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日本国土の「水循環シミュレーションデータ」提供開始。河川や地下水の流動状況を地図上で可視化

地下水の解析結果の表示例(熊本県の例。青色:表流水、赤色:地下水)

 株式会社地圏環境テクノロジーは12月1日、日本国土の自然状態における「水循環シミュレーションデータ」を地方公共団体や民間企業に向けて提供開始した。

 提供サービスは無償と有償で分かれている。無償の範囲は、水利用のない自然状態において、日本の平均降雨を用いてシミュレーションした地表水(河川)と地下水の流動状況や湧水・涵養地域などを地図上で表した情報および水収支データとなる。

 一方、有償で提供するのは、指定した地域のデジタルデータや、水利用を考慮するなどして新たに実施したシミュレーション結果から算出した水収支や地下水の賦存量(潜在的に存在する量)など。

 水収支とは、任意のエリアに対して、流入・流出する地表水や地下水の水量と、降雨量、蒸発散量、地表面を通過する涵養量、湧水量を集計したもので、水のバランスを定量的に見ることができる。「水循環シミュレーションデータ」における水収支データは、同社が提供する水循環シミュレーションシステム「GETFLOWS」をもとに地表水・地下水の流動状況や賦存量を算出している。

水収支の表示例

 「水循環シミュレーションデータ」の提供は、地圏環境テクノロジーが開発した「国土情報プラットフォーム」を通じて行う。同プラットフォームは、国土の基盤データ(気象、土地利用・土地被覆、地形、土壌、地質、水文観測データ)と、それらを利用して構築した国土水循環モデルから得られるシミュレーションデータを集約し、一元管理できるものだ。サービスを希望する地方公共団体や民間企業は、同社ウェブサイトの問い合わせページから申し込める。

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