地図と位置情報
ヤマップが「山歩保険」提供開始、歩いた距離で保険料が変動する仕組み
登山地図アプリ「YAMAP」の歩行距離データと連動
2024年12月11日 12:15
株式会社ヤマップのグループ会社である株式会社ヤマップネイチャランス損害保険は12月11日、歩行距離によって保険料が変動する損害保険商品「山歩(さんぽ)保険」を提供開始した。
登山地図アプリ「YAMAP」で取得したGPS歩行距離データに基づいて保険料が変動する。活動中の歩行距離をアプリで自動計測し、1年間の歩行距離を合算して保険料が決まり、歩く距離が短い人ほど支払額が安く済む仕組みだ。
年間保険料は、固定の基本保険料2800円+変動する追加保険料で、最大5350円。例えば山での年間歩行距離が100km程度であれば追加保険料は570円程度で、基本保険料との合計が3370円程度となる。なお、保険料の年間上限額である5350円以降は、どれだけ歩いても保険料は変わらない。
山歩保険では、遭難してしまった場合に、同じ日に同じ山を登っていたYAMAPのユーザーに連絡して目撃者がいないか情報を募集して捜索に活用する仕組みを、遭難捜索の補償(最大300万円)に付帯している。補償範囲を登山やハイキングに特化することにより、同社が提供する年間保険料(個人プラン)が最大5840円の「外あそびレジャー保険」に比べて、より安価で公平な価格設定を実現しているという。
山歩保険は、ヤマップネイチャランス損害保険が2024年5月に発売した「外あそびレジャー保険」および「アウトドア家財保険」に続く新たな商品で、自動車保険業界で増えているテレマティクス保険の歩行者版と言える。同社によれば、歩行距離データと連動して保険料が決まる保険商品は世界初だという。
同社は、山歩保険とYAMAPのアップグレード版サービス「YAMAPプレミアム」の新規同時加入者を対象に、YAMAPプレミアムの料金6カ月分(4680円相当)が無料となるキャンペーンを開始した。期間は2025年1月31日まで。
“地図好き”なら読んでおきたい、片岡義明氏の地図・位置情報界隈オススメ記事
- 人々はなぜ「位置情報エンジニア」を目指すのだろうか――その仕事の魅力とキャリア形成を賭けた理由
- ゼンリン、都道府県の形をしたピンバッジ全47個セットを発売。フレーム入り
- 「一億総伊能化」を掲げる 青山学院大学・古橋大地教授の授業がレジリエントだった。
- 大学の「地理学科」ってどんなところ? “駒澤地理”の中の人に聞いてみた
- 高校の「地理総合」必修化で、地理教員の有志らがGoogleスライドで教材を共有
- 地理空間情報の最新トレンドを札幌で俯瞰してきた。「MIERUNE MEETUP 2024」レポート
- 「チーム安野」は都内1万4000カ所の都知事選ポスター掲示板をどう攻略していったのか?
- まるで現代の伊能忠敬――その極みにはAIもまだ辿り着けてない!? 地図データ整備の最前線を盛岡で見た
- 「れきちず」が3D表示に対応 地図データをベクトルタイル化。「江戸切絵図」から町家領域の抽出も
- 「れきちず」が話題、開発者の@chizutodesignさんが“地図とデザイン”の魅力を語る
- これはいつまでも眺めてしまいそう! 全国の流域を網羅した「YAMAP 流域地図」公開
- 神戸市さん、データ利活用しすぎ……無料で誰でも使える「統計ダッシュボード」拡充
- 「登記所備付地図」の電子データを法務省が無償公開→有志による「変換ツール」や「地番を調べられる地図サイト」など続々登場
- スマホ位置情報の精度が向上、“高さ”特定可能に。日本で10月より「垂直測位サービス」
- 電波強度がGPSの10万倍、GNSSの弱点を補う「MBS」とは?
- スマホの「北」は「真北」「磁北」どっち? 8月11日「山の日」を前に考えてみよう
- Googleマップも未踏の領域!? 海の地図アプリ「ニューペックスマート」が本気すぎる
- 海岸線3万2000kmを測量、日本の“浅海域”を航空レーザー測深で詳細な地形図に
INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。