甲斐祐樹の Work From ____

第10回:筆者自身の考えをまとめてみた

2年間の経験と取材で見えてきた「リモートワークの課題と期待」

 連載タイトルに「Work From」とある通り、本連載は多様化するビジネスパーソンの働く場所をテーマに、在宅勤務やホテル、カラオケボックスなど、オフィスにとどまらない、さまざまな働く場所をテーマとした連載としてスタートした。

 しかし、連載開始と時を同じくして新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、オフィスに出社する働き方は制限され、自宅を中心とした在宅ワーク、リモートワークという働き方が定着。そのため本連載も直近ではリモートワークをテーマにした取材が続いている。

 かくいう筆者も、2020年からフリーランスとなっていくつかの会社と仕事をする関係で、自宅を中心としたリモートワーク体制を構築。2021年以降はオフィスで打ち合わせをするという記憶がほとんどないほど、リモートワークに特化した働き方になっている。

 そこで今回は、複数の企業と関わりながらリモートワークを実践する筆者の経験と、これまでのリモートワーク取材の中から、リモートワークの今後について考えをまとめてみたいと思う。

リモートワークは「同じ組織のメンバーが離れて働く」と定義

 まずは本稿における「リモートワーク」の定義を決めておきたい。本稿では、リモートの「離れて」という意味の通り、会社のような組織のメンバーであり、各メンバーがオフィスではない場所で働く環境とする。つまり、そもそも組織に属するのではなく個人で働く環境は対象外だ。

 具体的な例としては、本稿のような記事を執筆してニュースサイトに納品するライターという職業がそれにあたる。ライターは自身が1つの組織として完結しており、本稿を掲載するインプレスのような原稿納品先はチームではなくクライアントだからだ。

 筆者はフリーランスのライターとして活動しつつ、他にもいくつかの会社に業務委託として関わっているが、ライター業はチャットでのコミュニケーションやビデオ会議での打ち合わせなど働き方の共通点は多いものの、本稿で定義するリモートワークとは異なる働き方であると感じている。

 なお、業務委託という働き方も厳密に言えば会社はクライアントなのだが、クライアントとチームを組んで業務に携わるという点においては本稿におけるリモートワークの対象として捉えることにする。詳細は後述するが、本稿におけるリモートワークのポイントは「同じ組織の一員として働くメンバーが離れた場所で業務を行う」点だ。

筆者は、リモートワークを中心としたオープンな働き方を実践する地図会社「株式会社Geolonia」に取締役CMOとして参加している(2021年5月7日付関連記事『“完全リモートワーク”の地図会社「Geolonia」が実践するオープンな働き方 きっかけはOSS活動――「WordPress」開発コミュニティとの関わりから 』参照)

リモートワークで「通勤時間はゼロ」に。プライベートと仕事の両立も可能

 オフィスなど一堂に会して働くこれまでのスタイルに対して、各自が任意の場所から業務を行うリモートワークは、これまでの働き方と比べてさまざまなメリットを生み出した。

 メリットとして一番大きいのは通勤時間だろう。自宅作業なら移動時間はゼロだし、コワーキングスペースなどの作業環境に通うとしても、会社より近い場所を選べば移動時間を大幅に短縮できる。朝の通勤ラッシュで余計な体力を消費しないで済むという点でもメリットは大きい。

 リモートワークによって仕事とプライベートのバランスも大きく変化した。リモートワークによって以前より自炊をするようになったという声は多く聞かれるし、仕事の合間に家事をこなすという両立もオフィス勤務に比べれば圧倒的にやりやすい。

 ビデオ会議という仕組みが社会として半ば強制的に導入されたことも大きな変化だ。「ビデオ会議でも十分打ち合わせができる」という体験が広がり、今までなら必ず訪問して対面で行う必要があった会議も、ビデオ会議で済ませられる機会が増えてきた。

 仕事に向かうための準備軽減も小さくはないメリットだ。ビデオ会議や自宅作業が普及したことで、仕事のためにスーツを着たり化粧をするという準備をしなくてもよくなった。ビデオ会議でも背景をぼかしたり、顔にエフェクトを入れたり、そもそも映像をオフにして参加するということもできる。

