地図と位置情報

ラクスル、全国30万カ所のサイネージ広告枠を販売開始。人流データとの連携でスマホ位置情報広告や効果測定も

人流データ分析のクロスロケーションズと業務提携

「ラクスルサイネージ」

 ラクスル株式会社は、全国のデジタルサイネージを一元管理・販売できる新プラットフォーム「ラクスルサイネージ」を9月11日に提供開始し、デジタルサイネージ事業に本格参入すると発表した。また、同社は位置情報ビッグデータ活用プラットフォームを提供するクロスロケーションズ株式会社と業務提携して、サイネージ広告とスマホ位置情報広告を連動させた新サービス「サイネージ人流ターゲティング広告」も提供開始する。

 「ラクスルサイネージ」は、マンションやコンビニ、映画館、商業施設など全国30万面超のサイネージの情報を地図上にマッピングして、カートで購入するように一括で広告枠を選択し、比較検討や買付を行えるプラットフォーム。リーチしたい属性や目的ごとに最適なサイネージの組み合わせを表示することが可能で、指定したエリアの範囲内のサイネージについてまとめて問い合わせを行うことも可能だ。また、アンケート調査や人流データと連携して広告効果を数値でレポートすることもできる。オンライン上でいつでも施策の検討が可能で、出稿料金は2万円~。

 新サービス「サイネージ人流ターゲティング広告」は、クロスロケーションズの人流データ活用プラットフォーム「Location AI Platform(LAP)」を基盤とするスマホ広告配信サービス「Location Marketing Service」とラクスルのサイネージネットワークを連携することにより、広告主はオフライン(街頭サイネージ)で広告に接触したユーザーに対してオンライン(スマホ位置情報広告)でも多面的かつ連続的なメッセージを届けることが可能となる。

「サイネージ人流ターゲティング広告」の流れ

 全国のサイネージ周辺における人流データを日次で可視化することにより、「どのくらいの人が広告を見ているのか」というデータに基づいて、広告主は媒体選定の比較精度を高められる。また、サイネージで形成した認知を想定視認者のスマートフォンにDSP/SNS広告として再提示して接触を重ねることで、認知から比較検討、来店行動までを強力に後押しする。

 さらに、配信後には広告接触者の来訪状況を分析して「来訪計測レポート」として可視化し、従来のOOH(屋外広告)では困難だった「広告接触から実際の行動まで」の定量評価を実現する。これによりPDCAサイクルに基づいた効果検証と最適化が可能となり、次回の広告出稿のROI向上につなげることができる。

 クロスロケーションズは「サイネージ人流ターゲティング広告」の主な利用例として、新商品の想起強化や商業施設のイベント集客、再来店・再訪問の促進などを挙げている。

「サイネージ人流ターゲティング広告」の利用シーン

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片岡 義明

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。