趣味のインターネット地図ウォッチ
来たれ、地図・位置情報が好きな若者よ! 平成最後の「ジオ展」、4月19日開催
ジオな人々が集結する、年に一度のミニ展示会
2019年4月11日 06:00
「ジオ展2019」が4月19日、株式会社ナビタイムジャパン(東京都港区南青山)にて開催される。このイベントは、地理空間情報に関わる“ジオ企業”が集結するミニ展示会だ。けっして規模は大きくないものの、他のジオ関連の展示会にはあまり見られない個人の研究者・エンジニアからベンチャー、大手企業まで幅広く出展する。ジオ業界への就職・転職を考えている人向けのイベントとしても貴重な存在であり、ここに来れば、日本のジオ業界の今を見渡すことができる。
入場料は無料で、事前申し込みも不要。誰でも参加できるので、地図や位置情報に直接関係はなくても、この分野に関心のある人はぜひ、会場を訪れてみてほしい。さまざまなビジネスに役立つ情報や人との出会いがきっと得られるはずだ。
企業だけでなく、大学の研究室やエンジニア個人も出展、過去最多の33社・組織
ひと口に“ジオ”と言っても、地図データの提供会社やGIS会社、エリアマーケティング、位置情報ソリューション、位置情報ビッグデータの分析・解析サービスなど、扱っている商品やサービスは多種多様。この展示会には、そんな多彩なジャンルの企業が勢ぞろいする。

出展企業は、株式会社ナビタイムジャパン、インクリメントP株式会社など、一般ユーザーにもなじみのあるナビアプリの提供会社から、法人向けに地図・位置情報サービス/ソリューションを提供している株式会社ゴーガ、株式会社インフォマティクス、マルティスープ株式会社、そして3Dデータから精密な立体地図を製作するニシムラ精密地形模型、位置情報データプラットフォームを提供する株式会社ブログウォッチャーなど、バラエティあふれる顔ぶれだ。
企業だけでなく、大学の研究室やエンジニア個人による出展があるのも、同イベントならではの魅力である。自由でオープンな地図を草の根の力で作る世界的プロジェクト「OpenStreetMap」を使った教育に取り組む青山学院大学・古橋研究室、バス時刻表をデータ化して利用促進につなげる「標準的なバス情報フォーマット(GTFS-JP)」の普及に取り組む東京大学・瀬崎研究室の伊藤昌毅氏、オープンソースの古地図ビューアーライブラリ「Maplat」の開発者である大塚恒平氏など、ジオ業界の有名人も参加する。
なお、ジオ展はこれまで3回開催された。第1回は2016年11月開催で、このときはわずか6社だったが、2017年4月に開催された第2回には16社、2018年4月に開催された第3回には企業や大学の研究室、NPO法人など出展者数は計28社・組織と、年々増えていった。大きなコンベンションセンターで行うほどの規模ではないものの、アクセスしやすい都心で開催されるミニ展示会として着実に認知度を高め、昨年は500名以上が来場した。そして4回目となる今回は、過去最多の33社・組織が出展する。
ちなみに次回の「ジオ展2020」は、2020年4月24日の開催を計画しているという。
ジオ業界を目指す学生は必見、ジオ企業各社が会社説明プレゼン

各企業・組織の製品・サービス紹介に加えて、もう1つの大きなテーマが人材採用である。展示会場のほかにプレゼンテーション室も設けられ、出展企業各社による会社説明などが行われるので、ジオ業界への就職を考えている学生や、この業界への転職を考えている社会人は見逃せない。もちろん、ふだんから地図・位置情報に関わる業務に携わっている人や、地図・位置情報について新しい取り組みを考えていて、協力会社を探している人などにもおすすめだ。
なお、学生の来場者には先着100名に「スターバックスカード1000円分」が進呈される。
ちなみにプレゼンテーションでは、出展者の1人である青山学院大学の古橋大地教授による基調講演「4年間ジオな学部生を育ててみてわかったこと」や、ジオ展の実行委員会の小山文彦氏による「勝手に選ぶ 2018-2019 ジオ界隈10大ニュース」といった講演も開催されるので、この業界への理解を深めたい人にはぜひおすすめだ。
年に一度は、地図・位置情報に深く触れてみては?
実行委員会の小山文彦氏は今年のジオ展について、「今年はナビタイムジャパンの会場協力で、表参道エリアでの開催となりました。ある種、保守的な業界内ですが、成長中の33の企業・組織と共同開催できることになりました。約半数が初参加で、その中でもNAVAGISは米国ミシシッピ州が本社の会社ですが、外国企業が参加するのも初めてとなります。生活の基盤となっている地図や位置情報。1年に一度は深く触れてみてはいかがですか?」と語る。
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