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予算別「Windows 10にしたい」はコレ! 「ゼロ円~15万円」まで6段階で解説!

~乗り遅れた人向けのWindows 10移行ガイド~

 Windows 7のサポート終了からもう2ヶ月。

 「今後も使い続ける」ことにはリスクしかないわけで、すでに移行した人が大部分のはずだが、時折聞くのが「予算がなくてWindows 10が導入できない」という話。

 特に業務用のPCでは利用者が「まずい」と思っても、予算を出す担当はそう思っておらず、結果として「予算との兼ね合いで……」ということになる場合もあると思う。

 しかし、Windows 7からWindows 10へのアップグレード方法はいくつかあり、選択した方法によってコストも変わる。そこで今回は必要となる費用感ごとに、Windows 7からWindows 10への移行方法をまとめてみた。

 分類は「0円」「2万円~」「3万円~」「5万円~」「8万円~」「15万円~」の6段階。もちろん、この金額でカッキリわかれているわけでなく、例えば、10万円なら「8万円+α」というかたちでいいパソコンを導入できる。

 以下、是非参考にしてほしい。


【0円コース】Windows 10にアップグレードしたことがあるPCで再挑戦

 Windows 10がリリースされた当初、Microsoftでは1年間の無料アップグレードキャンペーンを実施していた。

 このとき対象PCをWindows 10にアップグレードしたが、何らかの理由でWindows 7やWindows 8/8.1に戻したということであれば、もう1度Windows 10へ無償アップグレードを行うことができる。極めて限定的なケースではあるが、もし該当するのであれば無料でWindows 10に移行することが可能なため、ぜひチャレンジしてみよう。

 この方法でWindows 10にアップグレードするには、まず対象PCからWindows 10のダウンロードページにアクセスする。ここからアップグレードを実行すれば、Windows 10のライセンス認証が自動で行われる。

Windows 10のダウンロードページから「ツールを今すぐダウンロード」を選ぶと、Windows 10にアップグレードするためのツールをダウンロードできる


【2万円コース】ライセンスを購入して既存のPCでWindows 10に移行

 無料アップグレードキャンペーン中にWindows 10へアップグレードせず、さらに現在のPCのままWindows 10への移行を考えるのであれば、Windows 10のライセンスを別途購入してアップグレードすることになる。

 Windows 10にはいくつかのエディションがあるが、もっとも安価な「Home」のダウンロード版の場合、Microsoft Storeでの販売価格は1万9360円である。

 ちなみに各種ECサイトでもライセンスは販売されていて、Amazonではプロダクトキーのみのオンラインコード版が1万7926円、インストール用USBメモリが付属するパッケージ版は1万8075円だ(2月20日現在、いずれも税込)。

Microsoft Storeの「Windows 10 Home」の販売ページ。「Windows 10 Pro」のダウンロード版の価格は2万8380円(税込)

 なおWindows 7やWindows 8/8.1がインストールされている既存PCをWindows 10にアップグレードする場合は、そのPCで普段利用しているアプリケーションがWindows 10に対応しているかどうかを事前に確認しておきたい。

 アプリケーションがすでにWindows 10に対応している、あるいはバージョンアップすることでWindows 10に対応できるのであればよいが、そもそもWindows 10に対応していないということであれば、事前に対策を検討しておこう。


【3万円~コース】Windows 10がインストールされた中古PCの購入

 既存PCはそのまま残し、新たにWindows 10がインストールされたマシンを導入したいが予算をかけたくないというのであれば、Windows 10がインストールされた中古PCの購入を検討したい。

 これなら、ライセンスとハードウェア(PC)のセットを安価に手に入れることができる。

 中古PCの価格はピンキリだが、安価なものであれば2万円台から購入することが可能である。ただ当然ではあるが、安ければ安いほど発売から年数が経っていることが多く、最新のPCと比べると性能面で見劣りすることになる。

 また中古のノートPCを購入するとき、覚悟しておきたいのがバッテリーの劣化だ。バッテリーの経年劣化は避けることができず、場合によってはバッテリー駆動ではまともに使えないといった可能性もある。

