趣味のインターネット地図ウォッチ
タモリ氏の“坂道愛”が詰まった18年ぶりの著書、「お江戸・東京 坂タモリ 港区編」出版
江戸時代の古地図と現代地図を並べて徹底比較
2022年10月19日 06:00
地形や地理、地質、歴史などについて造詣が深く、NHK「ブラタモリ」でもおなじみのタモリ氏による、江戸の坂道をテーマとした著書「お江戸・東京 坂タモリ 港区編」(株式会社ART NEXT刊、B5判・カラー100ページ、1650円)が10月12日に出版された。前著「タモリのTOKYO坂道美学入門」から18年ぶりとなる同書では、東京都港区内にある名坂87坂・14コースを紹介している。
同書は「日本坂道学会」の再結成を記念したもので、同学会の会長であり、同書の監修も務める山野勝氏と、タモリ氏との特別対談を冒頭に掲載。同学会の副会長にして“坂道写真家”でもあるタモリ氏が選んだ“推し坂”も紹介している。
散歩コースを紹介するコーナーでは、タモリ氏が自ら歩きながら改めて坂の写真を撮影し直し、自身のエピソードも交えながら、坂めぐりや歴史めぐりを楽しめるコースを紹介している。主要な坂には「勾配」「湾曲」「江戸情緒」「由緒」の4項目について星の数で評価しており、それぞれの坂の特徴が整理されている。
江戸時代の古地図も掲載し、同じエリアの現代地図も並べて比較できるようにしている。現代地図のほうには道路に傾斜の方向を示す矢印が入っていて分かりやすい。また、古地図で過去の歴史を紹介するだけでなく、現在どのような街並みになっているのかを詳しく説明している点も面白い。そのほか江戸の面白い文化の話や、明治・大正時代の話、時代小説の作家が残した随筆など、坂に関連したさまざまなエピソードも詰まっている。
タモリ氏が自ら撮影した写真も大きく掲載されており、いろいろな坂の写真を眺めていると、その場所に行って実際に歩いてみたくなる。坂の地図とは別に散歩コースマップも掲載されているので、本書を片手に、ぜひ坂道や名所旧跡を巡る街歩きを楽しんでいただきたい。
なお、本書の監修を務める山野勝氏は、東京の有名カルチャースクールで「坂歩き講座」を続けており、今回は坂道学会の結成30周年を記念してオンライン講座「お江戸坂道・歴史散歩」も開設した。坂道に興味のある人は、こちらもあわせて視聴してみてはいかがだろうか?
「お江戸・東京 坂タモリ 港区編」で取り上げている14コース
- 三田の坂 「幽霊坂」~「魚籃坂」~「聖坂」
- 三田の坂 「綱坂」~「神明坂」~「日向坂」
- 赤坂の坂 「薬研坂」~「九郎九坂」~「三分坂」~「丹後坂」
- 赤坂の坂 「南部坂」~「檜坂」~「氷川坂」
- 赤坂の坂 「本氷川坂」~「寄席坂」~「丹波谷坂」~「閻魔坂」
- 虎ノ門の坂 「江戸見坂」~「霊南坂」
- 六本木の坂 「雁木坂」~「道源寺坂」~「御組坂」
- 六本木の坂 「於多福坂」~「鳥居坂」~「芋洗坂」
- 麻布台の坂 「狸穴坂」~「植木坂」~「鼠坂」
- 麻布十番の坂 「暗闇坂」~「一本松坂」~「大黒坂」
- 西麻布の坂 「牛坂」~「狐坂」~「狸坂」
- 南麻布の坂 「釣堀坂」~「奴坂」~「青木坂」
- 白金台の坂 「蜀江坂]~「三光坂」~「明治坂」
- 高輪の坂 「洞坂」~「柘榴坂」~「桂坂」~「天神坂」
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