIS(地理情報システム)ソリューションや地図タイルサービス「MapTiler」などを提供する株式会社MIERUNEが開催しているプライベートカンファレンスだ。同社は、地理空間情報に関連したオープンソースソフトウェア(FOSS4G)のユーザー・開発者・研究者によるコミュニティから生まれたITベンチャーで、2016年に札幌市内にある8坪のオフィスで3人体制からスタート。現在は30人を超える社員が所属しており、建設・測量やインフラ・運輸・交通、情報・通信、農業など幅広い企業や官公庁、研究機関・大学に地図・位置情報関連のソリューションを提供している。
“位置と情報で世界を変える”というメッセージのもと、位置情報に関するさまざまな課題解決を技術的にサポートしており、位置情報技術に強みを持つシステムインテグレーターとして、顧客の位置に関するデータやニーズについて独自の技術と知見により課題解決を図っている。
代表取締役を務める朝日孝輔氏は同社が手掛けた成果として、全国66万カ所の遺跡情報を検索・可視化できる「文化財総覧WebGIS」(奈良文化財研究所)や、国土交通省が推し進めているデジタルツインデータの整備プロジェクト「PLATEAU」のデータ変換ツール「PLATEAU GIS Converter」などを紹介した。MIERUNEはオープンソースの地理情報システム「QGIS」に関するソリューション提供も積極的に行っており、QGISのスペシャリストによる実践的講習会も定期的に開催している。
今秋にはQGISの利用拡大を目指してQGISのポータルサイトの開設を予定しており、MIERUNEのさまざまな知見や実績をもとにQGISに特化した技術情報配信を積極的に行っていく方針だ。このポータルサイトでは、衛星データの利活用推進の観点から、衛星データプラットフォームを提供する株式会社Tellusとも連携してコンテンツの連携を図る予定としている。
古地図を現代風デザインで再現した「れきちず」上に歴史データを可視化
今回のイベントで注目されるのは、MIERUNEがシステム開発を手掛けた最新の活用事例について、依頼した企業・研究機関とMIERUNEの担当者による詳細な発表が行われた点だ。本記事では、紹介が行われた5つの事例の中から、3つの事例を紹介する。
1つ目は、国立情報学研究所(NII)およびROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)の北本朝展氏の発表。江戸の古地図を現代風のデザインで再現した「れきちず」を開発したMIERUNEのデザイナー・加藤創氏とともに今回のコラボレーションについて語った。
北本氏は、歴史関連のビッグデータを統合解析するための基盤技術を研究しており、気候や災害、疫病、政治、経済、文化などさまざまな分野のデータを機械可読化・構造化して分析できるようにしたいと考えている。これまで、平凡社の「日本歴史地名体系」のデータの一部オープン化や、「江戸切絵図」から地名を抽出してデータベース化などを行うととともに、古地図と現代地図の位置合わせや史料と地名のリンクなどに取り組み、江戸に関するデータポータル「edomi」も提供している。
ただし、これらの情報を、高速道路などが描かれた現在の地図と重ねても違和感があるため、2024年5月より、edomiのマップにれきちずを導入し、歴史ビッグデータをれきちず上で閲覧できるようにした。また、れきちずの導入に先立って、江戸切絵図の「町家」領域をポリゴン化したうえで、れきちずに追加している。ポリゴンデータは2024年3月までに3図を追加し、2024年中に残り26図を完了する予定だ。町家領域を可視化することにより、江戸の町の中で商店が多く人で賑わっていたエリアを把握することが可能となる。このほか、江戸時代に街道を行き交う人が書き残した日記をもとに旅のルートを可視化するコンテンツなども提供している。
NIIでは2017年ごろから“古いコンテンツを新しいプラットフォームに入れる”活動を続けているという。れきちずは現代の技術と過去のコンテンツを組み合わせた“いいとこどり”のマップであり、北本氏は今後、この地図のカバーエリアが全国に拡大していくことを期待。今後もれきちずにさまざまなレイヤーを追加し、歴史ビッグデータ研究の基盤として活用していきたいとしている。
“空間検索”を可能にする「GCKANポータル」とは
続いて、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)人工知能研究センターの中村良介氏が登壇し、地理空間データの流通支援プラットフォーム「G空間情報センター」との連携による「GCKANポータル」の構築について発表した。GCKANポータルとは、ウェブブラウザー上でキーワード検索だけでなく“空間検索”が可能なポータルサイトで、地図を見ながら“この地図に表示されている範囲内”とか、“駅から1km以内にある施設”というように空間的な関係性に基づいて直感的に分かりやすく検索できるようにすることを目指している。
ウェブから検索できるだけでなく、GCKANのAPIにアクセスするためのQGISプラグインの開発も検討しており、中村氏は2次元データおよび3次元点群データを表示できるQGISプラグインの開発をMIERUNEに依頼することを検討している。プラグインが提供されることにより、産総研が配信しているオープンな大規模の点群データを多様なクライアントから検索・表示・解析できるようになる。
産総研は2023年度にもMIERUNEに依頼して3Dデータベースを利用するためのウェブアプリケーション「AIST 3DDB Client」を公開しているが、同アプリケーションの検索APIは産総研の独自仕様であり、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)で策定された標準(GCKAN)に対応したメタデータと配信サーバーを整備することで、さまざまなオープンデータの空間検索を実現したいと考えている。GCKANポータルおよびQGIS用プラグインは今年秋ごろまでの提供開始を目指している。
ハザードマップを“ゲーム化”して防災教育、デジタルサイネージでも提供
事例紹介の最後に登壇したのは、東京カートグラフィック株式会社のむらまつ和善氏。同氏は、地図をエンターテイメント化する取り組み「ディレクティングマップ」に取り組んでおり、その一環としてハザードマップを子どもに普及させることを目的とした「ハザードマップゲーム」を作成した。紙の地図をメッシュで区切り、オープンデータとして公開されている防災データを参考にメッシュごとに点数化したゲームだ。このメッシュを1枚ずつめくり、災害リスクが高そうな地域を選んで合計得点が一番多い班が優勝というルールになっている。
このハザードマップゲームをMIERUNEと共同でデジタル化したのが、2024年に公開した「守れ!サイガイ防衛隊」で、デジタルサイネージ上でハザードマップゲームを楽しむことができる。これはハザードマップゲームと同じように災害リスクが高そうな地域を選ぶことで“ボウサイパワー”をため、敵を撃退するというもので、このゲームの開発をMIERUNEが担当した。むらまつ氏は今後の展望として、「このゲームを売るだけでなくて、ゲーム性やキャラクターも含めてカスタマイズしながら、いろいろなお客さまに合った地図防災教育を普及していければと考えています」と語った。
「HERE」のAPIの活用法をまとめたテクニカルブックが作成される
MIERUNEが手掛けた事例の紹介だけでなく、MIERUNEのパートナー企業による発表も行われた。
グローバル向けに地図・位置情報サービスを提供するHERE Technologiesの日本法人であるHERE Japan株式会社の小松健司氏(マルチインダストリー&パートナー)は、2023年に両社がパートナーシップを結び、MIERUNEがHEREのAPIの活用法をまとめたテクニカルブックを作成したことを紹介した。同書ではローカルバスの運行情報を組み合わせた「バスナビ」などのユースケースを紹介しており、HEREでは初めてHEREの製品を利用する顧客に対して、同書を読むことを推奨しているという。
HEREが提供する地図はカーナビのベースマップとして使われることが多く、カスタマイズ性が高いのが特徴で、この地図を他の業界にも提供していきたいと考えている。例えばHEREの開発プラットフォームを活用することで、顧客企業の敷地内のプライベートマップを作成し、HEREの地図と重ねて私道と公道を跨いだルート検索を実現したり、会社ごとに異なる運用ルールやデータを反映したトラックのルート検索を可能にしたりすることができる。
地図作成は屋内地図にも対応している。空港の地図を作成してHEREの地図の上に重ねて、そのデータをAPIで利用し、GIS上で見ることも可能だ。また、HEREではこのようなGPSの電波が届かない屋内においても位置を把握できるように、お守り型の位置情報トラッキングデバイス「Omamori Tracker」も提供している。さらに、このようなモバイルデバイスやIoTデバイスの位置情報を取得し、クラウドで処理できるプラットフォーム「HERE Asset Tracking」も用意しており、デバイスから位置情報などを受信してリアルタイムでデータを分析・可視化することもできる。これらのロケーションサービスは、顧客の環境にインストールしてオンプレミスで使用することも可能だ。
HEREは2024年3月にマップ&ナビゲーションアプリ「HERE We Go」の正式版をリリースしている。同アプリはナビゲーションSDK「HERE SDK Navigate」をベースに開発したアプリで、HEREが提供する住所やPOI検索、ルート検索、ガイダンス機能などを試すことができる。
AWSでニーズが高まる“地理空間情報のデータレイク”
