イベントレポート

CEATEC 2019

CEATECを便利にみるための7つのワザ、便利な公式アプリから新設「乗り合いタクシー」まで

 CEATEC 2019が、明日、10月15日から、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕する。20周年という節目を迎えるCEATEC 2019テーマは、「つながる社会、共創する未来」。これまでの「CEATEC JAPAN」という名称から「JAPAN」を外し、日本の企業だけのイベントではなく、グローバルに向けて発信するイベントに位置づけている。

 会場は、前年に比べて1ホール増となる7ホールを使用。750社/団体、出展小間数は2000小間以上となっており、来場者数は16万人以上を見込んでいる。

 本稿では、CEATEC 2019を、有意義に、そして効率的に見学するための情報をお届けする。

その1:入場証を事前にプリントアウトしてスムーズに入場!スマホで事前登録、という手も

発券カウンター

 CEATEC 2019は、入場は無料だが、登録入場制としている。

 会場の「登録カウンター」で登録して、入場することも可能だが、公式Webサイトで事前の入場登録が行える。これを利用すれば、スムーズに会場に入ることができる。

 さらに、この際、スマホを使って登録すれば、スマホに表示される登録完了画面を発券カウンターに提示するだけで、入場証が発券されるので、その入場証で会場に入れる。当日までに登録を忘れてしまった場合でも、電車での移動中にスマホで登録することも可能だ。

 また、プリンタで事前に入場証をプリントアウトしておけば、会場ではその入場証を提示するだけで会場に入れる。プリントアウトの手間はあるが、こちらの方が現地で、登録カウンターにも、発券カウンターにも寄らずに会場に入れるのでスムーズだろう。

公式サイト右上から事前登録が可能

その2:優れモノの「公式アプリ」を利用すべし!コンファレンスの同時通訳や混雑確認、訪問ブースの自動記録も!

 CEATEC公式アプリを利用すると、より効率的に見学ができる。

 公式アプリでは、出展者リストやブース検索のほか、コンファレンスプログラムを確認したり、コンファレンスの同時通訳音声の再生機能などにも使用できる。開催初日の米マイクロソフトによる20周年記念特別基調講演などでは同時通訳サービスが提供されるが、ここでは同通レシーバーではなく、スマホの公式アプリを利用することになるので聴講する人は注意が必要だ。

 さらに、リアルタイムランキングやヒートマップ機能付きマップでは、来場者が多く集まっているホールやブースが表示されるため、混雑を避けたり、注目度が高いブースはどこかといったことも理解できる。

 さらに、訪れたブースを自動的に記録する訪問履歴機能もある。3分間ほどブースに滞在すると、位置情報をもとに滞在履歴が残る仕組みだ。

 ちなみに、会場では、冊子タイプの会場マップも配布されるので、それを併用するのもいいだろう。ちなみに今年から、会場マップは2階入口付近に用意される。会場に入ったあとはラウンジなどで入手できるが、できるだけ入場前に手に入れたい。

その3:最短距離で目的のブースに行くには?色で導線を示すカーペット

展示エリアへの導線はカーペットのカラーで示されている

 幕張メッセのメイン入口に到着すると、今年は、外のエスカレーターを昇ったところに、CEATECの看板が用意されている。さらに屋内に入ると、足下には、5色に色分けされた線が引かれる。

 これは、それぞれに「TOTAL SOLUTION」(青)、「DEVICE &TECHNOLOGY」(紫)、「SMART X」(緑)、「SOCIETY 5.0 TOWN」(赤)、「Co-Creation PARK」(ピンク)といった各展示エリアへの導線を示したもので、それに従って歩いていけば目的の展示エリアに到達する。

 会場内にもそれぞれの色のカーペットが敷かれているので、その色を目指していけばいい。また、これまでのCEATECでは、ホールごとにテーマが決められていたが、今回のCEATEC 2019では、全ホールを横串とする形でレイアウトを行い、それぞれのテーマごとに3本の中央通路を設けて展示を見やすいようにしている。そのため会場を横移動すれば、同じテーマの展示を見られる。

 また、会場奥から入口方向に向けて、A~Hまでのブース番号が振られているため、目的のブースがAで始まるのであれば一番奥のエリア、Dであれば中央付近ということがわかる。あとはブース番号の後ろの数字でだいたいの位置を目安にすればいい。ホール2が小さい番号、ホール8が大きな番号だ。

 ちなみに、会場の正面入口となるホール5とホール6の間の2階部分には、「CEATEC 20th」というロゴが描かれた大きな看板が置かれる。

 CESやIFAではロゴの看板が置かれてそこで記念撮影をする人も多いが、CEATECにはこれまでは同様の場所がなかった。まさに、来場者のためのフォトスポットとして新設されたものだ。来場した記念にここでパチリと撮影して、SNSに投稿してみてはどうだろうか。