 リモートワークの影響で理解が進んだのが「ワーケーション」という働き方。本連載の前回でも触れたが、自宅やコワーキングスペースを離れた旅行に近いような移動先でも、インターネット回線やパソコンがあれば普段通りに仕事をこなすこともできる。プライベートの充実という点でもリモートワークは大きなメリットがあると言えるだろう。

筆者が2021年10月に実施したワーケーションのときの作業環境の一例。モバイルディスプレイを携行して自宅の作業環境を再現するとともに、コワーキングスペースにディスプレイがある場合はそれも活用する(2021年12月10日付関連記事『「旅行しながらリモートワーク」したら仕事がはかどった! 移動時間が“制限”から“効率”に』参照)

「リモートワークのための設備」が課題に。仕事が過多になるケースも

 一方、リモートワークが生活に定着し始めたことで、リモートワークで生まれるデメリットも少しずつ表面化し始めている。

 まずは根本的な設備の問題だ。リモートワークを実現するにはパソコンだけでなくマイクやWebカメラなどのビデオ会議に必要な機材に加えて、安定したビデオ会議を実現するためには高速なインターネット回線も必要だ。自宅にこうした設備がなければ、まずはこの環境を整えるところから始めなければいけない。

 最近では企業が社員に向けてリモートワーク設備のための補助金を支払うという制度も増えており、機材面は解決されつつあるようだが、居住環境に根付いた課題は解決が難しい。一人暮らしならともかく、家族や同居人と生活しているのであれば作業場所を確保するのも一苦労。共働きの家庭で同じ時間にビデオ会議の予定が入ってしまった場合、どちらかがいつもの作業部屋ではなくリビングやベッドルームに移動したり、場合によっては外出しなければならない、ということもある。

 インターネット回線も好きに選べるわけではなく、住環境によっては光回線のような高速インターネットがそもそも導入できない。これまで自宅のインターネットはスマートフォンで十分だった人も、ビデオ会議や会社とのチャット連絡が増えると通信料金は跳ね上がるし、通信速度も光ほどではないためビデオ会議の映像や音声が途切れてしまうということもある。

 設備の品質は業務にも大きな影響を与える。特に分かりやすいのはビデオ会議で、マイクの音質が低い、または通信速度が低いために相手の音声が途切れたりしてしまうと、相手の発言内容を正確に理解できず、会議全体に悪影響を及ぼしてしまう。また、ビデオ会議はもちろん、SlackのようなチャットツールやDropboxのようなクラウドストレージなどを多用する環境では、これまで使っていたパソコンではスペックが追いつかず、よりスペックの高いパソコンに買い換えなければならないかもしれない。

 オフィスへの通勤時間や出勤への準備が無くなったことはメリットである一方、出勤と退勤が曖昧になったことで、トータルとして業務量が増えたという人も多い。本来であればオフィスにはいない時間帯でも、チャットでつながっているために連絡がいつでも飛び交うし、ビデオ会議が手軽に開催できる結果、今までより会議の量が大幅に増えて作業時間が無くなった、という声も少なくない。

筆者がフリーランスになった2020年4月のころの在宅ワーク環境。コロナ禍も重なり、打ち合わせの中心がビデオ会議に移行。その効率化のために外部ディスプレイを拡充した(2020年5月22日付関連記事『ビデオ会議効率向上の鍵は、ディスプレイの枚数と音質』参照)

設備やルールで解決が難しい「コミュニケーションの非対称性」の問題

 これら設備や労働時間についての課題は、まだリモートワークが普及期ゆえに起きる課題でもある。リモートワークが当然の社会になれば、自宅で仕事をすることを前提に住まい探しをするだろうし、マンションや戸建てもリモートワーク向けの間取りが増えるだろう。機材についても前述の通り会社から購入のための補助金が支払われば問題はないし、マイク性能もすでに品質の向上が進みつつある。

