意外と知らない? ネットセキュリティの基礎知識
スマート家電って何? どのようなセキュリティ対策をすればいいの?
2019年8月15日 06:00
「スマート家電」という言葉を聞いたことがありますか? 耳にしたことがあっても、普通の家電とは何が異なるかよく分からないな、という方もいるかもしれません。
スマート家電には、動画配信サービスを直接見ることのできるテレビやゲーム機、話し掛けるだけで操作ができるスマートスピーカー、お留守番中のペットの様子を確認するための見守りカメラなどがあります。
スマート家電を利用することで生活はより快適になることが期待できる一方で、インターネットにつながるということはセキュリティ対策が必要になってきます。スマート家電には、いったいどんなサイバー攻撃が起こり、私たちはどのような対策をしなくてはいけないのでしょうか? 予想される攻撃と安全に利用するためのポイントを紹介します。
スマート家電を利用するうえで、外部の第三者からスマート家電を不正操作されるといった被害、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)への感染、オンライン銀行のアカウント情報や電子メールの内容を盗み見られる、乗っ取られたデバイスが他者を攻撃するための踏み台として利用されてしまうといったセキュリティリスクがあります。
このようなセキュリティリスクの被害に遭わないためには何をすればいいのでしょうか。スマート家電を利用する場合に、すぐにできる対策として以下の3点を確認しましょう。
1)Wi-Fiルーターやスマート家電のセキュリティ設定を見直す
サイバー犯罪者はスマート家電がインターネットへの出入口として経由するWi-Fiルーターの設定の不備や脆弱性(セキュリティの弱点)を突き、不正アクセスをしてくることがあります。Wi-Fi通信の暗号化に、より強度の高い「WPA2」以上を指定しましょう。
また、Wi-Fiルーターの管理画面にログインするための認証アカウント設定は初期値から変更してください。Wi-Fiルーターの認証アカウントは、流通している同じ型番で同一の認証情報が設定されている場合もあり、サイバー犯罪者に知られている可能性もあります。変更時も安易なパスワードを設定することはやめましょう。
スマート家電が認証アカウントを持っている場合にも、同様の理由で、初期値からの変更を心掛けてください。
2)Wi-Fiルーターやスマート家電のOSやファームウェアを常に最新に保つ
OSやファームウェア(機器を制御するソフトウェア)は常に最新することを心掛けてください。脆弱性を修正するためのプログラム更新は自動で行う設定に変更しておきましょう。
3)収集対象となる情報を知る
使用するスマート家電はどのような目的でインターネットにつながり、どのような情報を収集しているかを知っておくことが大切です。また、メーカー側のミスで情報漏えいが起きた場合の対応や補償についても調べておきましょう。
スマート家電の利用が進んでいくと、これまで以上にセキュリティについて意識することが重要になります。3つのポイントに加え、スマート家電やルーターで流れる情報を保護してくれるセキュリティ製品も活用し、より快適で安全なデジタルライフを実現しましょう。
連載「意外と知らない? ネットセキュリティの基礎知識」の記事
- パスワードはどうやって管理すればいいの?
- フィッシング詐欺って実際にどのようなメールが届くの?
- SNSアカウントを他人に乗っ取られないためには?
- 「2段階認証」とは? アカウント乗っ取りの防止に有効
- 使っていないウェブサービスのアカウント、そのままにしていない?
- スマホのOSやアプリのアップデートはした方がいいの?
- スマホもウイルスに感染するの?
- フリーWi-Fiを利用するときのリスクとは?
- SNSでプライバシーを公開していない?
- スマホをなくした! そのときに備え、3つの対策を
- スマート家電って何? どのようなセキュリティ対策をすればいいの?
- 家庭のウェブカメラを盗み見されるって本当?
- スマートスピーカーの使用で住所が晒されるリスクも?
- 子どもを危険から守る「ペアレンタルコントロール」とは?
- Wi-Fiルーターを狙うサイバー攻撃、被害を防ぐには
- 家のネットワークに繋がっているモノ、把握してる?
- 「観戦チケットが当たる」というメールやSMSに注意
- 音楽フェスの無料配信を謳うサイト、それは本物?
- 注目されるイベントに便乗する「アンケート詐欺」に注意
- SNSに投稿する前に確認を! 友達の顔写真投稿やタグ付けを勝手にしていない?
- 心の隙を巧みに突くネット詐欺の手口いろいろ
- 不安をあおって電話でだます“サポート詐欺”の手口
- 好きなアイドルに会える? “出会い系詐欺”とは?
- アダルトサイト閲覧時の動画をばらまくと脅す“セクストーション詐欺”
- 狙われるApple ID――iPhoneユーザーなら知っておきたい“フィッシング”の手口
- iPhoneの“構成プロファイル”って何? 安易にインストールを許可してない?
- 新しいiPhoneを使い始めるときに確認したい、3つのセキュリティ設定項目
- オンラインゲームのアカウントが盗まれる?
- Windows 7の「サポート終了」ってどういうこと? まだ使っていても大丈夫?
- SNSに子どもの写真を投稿する際のリスクとは
- URLをクリックしたらTwitterアカウントが乗っ取られた!? アプリ連携の許可は慎重に
- SNSがきっかけの犯罪から子どもを守るには
- これは見破れないかも? 「犯罪者のSMS」と「正規のSMS」が混ざって表示される送信元偽装
- 巧妙な手口で「二要素認証」を突破、ネットバンキングの「ワンタイムパスワード」を狙う偽サイトに注意
- 新型コロナウイルスに便乗するネット詐欺が拡大
- 「私物端末を使った在宅勤務」の注意点とは?
- 「自宅Wi-Fiを在宅勤務で利用する」場合の注意点は?
- 「プライベートで利用しているクラウドメール」の業務利用って、何が問題なの?
- テレワークでも気を付けたい「ソーシャルエンジニアリング」、AIを使っただましの手口も
- 「オンライン会議システムを使うとき」に気を付けたい4つの注意点
- 「脆弱性(ぜいじゃくせい)」って何?
- 「標的型攻撃」って何?
- 「ゼロデイ攻撃」って何?
- 「Cookie(クッキー)」って何?
- 「https」って何?
- この連載の記事一覧/今後の掲載予定