 中古PCの販売店によっては、店舗独自の保証期間を設けていてもバッテリーは保証外としているケースが大半である。そのため、特にモバイルユースを前提とするのであれば、中古PCではなく安価な新品を狙うことも視野に入れるべきだろう。

中古PCであれば、人気の高いシリーズのWindows 10搭載マシンを格安で入手することもできる。ただいつでも買えるとは限らないのが難点。なお、僚誌「中古PC Hotline!」では、中古PCのおススメ品やセール情報を随時掲載中だ。

 なおMicrosoftでは、「Microsoft Registered Refurbisher」(MRR)および「Microsoft Authorized Refurbisher」(MAR)と呼ばれる、再生PC用プログラムも展開している。

 これはMicrosoftが認定した再生PC事業者から出荷される再生PCに対し、Windowsのセカンダリライセンスを提供するプログラムである。

 MARは承認ラベルが1枚、MRRであれば製造メーカーと再生PC事業者の2枚の承認ラベルが貼り付けられており、正規ライセンスであることが確実に分かるほか、「悪質なソフトウェアがインストールされているかも」などといったことを心配する必要もない。安心して中古PCを購入したいのであれば、認定された再生PC事業者を選ぼう。


【5万円~コース】Windows 10搭載の新品のPCを購入

 5~6万円程度の予算があれば、Windows 10を搭載した新品のPCも視野に入る。中古PCと比べた場合のメリットとしては、メーカーのサポートが受けられることが大きい。

 また中古PCのようにバッテリーの経年劣化の不安がないことも魅力だ。

 たとえばDELLの「Inspiron 11 3000 2-in-1 スタンダード(Office付)」は、Windows 10 Home(Sモード)64bit版とMicrosoft Office personal 2019がプリインストールされているにもかかわらず、5万4978円(税込)で購入することができる(2月20日現在、4000円オフの割引クーポン適用)。

タッチスクリーンを備えた「Inspiron 11 3000 2-in-1 スタンダード」。Officeがプリインストールされていないモデルであれば、4万円以下で購入できる

 スペックはプロセッサーがRadeon R5 グラフィックスを含む第7世代 AMD A9-9420eで、メモリは4GB、ストレージは64GBとなっている。なお2-in-1 PCであるため、ノートPCとしてもタブレットとしても使えるのもメリットだ。

 業務利用を前提として、Windows 10 Proがプリインストールされているモデルを選びたいというのであれば、ASUSの「ASUS E203MA」という選択肢もある。

 プリインストールされているのはWindows 10 Pro 64bit版で、CPUにCeleron N4000を採用し、4GBのメモリと64GBのストレージ容量を備える。本体は約1kgと軽く、バッテリー駆動時間も約14.6時間が確保されているため、モバイル環境でも安心して使えるだろう。

Windows 10 Pro 64bit版を搭載する「ASUS E203MA」。約14.6時間というバッテリー駆動時間も大きな魅力だろう

 もちろん、ここで紹介したモデルは一例に過ぎない。これより高価格帯の製品と比べるとスペックは劣るものの、実はこの価格帯の選択肢はかなり豊富である。自分の用途に合ったPCを探してみてほしい。


【8万円~コース】「モダンPC」の購入

 8万円以上の予算があるのであれば、Microsoftが定義する「モダンPC」の要件を満たしたPCを狙うのもアリだ。

 モダンPCとは、デザインとパフォーマンス、そして体験のそれぞれで定められた以下の要件を満たしたPCであり、パフォーマンスに加えてデザイン性や操作性にも優れているものとしている。法人向けPCと個人向けPCで、若干内容が異なるので、参考までに双方を掲載しておこう。

