地図とデザイン
ゼンリン、地図上でプログラミング学習を行えるツール「まなっぷ School Edition」提供、初年度は無料
2022年5月26日 06:55
株式会社ゼンリンが今年3月、地図上でプログラミング学習を行えるツール「まなっぷ School Edition」を発売した。同社公式オンラインショップ「ZENRIN Store」にて販売しており、登録初年度は無料で利用可能。翌年度以降の利用料については要問い合わせ。
「まなっぷ School Edition」は、地図を活用した小学校向けのプログラミング学習ツールで、ウェブブラウザー上で動作する。ビジュアルプログラミング言語「Scratch」のUIを採用しており、ブロックを組み合わせてプログラミングを行うことで、写真や地図記号の表示、線の描画など、地図上でさまざまな表現が可能となる。なお、地図についてはMapboxのAPIを利用している。
同ツールは2021年3月に提供を開始した小学校向けのプログラミング教材「まなっぷ」を実際に利用した教師からの要望を反映してリニューアルしたもの。「まなっぷ」では、下記のような活用例が報告されている。
- 運河学習での成果について写真などを用いて表現
- 学校周辺を歩いたルートや学んだことを撮影した写真を用いて表現
- 登下校のルートで危険な箇所をまとめて3年生が1年生に教える
- 想定浸水区域を表示させて適切な避難経路をプログラミング
「まなっぷ」を利用した教師の声としては、「校区内の地図を閲覧・印刷できるので自分ごと化しやすく、地域学習に使いやすかった」「デジタル地図を操作するため紙地図への書き込みとは異なり、何度でも試行錯誤することができた」といった点が評価されたという。
今回、「まなっぷ School Edition」としてリニューアルした同ツールでは、2020年度より小学校で必修化された「プログラミング教育」について、授業の方法に悩む教育現場に貢献することを目指しており、「学習指導案」をプログラミング教材とセットで提供する。教師の授業準備の手間をかけずに、プログラミング教育を既存の教科に取り入れることができるとしている。
さらに、教師や児童の各個人に専用IDが発行されるようになり、IDごとに作品を保存することが可能になった。また、必要な機能ごとに基本操作を動画で学べるチュートリアル機能も新たに用意した。地図を使う授業で幅広く活用することが可能で、授業の学びを深めると同時に、児童のプログラミング的思考も育成できる。
“地図好き”なら読んでおきたい、片岡義明氏の地図・位置情報界隈オススメ記事
- 人々はなぜ「位置情報エンジニア」を目指すのだろうか――その仕事の魅力とキャリア形成を賭けた理由
- ゼンリン、都道府県の形をしたピンバッジ全47個セットを発売。フレーム入り
- 「一億総伊能化」を掲げる 青山学院大学・古橋大地教授の授業がレジリエントだった。
- 大学の「地理学科」ってどんなところ? “駒澤地理”の中の人に聞いてみた
- 高校の「地理総合」必修化で、地理教員の有志らがGoogleスライドで教材を共有
- 地理空間情報の最新トレンドを札幌で俯瞰してきた。「MIERUNE MEETUP 2024」レポート
- 「チーム安野」は都内1万4000カ所の都知事選ポスター掲示板をどう攻略していったのか?
- まるで現代の伊能忠敬――その極みにはAIもまだ辿り着けてない!? 地図データ整備の最前線を盛岡で見た
- 「れきちず」が3D表示に対応 地図データをベクトルタイル化。「江戸切絵図」から町家領域の抽出も
- 「れきちず」が話題、開発者の@chizutodesignさんが“地図とデザイン”の魅力を語る
- これはいつまでも眺めてしまいそう! 全国の流域を網羅した「YAMAP 流域地図」公開
- 神戸市さん、データ利活用しすぎ……無料で誰でも使える「統計ダッシュボード」拡充
- 「登記所備付地図」の電子データを法務省が無償公開→有志による「変換ツール」や「地番を調べられる地図サイト」など続々登場
- スマホ位置情報の精度が向上、“高さ”特定可能に。日本で10月より「垂直測位サービス」
- 電波強度がGPSの10万倍、GNSSの弱点を補う「MBS」とは?
- スマホの「北」は「真北」「磁北」どっち? 8月11日「山の日」を前に考えてみよう
- Googleマップも未踏の領域!? 海の地図アプリ「ニューペックスマート」が本気すぎる
- 海岸線3万2000kmを測量、日本の“浅海域”を航空レーザー測深で詳細な地形図に
INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。