 仕事とプライベートの曖昧さも、会社組織がポリシーやルールを定めたり、ITツールで解決できる部分もあるだろう。勤務時間外のチャット連絡は緊急でない限り翌日返信を原則として、翌日にはリマインドが自動で設定されれば業務の滞りも限りなく抑えられる。会議が多くて困っている人も、1日にどれだけその人に会議が設定されているのかが可視化されたり、会議だけでなく作業に集中する時間もスケジュールで確保する仕組みなどで改善が期待できる。

 一方、こうした対策で簡単には解決できるわけではない、リモートワークに根深く残る課題だと筆者が感じているのが、リモートワークのコミュニケーションにおけるさまざまな非対称性の問題だ。

 多くのリモートワークではコミュニケーションにチャットサービスを利用しているが、オフィスでの会話はレスポンスがすぐに返ってくるのに対して、チャットの場合はすぐにレスポンスが返ってくるとは限らない。相手先は休憩で見ていないだけなのか、そもそもチャットでの連絡に気が付いていないのか、チャット上では判断することができない。これが数件程度ならいいが、複数の相手と何十件もやり取りしていると、相手が返事をしたかどうかを確認するだけでも少なからぬタスクになってしまう。

 もちろんこれも、タスク管理ツールやリマインド機能などを使ってある程度対策はできるかもしれない。しかしながらそれが成立するのは、コミュニケーションする相手同士が、これらのツールを使いこなせているという前提であり、それが満たされなければリモートワークのコミュニケーションはたやすく破綻してしまう。これがITリテラシーにおける非対称性の問題だ。

 普段からチャットコミュニケーションに慣れている人なら、チャットでの連絡もすぐに返したり、自分でリマインドを設定して管理できるが、チャット慣れしていなかったり、複数のサービスを使いこなすのが苦手な人の場合は、たくさんのチャットが来ると把握しきれず連絡が滞ってしまうことは多い。

 会社などオフラインの場であれば、どうしても連絡がつかないときに直接会いに行ったり、同じ部署の別の人に連絡を取ってもらうという手段も取り得るが、リモートワークでは相手が反応しない限りどうすることもできない。そして、こうしたレスポンスの遅れは業務に影響を与えるだけでなく、返事がもらえないことによるストレスという点でメンタル面で悪影響を及ぼす可能性も大きい。

気軽なコミュニケーションができずに生まれる「リモートワーク疲れ」

 コミュニケーションという点では気軽な雑談が難しいというのも課題の1つだ。オフィスであればちょっとした休憩時間や昼食などで何気ない雑談を交わせるが、チャットの場合は発言が全てテキストとして残ってしまうことに加えて、音声のニュアンスも全てそぎ取られてしまうため、対面で会話する雑談とはコミュニケーションの質が大いに異なる。

 チャット慣れしている人ならチャット上での雑談に違和感がないかもしれないが、全ての人がチャットで思っていることを吐き出せるわけではない。また、オフィスであれば人のそぶりや顔色、忙しそうにしている姿を見てフォローすることもできるが、チャットではテキスト以外にその人の状態を判別する術がないため、部下や同僚の状況を把握するということも難しい。

リモートワークで雑談の機会が失われる中、現実に近い要素を取り入れた“空間コミュニケーションサービス”が注目されるようになった。画像は、oVice株式会社が提供するサービス「oVice(オヴィス)」(2021年8月25日付関連記事『テレワークでは出会いが足りてない! バーチャルオフィス「oVice」に毎日3万人が“出勤”している理由』参照)

 先日、サイボウズが開催した「Cybozu Days」というイベントでは、リモートワークに関するセッションが行われ、中でも「テキストでは気軽にコミュニケーションできない」という辛さを感じている人が多いという結果が発表された。クラウドやリモートワークにおいては先進的な取り組みを行っているサイボウズでもこの状況ということは、他の企業も推して知るべしというのが現実だろう。

「リモートワークだけでいい人」と「困る人」の立場の違い

 前述の通り「リモートワークは辛い」と思う人が多い反面、リモートワークが自分に合っていて「もうオフィス勤務には戻りたくない」という人も少なくない。価値観は人それぞれなので当然ではあるのだが、筆者はここにも非対称性の問題が影響していると考えられる。それは業務におけるポジションの違いだ。

