意外と知らない? ネットセキュリティの基礎知識
フリーWi-Fiを利用するときのリスクとは?
2019年8月1日 06:00
いまや街を歩けば、多くのフリーWi-Fiが見つかります。フリーWi-Fiはその名の通り、誰もが自由に使える無料のWi-Fiスポットを指し、カフェなどの飲食店やコンビニ、ホテル、空港などに設置されているものが一般的です。しかし、よく確認しないまま利用するとリスクが伴うことも覚えておかなくてはなりません。街中などでフリーWi-Fiを見つけると、ついそのまま利用したくなりますが、通信内容を暗号化していないなど、セキュリティ的に不安のあるものも存在します。また、フリーWi-Fiの利用者を狙うサイバー犯罪も存在します。
暗号化されていないフリーWi-Fiでは、通信内容を盗み見られる危険性が高まります。また、フリーWi-Fiは誰でも接続できるネットワークであるため、サイバー犯罪者のような悪意の利用者が接続し潜んでいる可能性は否定できません。設置している事業者が、利用者同士の存在が分からないようなネットワーク設定にしている場合は安全ですが、そうでない場合にはサイバー犯罪者から攻撃を受けたり、通信を盗み見られたりする可能性もあります。
また、正規のフリーWi-Fiの周辺に同名、あるいは似た名称のSSID(ネットワーク名)を持つ“偽フリーWi-Fi”を設置し、そこに誤って接続してしまう利用者を待ちかまえる手口もあります。この場合、以前接続したことのあるSSIDに自動的に接続する機能により、意図せず偽フリーWi-Fiに接続してしまう可能性もあります。このような偽フリーWi-Fiに接続した場合には、通信を盗み見られる、通信内容を改ざんされる、不正サイトへ誘導されるなどの手口により、認証情報やクレジットカード情報を窃取されたり、不正アプリに感染してスマホを不正操作されるといった被害に遭う可能性もあります。
そこでフリーWi-Fiにつなぐスマホなどの端末で利用したいのがVPN(ブイピーエヌ、Virtual Private Network:バーチャル・プライベート・ネットワーク)です。
VPNを使うことで、保護された専用トンネルを通るようなイメージで通信が行えるようになり、第三者からの盗み見や不正サイトへの誘導などの危険を遠ざけることができます。
駅や空港、カフェなどで提供されているフリーWi-Fiを安全に利用するための手段として有用なため、個人によるVPNの利用推進が求められています。VPNを利用するには、ソフトウェアやアプリを使います。VPNアプリには、無料で配布されているものもあれば有料版もあるため、プライバシーやセキュリティ面を評価したうえで、自分の使い方や目的に合ったVPNアプリを選定しましょう。
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