地図と位置情報
地図・地理好きは必見! 今年は“空想地図”も参戦! ジオ界隈が集結する展示会「ジオ展2024」4月19日開催、入場無料
企業、大学の研究室、愛好家グループなど50社・組織が出展
2024年4月10日 06:55
マップボックス・ジャパン合同会社(Mapbox)と株式会社MIERUNEは、地図や位置情報ビジネスに関連する企業や団体が参加するイベント「ジオ展2024」を、4月19日に浅草橋ヒューリックホール(東京都台東区浅草橋1-22-16)にて開催する。入場は無料で、事前申し込みによる来場登録(Peatix)が必要となる。
出展企業は、ジオテクノロジーズ株式会社や株式会社マップルのような地図会社、マップボックス・ジャパンやHERE Technologies、MIERUNE、株式会社Geoloniaなど地図開発プラットフォームの提供会社、国際航業株式会社や朝日航洋株式会社などの航空測量会社、日本スーパーマップ株式会社やマップマーケティング株式会社などのGIS会社、株式会社ゴーガなどの地図・位置情報ソリューションの提供会社など、幅広い企業が集結する。また、パイオニア株式会社やソニーグループ株式会社、ソフトバンク株式会社などの大手企業も参加する。
企業だけでなく、青山学院大学・古橋研究室や立正大学・環境データサイエンス学林、名古屋大学・河口研究室、埼玉大学・地理情報科学研究室、國學院大學・地理学研究会や、位置情報ビジネスの事業者団体である一般社団法人LBMA Japan、地理空間データの流通支援プラットフォーム「G空間情報センター」を運営する一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)、オープンストリートマップ(OSM)のプロジェクトを支援する一般社団法人OpenStreetMap Foundation Japan、実在しない土地・街・世界の様子を描く“空想地図”を盛り上げる「空想と地図の企画室」、地図が好きな人の集まり「地図ラーの会」なども出展する。
会場内では展示ブースのほか、プレゼンテーションステージも設置され、30の企業・団体によるプレゼンテーションも行われる。プレゼンテーションは1企業・団体につき10分間で、各社の取り組みや製品・サービスの紹介が行われる。
開催告知のプレスリリースによると、位置情報は生成AIの分析に有効なデータとして注目度が高まっており、位置情報を活用したAI研究も進んで人流予測や可視化、シミュレーション、精度やセキュリティ向上などAIの活用が広がっているという。また、自動運転などモビリティ分野においても位置情報は重要度が増しており、地図や車流データとの組み合わせによるレコメンド、AIによる事故検知、交通量最適化などの展開も予想されるとしている。主催者のマップボックス・ジャパンも2023年10月に車載向け生成AI音声アシスタント「MapGPT」を発表しており、このような生成AI関連の取り組みについて各社がどのような展示を行うのかも興味深い。
また、主催者であるMIERUNEの代表取締役CEOを務める朝日孝輔氏は、「個人的には高精度測位・3次元データといった最先端技術から、空想地図といった地図の面白さを伝えるコンテンツまで幅広く出展されているのを面白く感じています。これだけ幅の広い展示会はなかなかないのではないでしょうか。私自身楽しみです」と、今年の開催に期待を寄せている。
筆者はコロナ禍明けの開催となった昨年の「ジオ展2023」にも訪れたが、久しぶりのリアル開催とあって大盛況となり、学生とみられる若い人も多く見られた。ジオ展の公式サイトでは、今回の展示会に向けて、各社から採用情報が発表されている。地図・位置情報の業界における就職のトレンドについて、MIERUNEの朝日氏は「営業職やGIS(地理情報システム)エンジニアは引き続き募集がありますし、クラウド・AI・3Dデータなどのキーワードも多く出るようになってきています」とコメントしている。
利用用途が多様化している地図・位置情報の現状と未来を見渡せるこのイベント、地理空間情報に興味のある人は会場を訪れてみてはいかがだろうか。
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INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。