被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

若い人も引っ掛からないように注意!

SNSの闇バイトに応募すると個人情報を根掘り葉掘り聞き出されて抜け出せなくなる

 2021年10月、特殊詐欺の容疑で29歳の男が京都府警に逮捕されました。男のスマホには闇バイトに応募してきた100人以上の写真が保存されていたそうです。いずれも、応募した人が自分の免許証を顔の横に持って写っていました。個人情報を押さえて、逃げられないようにするためです。

 TwitterなどのSNSでは、闇バイトの求人が多数出ています。「高額バイト」「裏バイト」などと呼ぶこともあります。1日5万円~10万円を現金払いで、自己負担なしという内容です。

 Twitterで連絡を取ると、LINEやTelegramといった別のチャットアプリで連絡するように指示されます。Twitterアカウントは通報され、そのうち停止されてしまうためです。Telegramについては、別記事『「Telegram」で連絡を求められたら要警戒! “闇バイト”などで悪用されるメッセージサービス』で紹介しています。

Twitterで「闇バイト」と検索すると多数の投稿が見つかります

 応募をした人の多くは「受け子」や「出し子」をさせられます。「受け子」は特殊詐欺の被害者と会い、キャッシュカードや現金を受け取り、元締めに渡す役目です。「出し子」は振り込め詐欺で騙し取ったお金をコンビニから引き出して、元締めに渡す役目です。この時、受け子や出し子が犯罪を怖がったり、現金を見て横取りしたくなる可能性があります。逃走されてはたまらないので、元締めは受け子や出し子の勤務先や家族の個人情報をあらかじめ根掘り葉掘り聞き出しておくのです。

 受け子や出し子は被害者や監視カメラに顔をさらす機会が多いので、逮捕される可能性がとても高くなります。例えば、コンビニの監視カメラなどに映った映像は警視庁の公開捜査ページで使われることがあります。被害者が騙された振りをしていて、警察が待ち受けていることもあります。

 元締め側は受け子や出し子の個人情報を把握していますが、逆に自分たちの情報は教えません。そのため、受け子や出し子が逮捕されても、元締めは捕まりにくいのです。

 実際に、受け子は頻繁に捕まっています。最近の事例では、70代女性から2000万円を受け取った町田市の37歳主婦は詐欺容疑で逮捕されました。1回5万円の報酬で10回以上受け子をしたそうです。17日には稲城市の80代女性から200万円を騙し取ろうとした31歳男が逮捕されました。コロナ禍で仕事が減り、SNSで闇バイトに応募した翌日に逮捕されたそうです。また、10月末に逮捕された受け子はなんと15歳の高校1年生でした。

 個人情報を押さえられた100人の内訳は20~30代が多いのですが、このように中高生も含まれています。目先のお金欲しさに個人情報を渡してしまうと、辞めたくても辞められなくなり、人生を棒に振ってしまいます。リスクが高すぎるので、受け子や出し子をしてはいけません。

 警視庁はTwitterで闇バイトに関する啓蒙を行っています。注意するキーワードとして、「闇バイト」「闇仕事」「裏バイト」「裏仕事」「運び」「受け」「出し」「叩き」「荷受け」を挙げています

 「受け」は受け子、「出し」は出し子のことです。「運び」は現金や違法薬物を指定された場所に運ばされます。「叩き」は強盗です。もちろん、重罪です。

 「荷受け」は「荷受代行」「荷物転送」とも呼ばれます。例えば、申し込み時に身分証明書の写真や個人情報を送り、その後、自宅に届いた携帯端末などを指定された住所に転送すると報酬がもらえるというものです。しかし、その携帯端末は自分の名義が悪用されて不正に契約されたもので、元締めの犯罪に利用され、端末代金や利用料、通話料まで支払わなければいけない状況に陥る恐れがあります。同じような手口で銀行口座を勝手に作られて、悪用されることもあります。

 電話や銀行口座を犯罪者に渡すのは犯罪です。自分は被害者だと思うかもしれませんが、法律に違反しており、捕まってしまう可能性があるのです。

 アルバイトをする際は、時給だけを見るのではなく、「受け子」や「出し子」などを指示されたり、Twitterで身分証を求められるような場合は、応募しないようにしましょう。

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※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと