イベントレポート

CEATEC 2020 ONLINE

石狩市、企業と取り組むIoT化や実証事業、工業団地の100%再エネ化などCEATECで紹介

 10月20日~23日にかけて完全オンラインで開催中の「CEATEC 2020 ONLINE」。石狩市はブースを出展し、北海道最大の産業拠点である石狩湾新港地域の取り組みについて紹介。企業と連携して進める取り組みや、停電時にも電力供給を可能とするための仕組み作り、100%再生可能エネルギー(再エネ)由来の電力を供給するREゾーンなどの紹介をしていた。

 石狩市は北海道経済の中心である札幌圏に位置し、中でも石狩湾新港は札幌の物流拠点として、立地企業数は約750社、操業企業数は約680社に上る。そのひとつであるさくらインターネット株式会社とは、石狩市内の河川の水位をIoTによりデータ集積、閲覧などができる取り組みを行っているほか、京セラコミュニケーションシステム株式会社とは、石狩湾新港の一部エリアを使った、無人配送ロボットの実証事業なども予定している。

北海道最大の産業拠点である石狩湾新港地域
さくらインターネットとIoT河川水位計の取り組み
京セラコミュニケーションシステムとの無人配送ロボ実証

 エネルギー面では、日本初の大規模洋上風力発電事業の開発を進めるなど、風力、LNG、バイオマス、太陽光など多様なエネルギー源を持つ。さらに2016年には、石狩市水素連略構想も策定。風力発電などの余剰電力から水素を製造し、港湾機能を使っての液化して貯蔵。港湾エリア内での燃料電池フォークリフトなどでの活用や、札幌都市圏へ供給、港から道外への輸出といった展開を目指して取り組みが進められる。

石狩市水素連略構想の将来像、水素を活用した産業展開のイメージ

 また、2018年9月には北海道胆振東部地震によって道内全域が停電になったが、こうした発電設備や水素を活用することで、エネルギーの地産地消を実現し、災害に強い地域作りを目指すという。

水素を活用することで災害に強い地域づくりを目指す

 さらに今後、工業団地内に再エネ由来のみの電力で事業活動を行うことを目指すREゾーンも設定する。その事業モデルとして京セラコミュニケーションが100%再エネで稼働するデータセンターを作るとし、同社と石狩市の連携協定を締結。また北海道電力株式会社とも、地域の再エネ電源開発やREゾーン実現に向けた手法の検討、再エネの利活用の検討などにおいて連携することで協定を結んでいる。

再エネ100%のREゾーン設定を目指す

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