【モダンPCの要件(法人向けPC)】
デザインパフォーマンスとセキュリティ体験
必要条件2-in-1 コンバーチブル/2-in-1 デタッチャブル/ウルトラスリム・ノート型(全画面サイズで厚さ20ミリ未満)/オールインワン/ミニデスクトップ・小型デスクトップSSDまたはeMMC/オールインワンについてはIntel Optane+HDD、セキュリティ:レベル1遵守コルタナ/Windows Hello(顔または指紋認証)/Windows Ink/Sモード(このうち、2つ以上に対応)
推奨極薄ベゼル(7mm未満)/プレミアムデザイン CMF/FHDディスプレイ(以上)/バックライトキーボードIEEE802.11ac 2x2/Bluetooth 4.0+/8時間以上のバッテリー駆動時間/セキュリティ:レベル2、セキュリティ:レベル3(プレミアムデバイス)Autopilotの対応/モバイルブロードバンド接続/プリシジョンタッチパッド(PTP)
【モダンPCの要件(個人向けPC)】
デザインパフォーマンス体験
必要条件2-in-1 コンバーチブル/2-in-1 デタッチャブル/ウルトラスリム(18ミリ以下)/オールインワンSSD/SSD+HDD/eMMC/Intel Optane+HDDコルタナ/Windows Hello/Windows Ink/Sモード(このうち、2つ以上に対応)
推奨極薄ベゼル/メタリックデザイン/IPSスクリーン/バックチルト・キーボードプリシジョンタッチパッド(PTP)/IEEE802.11ac 2x2/Bluetooth 4.0+/8時間以上のバッテリー駆動時間モバイルブロードバンド接続

 Microsoftでは、モダンPCの魅力としてストレージが高速であり、またWindowsの起動も迅速であるためストレスなく使えること、薄くて軽いため気軽に外出先に持ち運んで使えること、スマートフォンのようにタッチ操作で利用できることなどを挙げている。

 業務で利用することを考えた場合、特にメリットとなるのは高速であることだろう。Windowsがすばやく立ち上がれば、その分すばやく仕事を始めることができる。また無駄な待ち時間がなければ、業務効率の向上にもつながることになる。

 昨今話題となることが多い、働き方改革を推進する上でもモダンPCは有効だ。

 たとえば気軽にノートPCを持ち運ぶことができれば、普段オフィスで使っているノートPCを自宅に持ち帰り、翌日はそのまま在宅勤務で仕事をこなすといったことが可能になるためだ。

 このほかにもモダンPCにはさまざまなメリットがある。特に業務に利用するPCであれば、多少予算を積み増してでもモダンPCを選ぶ価値はある。

超狭額ベゼルを採用したASUSのモダンPCである「VivoBook 15 X512FA」。モダンPCでありながら10万円を切る価格を実現している


【15万円~コース】ハイスペックなモダンPCの購入

 予算に十分な余裕があり、なおかつ長く使えるPCを導入したいと考えているのであれば、ハイスペックなモダンPCを積極的に検討しよう。

 たとえば日本HPの「Spectre x360 13」は、ディスプレイ周辺部の額縁を極限まで狭くすることにより、13インチのディスプレイを搭載しているノートPCにおいて世界最小のフットプリントを実現している。

 またCPUには第10世代Coreプロセッサを搭載することで高いパフォーマンスを実現しているほか、「WWANモデル」であればLTE回線を使ってインターネットに接続することが可能なため、外出先でも気軽にインターネットに接続できる。

13インチディスプレイを搭載しながら、11インチの液晶ディスプレイ搭載ノートPCと同等サイズのフットプリントを実現した日本HPの「HP Spectre x360 13」

 DELLの「Inspiron 13 7000 2-in-1(7391)」も魅力的な1台だ。1,024段階の筆圧感知対応のアクティブペンを標準搭載し、さらにヒンジ中央部に装着して収納することができる。

 このヒンジは360度回転し、状況に応じて4つのモードを使い分けられるメリットがある。またバックライトキーボードやWindows Helloに対応した指紋認証機能も備えている。

1kgを切った13.3インチモバイルノートPCであるDELLの「Inspiron 13 7000 2-in-1(7391)」。単体GPUである「GeForce MX 250」を搭載することも可能

 ここまで解説したように、Windows 7からWindows 10への乗り換えは、ユーザーの予算に応じてさまざまな選択肢がある。もしまだWindows 7を使っているのであれば、この記事を参考にWindows 10へのアップグレードをすぐにでも検討しよう。

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