イベントレポート

CEATEC 2020 ONLINE

JRCモビリティ、4次元センシングで危険予測する「RAC 4D-Ai」などCEATECで展示

 10月20日~23日にかけて完全オンラインで開催中の「CEATEC 2020 ONLINE」。JRCモビリティ株式会社はブースを出展し、カメラ画像とミリ波レーダーを組み合わせた危険予測システム「RAC 4D-Ai」、世界最高クラスの精度をうたうGNSS受信機(JG11)を搭載する「ハイレゾロケーションシステム」といったソリューションを展示している。

 JRCモビリティ株式会社は、日清紡ホールディングス株式会社の子会社として2018年に設立され、社名の通りモビリティ事業に特化した製品開発や生産を主要業務としている。具体的には、車載用レーダーおよび超音波センサー等の開発・生産・販売、モビリティおよび交通インフラ向け通信・センサー等とサービスの開発・生産・販売の2点に注力。展示ブースにおいては、先に述べた開発中の2製品に関する展示を行っていた。

4次元センシングで数秒後の衝突の危険を予測「RAC 4D-Ai」

カメラとミリ波レーダーの組み合わせにより、4次元センシングを可能にした「RAC 4D-Ai」

 「RAC 4D-Ai」は、映像の3次元位置情報(X、Y、Z)に加え、速度情報(V)を同時に検出する新たなセンシング方式を採用した危険予測システムだ。水平距離と高さ情報を計測するカメラ映像だけでなく、ドップラー効果による周波数のズレの情報を活用するドップラーレーダーを利用することで奥行き・方位・速度を計測するのが大きな特徴。高精度にターゲットの速度ベクトルをセンシングし、独自アルゴリズムにより数秒後の衝突危険性をリアルタイムに認識可能であるとしている。

条件の悪い空間でも検知性能が高く、衝突検知や侵入者検知での利用が想定される。

 上述のように、センサーを搭載するフロントエンド部にはミリ波レーダー(ドップラーレーダー)とカメラ映像を合わせて搭載しており、草木の茂るような場所、暗所や悪天候といった環境でも検知性能を飛躍的に向上させているとのこと。主な用途としては、出会いがしらの衝突などが憂慮される作業エリアの安全監視、敷地内への侵入者検知といった利用が想定されるようだ。

世界最高精度の位置情報を実現「ハイレゾロケーションシステム」

高精度の位置計測が可能なハイレゾロケーションシステム。将来的には数cm単位での測定に対応する見込み

 一方の「ハイレゾロケーションシステム」は、世界最高クラスの精度を備えたGNSS(全世界測位システム)受信機「JG11」や慣性計測装置(IMU)を搭載する「ハイレゾロケーター」、「RAC 4D-Ai」と同じミリ波レーダーを内蔵する「ハイレゾスピードセンサー」を組み合わせた位置計測システム。

 高精度な位置計測だけでなく、各種センサーによる計測を組み合わせて独自のデッドレコニング(GNSSの信号が受信できないエリアでも、速度情報などを入力することで位置情報を測位する技術)を採用し、あらゆる場所での高精度な位置計測を担保している。用途としては、農業機械や搬送用ロボットなど、自動運転システムに組み込んでの活用が期待されているようだ。

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