 毎日のタスクが明確に決まっており、タスクを淡々とこなすタイプの業務であれば、比較的コミュニケーションを気にせず仕事を進められるかもしれない。しかし、チームの状況を把握しながら進捗を管理して調整したり、新規プロジェクトを立ち上げて推進するようなマネジャー層は、ただタスクをこなせばいいというものではなく、チーム全体の状況を把握する必要があり、そのためにはどうしてもチームメンバーとの綿密なコミュニケーションが必要になる。

 この状況を子どものころの学級会で例えてみよう。学級会の議題において、賛成か反対かの意見を表明したり、自分の思う考えを述べる一生徒の立場と、多様な生徒の意見を決められた時間内で1つの方向性にまとめて先生に提出する議事進行係の立場では、コミュニケーションの必要さに大きな違いがある。全てを多数決で決められるほど簡単な議題ばかりならいいが、現実的には相当に難易度が高いだろう。

 多少言葉が強いかもしれないが、給料さえもらえればいい、自分の仕事だけ進めればいい、という社員の場合は、リモートワークに不満を感じることは少ないかもしれない。また、組織全体のITリテラシーが非常に高く、チャットでのコミュニケーションに負担がないメンバーばかりでも、こうした問題は起きにくいだろう。

 しかし、チームメンバーを管理するマネジメント層や、プロジェクトの進捗を管理するチームリーダーなどは、自分だけの仕事をしていればいいというわけにはいかず、どうしても他のメンバーとのコミュニケーションが必要不可欠になる。そして組織が大きくなればなるほどITリテラシーの差は生じてしまい、チャットやビデオ会議だけではコミュニケーションが成立しないことも多い。

 リモートワークだけで業務が進む立場と、リモートワークではどうしてもコミュニケーション不足で業務が進められないという立場、同じリモートワークでも立場の違いが大きく異なるのもリモートワークで見えてきた課題の1つだ。

リモートワーク時代における「オフィス出社のタバコ部屋化」

 コミュニケーション、職種といった非対称性に加えて、今後起こりうる、そして前述よりもさらに大きな課題になるかもしれない可能性を秘めたリモートワークの課題は、オフィスに出社しているかどうかという出勤の非対称性だ。

 前述の通り、コミュニケーションの難易度という点ではリモートワークよりオフラインのほうが圧倒的に低い。そしてオフラインのコミュニケーションはその場にいる人以外に可視化されることがない。こうして出社している人とそうでない人とでは、自然と情報格差が生まれてしまう。

 これを筆者は「出社のタバコ部屋化」と呼んでいる。喫煙者、またはオフィスに喫煙スペースがある方ならお分かりいただけると思うが、タバコを吸う人が集まる喫煙スペースは、そこでしか生まれないコミュニケーションが発生することが多く、喫煙者と非喫煙者では良くも悪くも情報格差が生まれやすい。

 筆者が新卒のころに入社したオフィスは喫煙スペースが設けられていたが、そこでは部課長クラスの管理者層と、喫煙者の新人が直接コミュニケーションを取る場となっていて、非喫煙者の筆者にとっては関与できないコミュニケーションが生まれていた。時にはタバコを吸いもしないのにジュース片手に喫煙スペースで雑談しにいく、などという本末転倒な行動を取っていたのも今では懐かしい思い出だ。

 リモートワーク時代における出社は、このタバコ部屋以上に、情報が可視化されない時点でコミュニケーションの断絶が大きい。本連載で以前取材した「oVice」のイベントでも、MCを務めた厚切りジェイソン氏が、アメリカではすでに出社するかしないかでコミュニケーションの差が生まれていると指摘していた。

 現在はコロナ禍でリモートワークが推奨されているが、コロナ禍が落ち着いてオフィス出社もリモートワークも可能になったとき、おそらくリモートワークのみで働く人はどうしてもコミュニケーションの差が生まれてしまうだろう。これもツールでは解決が難しい課題だ。

現状の最適解は、リモートワークと出社の「ハイブリッド」。新たな形のリモートワークに期待

 筆者自身の体験やこれまでの取材を元に、リモートワークの功罪を振り返ってみたが、現実問題として、これまでオフィスで行われていた働き方をリモートワークだけで完結することは現状不可能なのではないか、というのが筆者の結論だ。

 繰り返しながらツールの導入やルールの整備である程度フォローすることはできるが、複数の人数が集まれば必然的に発生するコミュニケーションは、どうしてもテキストチャットやビデオ会議だけでは置き換えられない。そしてオフィスで行われるリアルなコミュニケーションは、リモートワークだけのコミュニケーションとどうしても断絶してしまう。

 上記を踏まえたうえで、リモートワークを効率的に導入するのであれば、オフィス出社を前提としながらリモートワークも選択できるハイブリット型が現状では最適解ではないだろうか。

 そもそもリモートワークという言葉が定着する前も、営業のように外回りが必要な職種であれば週のうち数日はオフィスにいない、ということも珍しくはなく、そこでは今ほどコミュニケーションの課題は挙がっていなかった。全員が必ずそろうという必要はないが、少なくとも週に数日はオフィスで他のメンバーと顔を合わせる時間を持ちながら適宜リモートワークを行うというのが、組織としてリモートワークを考えたときにバランスの取れた解決策であると筆者は感じている。

 誤解しないで欲しいのは、オフラインがなければリモートワークが成立しないと言いたいわけではない。オフラインなしのリモートワークだけで組織を運営するのは圧倒的に難易度が高い形態であり、これを実現するより現状はオフラインを組み合わせたほうが遙かに難易度が低いだろう、ということだ。

 一方、完全リモートワークについてはいくつか参考になる事例も多い。世界で最も使われているCMS「WordPress」の創業者が設立した「Automattic」という会社では、採用段階から社内で使われているSlackやGitHubといったツールを使って面接を行うという、完全リモートワークを前提とした採用スタイルだ。高いITリテラシーが求められることもあり、これが使えるのは限られた企業だけかもしれないが、社員とのリテラシーを一定にそろえるという意味では非常に興味深い手法だ。

 また、本連載で取材した株式会社デジタルキューブは、業務のコミュニケーションは全てタスク管理ツールに特化することで、コミュニケーションの行き違いやレスポンスの遅れを対策していた。取材にもあるようにオフラインのコミュニケーションも併用していた会社ではあるが、リモートワーク主体にしてオフラインを補完に使う、という形態も1つの手法として魅力的だ。

株式会社デジタルキューブ代表取締役社長・小賀浩通氏のリモートワーク風景(2021年4月2日付関連記事『創業時から15年間「徹底したリモートワーク」を追求する企業の取り組み、コミュニケーションの要は「Backlog」』参照)

 繰り返しながら筆者が考えるハイブリッドはあくまで現状の妥協策であって未来の話ではない。今浮かび上がるリモートワークの課題を解決するようなサービスや制度が生まれることで、本当にオフラインが不要になるリモートワークの時代も来るかもしれない。

 リモートワークが普及したことで、居住地に影響されることなく仕事できる、プライベートと仕事を両立できるようになるなどメリットも少なからず生まれている。こうしたメリットを損なうことなく、一方でリモートワークではどうしても生じうる課題をいかに解決していくかが、これからのリモートワーク時代に求められるのではないか。リモートワークか出社か、という二択ではなく、どちらもうまく共存できる新たな形のリモートワークに期待したい。

この連載について

ビジネスパーソンが仕事をする/できる場所が多様化しています。従来からの企業の自社オフィスやシェアオフィス/コワーキングスペースはもとより、コロナ禍で広まった在宅勤務(Work From Home)、ホテルやカラオケボックスのテレワークプラン、さらにはお寺や銭湯まで(!?)。連載「甲斐祐樹の Work From ____」では、そうしたざまざまな「Work From ○○」の事例や、実際にそこで仕事をしている人・企業の取り組みなどを、フリーランスライター・甲斐祐樹がレポートします。

甲斐 祐樹

フリーランスライター。Impress Watch記者時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。家電ベンチャー「Shiftall」を退職して現在は人生二度目のフリーランス生活。個人ブログは「カイ士伝」