新設されたフォトスポット

その4:2つの主催者企画展示に注目!Society 5.0 TOWNとCo-Creation PARK

 主催者展示として注目を集めそうなのが、「Society 5.0 5.0 TOWN」である。昨年は、ローソンなどの展示が注目を集め、多くの人が訪れた「IoT TOWN」をさらに進化。金融、製造、流通など幅広い業種から、24社/団体が出展し、各社が共創する形で「2030年のまち」を誕生させる。

 中央部には道路を模した通路が用意され、まさに「まち」のような一角になっている。ここでは出展社同士が半年以上前から、お互いに情報交換を行うという、これまでの展示会にはない形で運営。コミュニティを形成しながらブースを構成している。

 その結果、ANAホールディングスの展示が、大阪ガスや関西電力と連動するなど、まさに企業同士の共創事例が展示を通じて発信されることになる。

 もうひとつの企画展示が、世界各国のスタートアップ企業が集結する「Co-Creation PARK」だ。昨年までは、国内スタートアップ企業および大学、教育機関を対象とした「スタートアップ&ユニバーシティゾーン」と、海外スタートアップ企業および海外諸機関を対象とした「Co-Creation Park」を別々に展開していたが、これを統合して、新生「Co-Creation PARK」として新たに展開する。このエリアには、2人のサポートスタッフが常駐し、出展者に関する情報などを提供してくれる。

その5:ゆっくり見るならば火曜日、水曜日が狙い目?開催日によって異なる基調講演、パネルディスカッションも……

CEATECは最終日に近づくにつれ、混雑する(昨年の最終日のようす)

 今年のCEATEC 2019での初めての試みのひとつに、毎日、基調講演が行われる点がある。さらに、会期2日目を「5G Summit」、3日目が「AI Summit」、4日目は「Mobility Summit」というように、それぞれにテーマを設定し、各分野のキーマンたちが登場するコンファレンスが開催される。
 テーマに沿ったり、目的にあわせた日に来場することが望ましいといえるだろう。展示会だけでなく、講演と組み合わせて、最適な日を選んで来場するのがいい。

 また、展示会場の見学を中心にするのならば、最終日はなるべく避けた方がいい。これまでのCEATECの来場者の傾向を見ると、開催初日から徐々に来場者が増加し、最終日は4万6000人を超える来場者数に達しており、展示会場は満杯になっている。

 展示会場をゆっくりと見学したいのであれば、比較的来場者数が少ない初日(10月15日)と2日目(10月16日)が狙い目。また、午後からは来場者が増えるので、できれば午前中に来場するのがよさそうだ。

 一方で、今回は会場内に休憩ができるラウンジを随所に置いてある。さらに、公式アプリ利用者専用のラウンジもある。長時間をかけて見学する場合には、休憩や次の見学のための情報収集を行う場所などとしても、ラウンジをうまく活用したい。

【16~17日のテーマ別サミット】
会期2日目(16日)に行われる5G Summit
会期3日目(17日)に行われるAI Summit
会期4日目(18日)に行われるMobility Summit

その6:学生ならば専用ラウンドに直行すべし!出展企業とのコミュニケーションも

 CEATEC 2019では、学生向けに、「CEATEC Student Lounge(学生交流ラウンジ)」を用意した。会場を見学する際の拠点として活用できる学生専用のラウンジで、学生は、まずはここに来て、情報を得たり、友人と見学プランを練るのがいいだろう。

 インフォメーションデスクには、コンシェルジュが常駐しており、どんなものに興味があるのかを話せば、必要な情報を提供してくれたり、学生が見学するのに適した見どころなども教えてくれる。

 CEATEC Student Lounge内のMeet-Upエリアでは、出展者の企業との会話ができるほか、オープンステージでは、村田製作所の村田恒夫会長兼社長をはじめとする企業トップによる学生向け講演も聞くことができる。学生ならば、このラウンジを利用しない手はない。

その7:CEATEC初の試み「乗り合いタクシー」を使ってみよう!西船橋駅までの実証実験

 CEATEC 2019では、乗り合いタクシーが用意される

 会場から、西船橋駅までという限定ルートでの設定だが、帰りの海浜幕張駅の混雑を避けたい人は、これを利用してみるのも手だろう。30台のタクシーを用意。3人までの相乗りが可能で、1人ありたの料金は1800円(税込)。1人でタクシーに乗るよりは割安だ。

 実施期間は、10月15日~18日の午後2時30分から午後5時30分まで。最終日は午後3時30分まで。

 ホール3、4の間のやすらぎのモールから乗ることができ、約30分で西船橋駅に到着する。乗車するには公式アプリを使用して、「イベントMaaS」のボタンから乗車チケットを購入し、乗り場でアプリに表示される乗り合いタクシー許可証を表示すればいい。チケットは当日乗車分のみ購入でき、期間中1人1回だけ利用できる。

 そのほか、CEATEC 2019開催期間中は、特別臨時バスも運行している。東京駅や新宿駅、渋谷駅、YCATなどと結ぶもので、渋谷駅であれば1000円で行ける。時刻表はここで確認できる。

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