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本誌記事で振り返る「青少年ネット規制法」

4月23日に行われた、青少年ネット規制法に対する反対会見。(左から)ディー・エヌ・エーの春田真氏、ネットスターの高橋大洋氏、マイクロソフトの楠正憲氏、ヤフーの別所直哉氏、楽天の関聡司氏、全国高等学校PTA連合会の高橋正夫氏が出席した

 2008年、日本のインターネット業界を最も大きく揺さぶった話題として「青少年ネット規制法」(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)が挙げられる。ここでは、INTERNET Watchで掲載した同法に関する記事をリストアップした。

 なお、青少年ネット規制法にも関連してくる話題として、ネット上の違法・有害情報に関する話題も特に今年前半は大きな話題になった。硫化水素自殺の情報やネット上の犯行予告、携帯フィルタリング義務化、サイトの健全性を認定する第三者機関の設立といったトピックがあるが、これらについては8月に掲載した関連記事インデックス「ネット上の“有害情報”をめぐる動き」でまとめているので、あわせて参照してほしい。



●「青少年ネット規制法」とは

 「青少年ネット規制法」は、与野党内でそれぞれ検討されていたものが、3月頃になって法案の内容が報じられたことで、大きく注目されるところとなった。その後、内容が修正されながらも、後述の反対運動なども巻き起こる中、衆議院で6月6日、参議院で6月11日に可決され、瞬く間に成立した。

●ネット業界やマスコミ業界から懸念の声が噴出

 青少年ネット規制法案に対しては、インターネット業界からはヤフーやマイクロソフト、楽天などの大手ネット企業、JPNICやWIDEプロジェクトなどの団体、インターネット先進ユーザーの会(MIAU)などが問題点を指摘し、反対声明を出した。また、表現の自由にも関わることから、マスコミ業界団体でも声明を出した。

●来年4月の法施行とあわせて、総合的な「安心ネットづくり」へ

 青少年ネット規制法が6月に可決・成立すると、それまでの騒ぎが収まる一方で、関心は「規制」の側面から、同法にも盛り込まれたリテラシー教育や啓発の分野へと移る。総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」が「『安心ネットづくり』促進プログラム」として間もなくとりまとめる予定となっており、民間でこれを推進していく団体も設立された。

●必要性が叫ばれるリテラシー教育、民間で実践例も

 法案に対する反対声明の中で多く指摘されていたのが、規制ではなく、リテラシー教育こそが必要というものだった。反対声明を出したMIAUでは実際、自らネットリテラシーの教科書を作成するとともに、それを使った授業も行うなど実践してみせた。また、ニフティでは小学校におけるネットリテラシーの授業を展開、ヤフーらも保護者向けのネット教材を作成・公開した。

●「小中学生に携帯電話持たせない」議論も

 2007年末、未成年者の使う携帯電話のフィルタリング原則化が発表され、物議を醸したが、2008年には、より極端?な「小中学生に携帯電話持たせない」「持たせる場合は通話やGPS機能に限定する」といった規制を求める議論も政府の教育再生懇談会で進行していた。直近の報告書では、携帯電話の問題は家庭や学校、地域の教育力が問われているとしており、ここでも保護者を含めたリテラシー教育が求められている。

(2008/12/25)

[編集部]


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