続いて登壇したアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS Japan)の永野嗣人氏(航空宇宙・衛星部門)は、AWSの特徴として、セキュアでサイズ変更が可能なコンピューティングキャパシティ「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」やアプリケーションにロケーションデータを追加できる「Amazon Location Service」など多種多様な部品を提供することで、それぞれのエキスパートが部品をブロックのように組み合わせてすばやくシステムを構築できる点があり、MIERUNEも“Powered by AWS”のサービスを作るパートナーの1社であると語った。
地理空間情報に関連した取り組みとして、AWSはさまざまなオープンデータ配布をサポートしており、米国のLANDSATのデータや、JAXAのALOS-2(だいち2号)のデータ配布も支援している。同社は地理空間情報を新たな挑戦の分野と位置付けており、開発者が地理空間データと位置情報機能をアプリケーションに追加できるサービス「Amazon Location Service」を提供している。同サービスではマップ上でデータの可視化やルート検索などを行ったり、ジオコーディングやリバースジオコーディングを行ったり、車両追跡などを行ったりすることが可能だ。
現在、同社が地理空間情報の分野で力を入れているのが“データレイク”で、さまざまな顧客がいろいろなアプリケーションを作るうえでデータを格納するための場所として活用されている。特に地理空間情報のデータはドローンの観測データや衛星データ、IoTデータなど多種多様なデータを組み合わせる必要があり、保存庫としてデータレイクのニーズが高まっているという。
永野氏は、衛星データなどのラスターデータと、GISやウェブサービスで扱いやすいベクトルデータの橋渡しをする役割を担っているのがMIERUNEであるとして、「私が所属するチーム(AWS航空宇宙・衛星部門)で支援している宇宙企業の多くは、主に地図に載せるデータの“原料"となるラスターデータを作る側で、それらのデータをベクトル化し、新たなサービスを創ることを、MIERUNEとともに行っていきたい」と語った。
北海道の農協も取り組むGIS、農業の大規模化により必要性が増大
このほか、MIERUNEの古川泰人氏(取締役エバンジェリスト)がファシリテーターとなり、GISデータの活用をテーマとした発表も行われた。古川氏は、多くの人の営みやビジネスは地理的な情報が絡んでおり、位置のデータは無くてはならない重要なものであるとして、GISソフトも位置情報データがあるからこそ多くの人々の課題解決が可能になると語った。
古川氏に続いて発表したのは、ホクレン農業協同組合連合会の山本雄飛氏(営農支援センター スマート農業推進課)。ホクレンは北海道内のJA(農業協同組合)が出資し、JAの経済事業を担うことを目的として設立された組織で、農業に必要な肥料・農薬・資材などを生産者へ供給する購買事業や、北海道の農畜産物を全国に提供する販売事業に加えて、生産者の生産性向上や現場課題の解決に取り組む営農支援などの事業を行っている。山本氏が所属するスマート農業推進課では、スマート農業に関する調査・研究や農業向けの高精度測位情報の提供に加えて、2024年4月からは地理情報システム「ホクレンGIS」の運用を開始した。
北海道における農業は近年、経営体の減少につれて1つの経営体あたりの耕地面積が増加し、データを活用した効率化・省力化が求められており、圃場に紐付くデータの集約ツールや栽培管理、経営の意思決定ツールとしてGISの必要性が高まってきている。ホクレンGISでは圃場の形状や面積、作付品目や品種を登録して補助金の公的申請に用いるデータの作成や営農計画の作成を行えるほか、集団作業の支援や作業進捗管理なども行える。
GISデータを活用するうえで課題として感じているのは、関係機関が異なるソフトウェアでGISデータを利用しているために組織間のデータの互換性が乏しいことや、導入したものの現場では活用されていないケースがあり、現場にGISの有用性を理解してもらう必要があることなどが挙げられる。山本氏は「農業の大規模化や人手不足により、GISの必要性は今後もますます大きくなっていくと考えており、ホクレンGISの普及を通し、JAの業務効率化や農業DXの実現を目指していきたい」と語った。
“道路デジタルツイン”を支える日本デジタル道路地図協会のプラットフォーム
続いて登壇したのは、一般財団法人日本デジタル道路地図協会(DRM)の理事長を務める鎌田高造氏。同協会は1988年に設立した団体で、もともとはカーナビゲーションの道路ネットワークデータとして全国の主要な道路の位置や接続状況、基本属性を収集して整備を開始し、現在では道路管理などカーナビ以外の分野でも活用されている。同協会が整備するデータベース「DRM-DB」は、道路網をノード(交差点などの結節点)とリンク(ノードとノードを結ぶ道路区間)で表現しており、その上にさまざまな属性が付いている。
DRM-DBは年に4回更新しており、道路管理者から開通前に図面を入手して編集を行い、入手した図面は国土地理院とも共有している。さらに、カーナビ以外でも役に立つ場面があるため、DX時代に向けて新たなプラットフォーム「DRMプラットフォーム(DRM-PF)」を提供している。ラスターデータを見られる無償版と、ベクトルデータを見られる有償版が利用可能だ。DRM-PFはクラウド上にデータを置き、ウェブアプリの開発者向けにWebAPIを用意するとともに、一般利用者向けに分かりやすいビューアーも用意する。ノードやリンクに、時間変化に強いID体系(パーマネントID)も割り振っている。
鎌田氏は、道路DXの本質は道路のデジタルツインを用意することであるとして、道路に関する現況をデジタルツイン上で再現して共有し、そこでシミュレーションを行えるようにすることを目指している。これにより、例えば災害時に復旧活動のシミュレーションを行ったり、鉄道車両の輸送など特殊な車両を走行させるときの経路検索が容易になったりと、さまざまな効果を見込める。
DRM-PFは道路デジタルツインを下支えするためのプラットフォームであり、これをサイバー空間におけるベースレジストリ(さまざまなサービスの共通基盤として利活用できる基本データ)と位置付けて、カーナビ以外の利用者も想定してDXに向けた利用環境を提供する方針だ。不動産IDなど他のベースレジストリとも協調体制を構築することも検討している。
位置情報業界は“3層構造”、ビジネスには「ローカルパートナー」が不可欠
カンファレンスのクロージングでは、MIERUNEの社外取締役であり、同社が提供する地図タイルのデザインを手掛けたカートグラファーである森亮氏が登壇した。同氏は、位置情報技術が必須となる分野は今も昔も変わらず「意思決定支援」と「移動支援」の2つに集約され、この2つのニーズは人類が存在する限り無くなることはなく、位置情報技術の市場は一貫して伸びていると語った。
位置情報業界は、リアルワールドをデジタルに変換する「データプロバイダー」と、デジタルデータをITで使えるように変換する「サービスプラットフォーマー」、顧客の課題をITで解決する「アプリケーションプロバイダー」の3層で構成されており、企業によって複数の層をどのように跨がっているのかは異なる。真ん中のサービスプラットフォーマーの領域には、Mapboxやmaptiler、AWS、HERE、TomTom、Google、Appleなどグローバルな企業が多いのに対して、MIERUNEは上層のアプリケーションプロバイダーであり、顧客の要望を聞きながら課題解決を提案していると語った。
位置情報技術は、ライドシェアを可能にして移動のライフスタイルにイノベーションを起こしたり、センサーやAIを組み合わせることで自動運転を実現したりと、さまざまな可能性があり、森氏はその多様性を“カラフルなロングテール”という言葉で表現する。確かにGoogleマップなどのプラットフォームは巨大ではあるが、実際にはサービスプラットフォーマーだけでは解決できない多彩なテーマや課題も多く存在し、ソリューションやサービスを提供するアプリケーションプロバイダーはそれぞれの国や地域に深く根付いて活躍している。
たとえハードウェアデバイスやソフトウェアツールがグローバルのものを使っていたとしても、データはローカルのものが必要であり、最新のITテクノロジーと同時にローカルへの深い知見が必要となる。特に日本は、高度に発達した鉄道網や複雑な住所体系、狭い面積に多数のPOI(地点情報)が存在するなど特殊な環境であり、ローカルパートナー無しには立ち行かないため、グローバル企業も参入に苦労している。
森氏は、「MIERUNEは日本的な顧客課題を熟知するチームであることが強みであり、顧客と伴走しながらカラフルなロングテール領域にフォーカスできる企業」と語り、オープンソースのコミュニティ発の会社でありながら、商用サービスも組み合わせて柔軟かつ現実的に顧客の課題に対処できる企業であると強調した。さらに締めくくりとして、位置情報エンジニアに向けて「位置情報技術は人生を賭けて取り組む価値のある領域です」と語った。
MIERUNEのプライベートカンファレンスとして2022年にスタートしたMIERUNE MEETUP。3回目の開催となった今年は、位置情報技術やGISに関心のある企業や開発者など約60人の参加者が集い、位置情報に関するさまざまな活用事例の紹介が行われた。
「当社は札幌を拠点としており、他の地域にいる方とはなかなかお会いできませんが、札幌の過ごしやすい季節にぜひこちらに来ていただいてお話ししたいということで、この季節に開催しています。イベントに来ていただくことでMIERUNEとのつながりはもちろん、参加者同士のつながりもできるということで、そこから新しいプロジェクトが始まったという話も聞いています。私どもはもともとオープンソースソフトウェアのコミュニティから生まれた会社ということもあり、人と人とのつながりを大事にしながら今後も続けていきたいと思います。」(MIERUNE代表取締役の朝日孝輔氏)
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INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。