意外と知らない? ネットセキュリティの基礎知識

「私物端末を使った在宅勤務」の注意点とは?

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 新型コロナウイルスの感染防止のためや働き方改革の一環として、在宅勤務を始められた方やテレワーク(リモートワーク)の制度を導入した企業も多いのではないでしょうか。

 しかし、一定のセキュリティ対策が行われている職場のネットワーク以外での勤務は、セキュリティリスクが高まる懸念もあります。在宅勤務を行う際には、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか。今回は、私物端末の業務利用に関する注意点と主な対策をお伝えします。

 在宅勤務時には、自宅にある私物のパソコンを使って仕事をする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私物の端末を業務に用いる際には注意が必要です。通常、会社が貸与する端末には職場のポリシーに則ったセキュリティ対策がとられていますが、私物端末のセキュリティ対策は個人の知識に依存してしまうことがあります。

 会社から私物端末を使う許可が出ていない場合には、使うことを絶対にしないようにしてください。また、私物端末の業務利用が許可されている場合にも、職場で決められたポリシーに沿った使い方を徹底することが大切です。職場のポリシーに反した使い方や、無断で私物端末を業務利用することは、自身や会社が重大なセキュリティ事故やトラブル発生のリスクに繋がる可能性があります。

 私物端末の業務利用が許可されている場合に、在宅勤務を安全に行うための各自で行える主な対策は次のことが挙げられます。

  1. セキュリティソフトを利用する
    私物端末にもセキュリティソフトを入れ、最新の状態を保ちましょう。
  2. OSやソフトを適切に更新する
    業務で利用する端末は、OSやソフトの提供元から修正プログラムが提供されたらすぐに適用し、脆弱性(セキュリティの穴)を修正しましょう。

 在宅勤務やテレワークでは、職場が定めるガイドラインやポリシーに従って行動するのが原則ですが、上記の対策を行うことでウイルス感染や不正サイトへのアクセス、不正アプリの侵入など、ネット上の脅威によるリスクを下げることができます。そして、セキュリティ対策が十分に施されていない職場の外では、各自が普段以上にセキュリティを意識し、注意を払って行動することが大切です。

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岡本 勝之(トレンドマイクロ株式会社)

セキュリティエバンジェリスト。トレンドマイクロ株式会社ビジネスマーケティング本部コアテク・スレットマーケティング部所属。製品のテクニカルサポート業務を経て、1999年よりトレンドラボ・ジャパンウイルスチーム、2007年、日本国内専門の研究所として設立されたリージョナルトレンドラボへ移行。シニアアンチスレットアナリストとして、特に不正プログラムなどのネットワークの脅威全般の解析業務を担当。現在はセキュリティエバンジェリストとして、それまでの解析担当により培った脅威知識を基に、セキュリティ問題、セキュリティ技術の啓発に当たる。トレンドマイクロの情報セキュリティ啓発サイトはこちら「is702(アイエス・ナナマルニ)インターネット セキュリティ ナレッジ」