イベントレポート

CEATEC 2019

SMBCグループ、金融のほか農業や高齢者支援など、多様なソリューションを展示

三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)のブース

 10月15日~18日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「CEATEC 2019」では、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)が2017年、2018年に引き続きブースを出展。グループ会社のソリューションも含め、金融や生体認証、農業、高齢者支援といった幅広い分野の取り組みについて展示を行っている。

 金融サービスのイメージが強いSMBCグループだが、昨今は2015年度に設立したITイノベーション推進部を中心に、社会やユーザーの抱えるさまざまな課題・ニーズをテクロノジーで解決する課題解決型のイノベーションにも熱心に取り組んでいる。内閣府提唱の“Society 5.0”構想実現に寄与する技術・サービスが集められた出展エリア「Society 5.0 TOWN」に設置されたブースには、初公開となる三井住友ファイナンス&リース株式会社の「スマート・コンプライアンスチェック」を含め、関連会社の多数のソリューションが展示されていた。

 操作できるデモ展示としては、、ARグラスを利用したカスタマイズ眼鏡やARアプリ、すでにサービスを開始している「三井住友銀行アプリ」、企業間取引時のコンプライアンスチェックを効率化できる「スマート・コンプライアンスチェック」、クラウド上で契約書を介した契約締結・契約書の保管が可能になる「SMBCクラウドサイン」などを用意。ARグラスとアプリは実際に周囲の景色の拡大や縮小、説明員の顔認識といった試用が可能で、他のデモはサービス利用時の大まかな流れを体験できた。

開発中のARアプリとゴーグルは実際に試用可能。サービスとして提供するのは数年後となる見込み
ARゴーグルは景色の拡大や縮小に対応。最終的には個々人にカスタマイズした情報表示や道案内、音声認識による会話のテキスト表示などに対応する予定
スマートフォンアプリでは、顔認証による説明員のプロフィール表示が可能だった。現時点では認識に多少のタイムラグがあったが、将来的には精度を高め、人探しなどにも活用できるよう調整していくとのこと
三井住友ファイナンス&リース株式会社の「スマート・コンプライアンスチェック」。企業名や役員名を登記簿などの公開情報から抽出し、迅速にコンプライアンスチェックを実施できる
展示会などで公開するのは初めてのサービスだが、デモではチェックの過程を確認できた
会社としては10月に設立された「SMBCクラウドサイン」のデモ。クラウドサービスによる契約書の送付から締結、保管の過程をデモで体験できる
将来的には契約書の作成補助などの機能も検討している
2019年度グッドデザイン賞を受賞した「三井住友銀行アプリ」のデモ。残高照会や振り込みといった基本機能に加え、家計管理、非接触決済との連携にも対応する。お金の出入りの一元管理が可能

 また、ポラリファイ株式会社の「e-KYC・生体認証サービス」、株式会社日本総合研究所の高齢者支援サービス「subME」、三井住友銀行のビジネスマッチングプラットフォーム「Biz-Create」といったソリューションも展示。豊富なソリューションやコンセプトが集結しており、非常に見ごたえのあるブースとなっている。

ポラリファイ株式会社の「e-KYC・生体認証サービス」。犯収法の改正に対応したオンライン本人確認が可能
アプリの指示通りに免許証の写真や自分の顔写真を撮影し、本人確認が完了する。従来のような承認までのタイムラグがなく、スムーズな本人確認を実現するとしている
株式会社日本総合研究所の高齢者支援サービス「subME」。自己対話による高齢者自身でのニーズ・課題の掘り起こしや、本人による意思表示が難しくなった際に備え、意思決定の参考になる情報を蓄積する。現在は2021年のベータ版サービス開始を目指し、ビジネスモデルや事業構造の検討を進めているとのこと
無料で利用できるビジネスマッチングプラットフォーム「Biz-Create」。サイト上で、チャットを介したスムーズなコミュニケーションが可能
農業分野における取組として、「みらい共創ファーム秋田(MKFA)」の展示も

「CEATEC 2019」イベントレポート記事一覧