意外と知らない? ネットセキュリティの基礎知識

家庭のウェブカメラを盗み見されるって本当?

 通勤や通学、買い物などで家を空けているとき、家に何か起きていないか心配になったことはありませんか? また、留守番をしているペットが何をしているのか、気になる方もいるかもしれません。そんなときに役立つのが、ウェブカメラ(ネットワークカメラ)です。ウェブカメラを使えば、スマホに入れた専用アプリを使ってペットの様子や家の中の様子をいつでも確認できるようになります。

 しかし、ウェブカメラは利便性が高い一方で、セキュリティのリスクもあります。ウェブカメラ自体の脆弱性(セキュリティの弱点)や設定の不備があることを知らないで使っていると、第三者が自宅に設置されたウェブカメラにアクセスして家の中を盗み見られる可能性があります。なかには、カメラに映り込んだ個人情報を第三者に売却されたり、自宅にいる無防備な姿を画像や動画で保存され、その画像を世間に公開しない代わりに金銭を要求してくるといった犯罪につながる可能性もあります。

第三者によってアクセス可能なウェブカメラの画像が投稿されたサイトの事例

 自身が想定している以外の使い方を第三者にされないためにも、見守りカメラなどのウェブカメラを利用する際にはセキュリティ対策をしっかり確認しておきましょう。

 購入する際には、便利な機能だけではなく、プライバシー保護のための設定やセキュリティの機能、サポートの有無を選択基準の1つにしてください。例えば、ウェブカメラを購入する際には、アクセスするための認証情報を変更できるものを購入し、第三者が推測しにくいIDやパスワードに変更できるかは機器を選定する際の重要な点です。

 また、ウェブカメラをつなげている家庭用ルーターの管理画面の認証情報を初期値から変更することや、ファームウェアを最新のものに保つことで、意図しない第三者の不正アクセスを防ぎましょう。ルーターにつながる機器を表示し、各機器のセキュリティの問題点と解決策を示してくれる無償のツールも存在しますので、このようなツールを活用し、家庭内の状況を把握しておくことも重要です。

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岡本 勝之(トレンドマイクロ株式会社)

セキュリティエバンジェリスト。トレンドマイクロ株式会社ビジネスマーケティング本部コアテク・スレットマーケティング部所属。製品のテクニカルサポート業務を経て、1999年よりトレンドラボ・ジャパンウイルスチーム、2007年、日本国内専門の研究所として設立されたリージョナルトレンドラボへ移行。シニアアンチスレットアナリストとして、特に不正プログラムなどのネットワークの脅威全般の解析業務を担当。現在はセキュリティエバンジェリストとして、それまでの解析担当により培った脅威知識を基に、セキュリティ問題、セキュリティ技術の啓発に当たる。トレンドマイクロの情報セキュリティ啓発サイトはこちら「is702(アイエス・ナナマルニ)インターネット セキュリティ ナレッジ」