イベントレポート
CEATEC JAPAN 2018
「日本の中小企業」を世界に発信、東京五輪にも関わる「東京ビジネスフロンティア」とは?担当者に聞いてみた
2018年10月30日 06:00
10月中旬に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2018」では、中小企業支援を目的とした「東京ビジネスフロンティア」という展示コーナーが設置され、同支援を受けた20社あまりがブースを構えていた。今回は、東京ビジネスフロンティアを主催する「中小企業世界発信プロジェクト推進協議会」を構成する団体の1つである公益財団法人東京都中小企業振興公社から、事業戦略部事務局次長/中小企業世界発信プロジェクト事務局の藤本仁和氏に、その狙いと活動内容について聞いた。
「“日本の中小企業の魅力”を世界に発信したい」
――東京ビジネスフロンティアとは、どのような取り組みなのでしょうか?
我々の団体では「中小企業世界発信プロジェクト2020」を展開しており、この東京ビジネスフロンティアもその1つになります。2020年に東京でオリンピックが開催され、日本にも注目が集まります。このようにせっかく注目を浴びるなかで、日本の技術力をアピールしていこうというのがその目的です。日本の技術力の一端を担っているのが中小企業ですが、我々のプロジェクトではこの中小企業の魅力を世界に発信すべく、国内外で注目を集めるCEATEC JAPANのような展示会にパビリオンを出展しようと考えたわけです。
なぜCEATEC JAPANかといえば、展示会のテーマとしてIoTやAIの話題を取り扱っていますが、我々が支援する中小企業が安全安心やバリアフリーなどの分野でこうした技術を使った製品やサービスを提供しており、まさに両者が合致しています。このように展示会を通じて世界に広くアピールしていきたいところですが、中小企業が単独で出展しても目立たなかったりで、注目を浴びるのはなかなか難しいです。そこでこのように大きくまとまったかたちで出展することで、我々として中小企業に注目してもらいたいというわけです。
――中小企業の世界アピールとのことですが、展示会の出展支援ということなのでしょうか? また、どのように支援企業を選んでいるのでしょうか?
展示会の出展を通じて販路開拓を支援するということです。展示に向けたアドバイスや商談まで、展示会を通じての対外発信を手伝っていきます。出展企業は公募になりますが、今回のCEATEC JAPANではテック関係に強い企業を審査で20社選んでいます。
今後、11月に「産業交流展2018」、来年2019年2月に「東京インターナショナルギフト・ショー」が東京ビッグサイトで開催されますが、こちらもそれぞれに強みを持つ20社ずつを選んで支援を行っています。産業交流展は中小企業向けの商談展示会で、ギフト・ショーのような展示会も中小企業が強みを発揮できる分野です。
一口に中小企業といってもいろいろな分野で企業が活躍しており、実際に世の中の99%が中小企業であるともいわれています。我々は東京都の組織ではありますが、東京オリンピックを通じて日本全体を盛り上げていければと考えており、支援先もまた都内の企業には限定していません。
オリンピックの公式電子入札に参加できる唯一のチャンス「ビジネスチャンス・ナビ2020」
――東京五輪の話題が出ていますが、展示会出展以外での中小企業支援の取り組みはあるのでしょうか?
もう1つ重要な取り組みに「ビジネスチャンス・ナビ2020」があります。これは東京オリンピック・パラリンピックを契機にした官民の入札・調達情報を一元的に集約したポータルサイトで、受発注のマッチングを支援する場となっています。中小企業の受注機会拡大を目的としていますが、同時にこれはオリンピック組織委員会による公式電子入札に参加できる唯一のチャンスでもあります。オリンピック関連の電子入札を希望する企業の方々は、ぜひこの機会を活用していただければと思います。
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