意外と知らない? ネットセキュリティの基礎知識

スマート家電って何? どのようなセキュリティ対策をすればいいの?

 「スマート家電」という言葉を聞いたことがありますか? 耳にしたことがあっても、普通の家電とは何が異なるかよく分からないな、という方もいるかもしれません。

 スマート家電には、動画配信サービスを直接見ることのできるテレビやゲーム機、話し掛けるだけで操作ができるスマートスピーカー、お留守番中のペットの様子を確認するための見守りカメラなどがあります。

 スマート家電を利用することで生活はより快適になることが期待できる一方で、インターネットにつながるということはセキュリティ対策が必要になってきます。スマート家電には、いったいどんなサイバー攻撃が起こり、私たちはどのような対策をしなくてはいけないのでしょうか? 予想される攻撃と安全に利用するためのポイントを紹介します。

 スマート家電を利用するうえで、外部の第三者からスマート家電を不正操作されるといった被害、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)への感染、オンライン銀行のアカウント情報や電子メールの内容を盗み見られる、乗っ取られたデバイスが他者を攻撃するための踏み台として利用されてしまうといったセキュリティリスクがあります。

スマートテレビの画面に表示されるランサムウェアの例

 このようなセキュリティリスクの被害に遭わないためには何をすればいいのでしょうか。スマート家電を利用する場合に、すぐにできる対策として以下の3点を確認しましょう。

1)Wi-Fiルーターやスマート家電のセキュリティ設定を見直す

 サイバー犯罪者はスマート家電がインターネットへの出入口として経由するWi-Fiルーターの設定の不備や脆弱性(セキュリティの弱点)を突き、不正アクセスをしてくることがあります。Wi-Fi通信の暗号化に、より強度の高い「WPA2」以上を指定しましょう。

 また、Wi-Fiルーターの管理画面にログインするための認証アカウント設定は初期値から変更してください。Wi-Fiルーターの認証アカウントは、流通している同じ型番で同一の認証情報が設定されている場合もあり、サイバー犯罪者に知られている可能性もあります。変更時も安易なパスワードを設定することはやめましょう。

 スマート家電が認証アカウントを持っている場合にも、同様の理由で、初期値からの変更を心掛けてください。

2)Wi-Fiルーターやスマート家電のOSやファームウェアを常に最新に保つ

 OSやファームウェア(機器を制御するソフトウェア)は常に最新することを心掛けてください。脆弱性を修正するためのプログラム更新は自動で行う設定に変更しておきましょう。

3)収集対象となる情報を知る

 使用するスマート家電はどのような目的でインターネットにつながり、どのような情報を収集しているかを知っておくことが大切です。また、メーカー側のミスで情報漏えいが起きた場合の対応や補償についても調べておきましょう。

 スマート家電の利用が進んでいくと、これまで以上にセキュリティについて意識することが重要になります。3つのポイントに加え、スマート家電やルーターで流れる情報を保護してくれるセキュリティ製品も活用し、より快適で安全なデジタルライフを実現しましょう。

岡本 勝之(トレンドマイクロ株式会社)

セキュリティエバンジェリスト。トレンドマイクロ株式会社ビジネスマーケティング本部コアテク・スレットマーケティング部所属。製品のテクニカルサポート業務を経て、1999年よりトレンドラボ・ジャパンウイルスチーム、2007年、日本国内専門の研究所として設立されたリージョナルトレンドラボへ移行。シニアアンチスレットアナリストとして、特に不正プログラムなどのネットワークの脅威全般の解析業務を担当。現在はセキュリティエバンジェリストとして、それまでの解析担当により培った脅威知識を基に、セキュリティ問題、セキュリティ技術の啓発に当たる。トレンドマイクロの情報セキュリティ啓発サイトはこちら「is702(アイエス・ナナマルニ)インターネット セキュリティ ナレッジ」