イベントレポート

CEATEC JAPAN 2018

竹中工務店ブースでは免震構造をVRで体験可能、「人の流れのビジュアル化」は赤外線で?

「竹中工務店」のブース

 10月16日~19日に幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2018」では、竹中工務店がビッグデータやVRを活用したソリューションを展示している。こうしたIoT関連の展示会に出展する建設会社は同社が初めて、としている。

「人流データ」ソリューションに用いる赤外線センサー。ブースには6個設置されている

 同社が展示する「人流データ」ソリューションは、複数の赤外線センサーを用いることで、任意のエリアにおける人の流れを計測できるもの。街中のイベント会場や、建物内の店舗スペースなどで活用することで、エリア内に滞在している人の動きをリアルタイムでビジュアル化したり、ヒートマップなどで一定期間の人の流れを表現したりできる。

 このビジュアル化されたデータを元に、イベント会場での人の流れの最適化だけでなく、どうやって特定の場所に人を集めるか、といった課題を解決できるとする。建物内においては、人の流れを予測して空調管理に生かすなど、さまざまな応用が可能だという。この人流データソリューションは、今回のブースでも使われており、ブースを訪れる人の動き、訪れた人数を画面で確認できる。

 こうしたソリューションではカメラ映像をAIで解析して認識する仕組みが最近のトレンドでもあるが、赤外線センサーであれば設置が容易であること、高解像度が必要ないこと、匿名性を保持できることなどが利点だとしている。

赤外線センサーから得られた映像を元に人の動き、流れを可視化
赤い丸が動いている人、緑が止まっている人。ブースに入る人をカウントして表示している
屋外イベント会場や屋内店舗で、人を集める方法の検討、空調管理の最適化などに役立てている

 もう1つの目玉となっているVR体験のデモは、同社が手がけるコンバージョン(改修工事)と、免震構造をアピールするもの。企業が所有する広い倉庫が不要になったとき、そのスペースを再利用する同社のアイデアとして、免震構造設備を導入して新たな用途に活用することを提案。その場合の実際の見え方や安全性をアピールしている。

 建物自体は免震構造でなくても、屋内空間を比較的低コスト、短期間で免震構造に変えられることを紹介するとともに、大地震時、免震構造でない場合に室内の棚が倒れて危険な状態になることをVRで直接体験できる。

VRゴーグルで表示する広い倉庫
倉庫が不要になったとき、再利用を目的にコンバージョンを行なう
そのコンバージョンの一例として、屋内を免震構造化する仕組みを提案
大地震があると棚が倒れて危険だが、免震構造があれば安全であることをアピール

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