被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー
だまされないように注意!
938件のネット詐欺遭遇エピソードを分析! フィッシング詐欺が43.3%を占める結果に
2024年2月2日 07:32
BBソフトサービスは、ネット詐欺対策ソフト「詐欺ウォール」のX(旧Twitter)公式アカウントにて集めたネット詐欺エピソードを分析した「ネット詐欺体験エピソード調査レポート」(調査期間は2023年8月23日~2023年8月31日、2023年9月23日~2023年10月6日の2回)を公開しました。938件のエピソードを元にしているので、最近のネット詐欺状況が可視化されており、参考になるのでご紹介します。
ネット詐欺のカテゴリー分類では、43.3%とダントツ1位がフィッシング詐欺でした。フィッシング詐欺は銀行やネットショップなどの企業をかたるメールやメッセージを送信し、偽サイトに誘導するなどして、ID・パスワードや金銭を盗み取る手口です。なお、2位はX(旧Twitter)などのDMで「懸賞に当選しました」といった内容で個人情報の入力を促す「SNS関連詐欺」、3位は料金を支払っても商品が送られてこない、あるいは粗悪品が送られてくる「偽販売サイト」でした。
確かに、圧倒的な数のフィッシングメールが日々ばらまかれているので、多くの人が目にしていることでしょう。個人情報を入力することで、不正アクセスされて金銭的な被害に遭ったり、別のネット詐欺のターゲットにされることがあり、決してレベルの低い詐欺というわけではありません。
フィッシング詐欺でかたられる業種を見ると、ECサイトが40.9%と最も多く、宅配便(23.2%)、銀行(8.6%)、クレジットカード会社(7.1%)と続きます。官公庁もランクインしており、有名どころからのメールだからと言って簡単に信用しないようにしましょう。
実際に被害に遭ったケースは938件中136件と全体の14%となっており、被害内訳は、金銭的被害が66%、個人情報漏えいが29%となりました。実際に寄せられたエピソードとしては、格安サイトでブランドの服を購入したところ、クレジットカードの引き落としはされたものの商品は届かなかったというものや、フィッシング詐欺サイトにクレジットカード情報を入力してしまったケースなどが紹介されていました。
筆者が所属するNPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)に寄せられる相談は、ロマンス詐欺や投資詐欺といった被害金額が大きいケースが多いのですが、このレポートからはやはり被害件数としてはフィッシング詐欺ショッピング詐欺が圧倒的に多いことが分かります。何年も前からこの手の詐欺が広まっており、記事はもちろんテレビニュースになっているものの、まだ周知されていないようです。
ぜひ、定番のネット詐欺に関する情報を皆さんでシェアして、事例を共有して下さい。事例を知っているだけで、ネット詐欺に遭遇しても警戒することができれば被害に遭わずに済みます。
本連載でも取り上げています。以下の記事をご一読ください。
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あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。
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※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと