【連載】 【編集部から】 ●どうなる? Microsoftの検索エンジン 世界一の金持ちとして知られる男が先日、シドニーでこう宣誓して言った。「近い将来、検索エンジンは今より10倍は洗練されるものになる」。金持ちの男というのは、もちろんビル・ゲイツ。彼はMSNがGoogleとの間で検索エンジンのマーケットシェアを奪い合っていることについて触れ、Microsoftで進んでいる検索エンジンテクノロジーの進化は、必ずやコンシューマーに大いなる利便性をもたらすだろうと力説した。 もちろん、検索エンジンが進化してうれしいのは、コンシューマーだけじゃない。コンシューマーでもあるけれど、商品やサービスを作り出しているような「プロシューマー」たち――検索エンジン業界で言えば、WebマスターやWeb開設者、SEOエキスパートたち――にとっても大きなメリットになる。 「MICROSOFT WATCH」というサイトの記事によると、水曜日にラスベガスで開かれたゴールドマンサックスの第5回インターネットカンファレンスで、MSNの副社長であるユスフ・メディ(Yusuf Mehdi)は基調講演に立ってこう言った。「今やMSNの全精力は、新しいMSN Searchに傾けられている」。そしてMSN MessangerやMSN Musicなどに、新しいアドオンを付け加えるという。同時に、MSNのWebサイトから新しいターゲット広告やパーソナルサービスを利用できるようにする計画も進めているという。 この記事には、こんな風なことも書いてある。少し引用しよう。「新しいMSN Searchと、2006年にリリース予定のWindowsの新バージョン(コードネーム:Longhorn)に組み込まれる検索機能がどうオーバーラップしていくのかについては、Microsoftははっきりとは説明していない。MSN Searchの開発チームもLonghornのチームも、ユーザーのハードディスクの中と企業のイントラネット、それにインターネット上の情報をシームレスに扱えるような検索機能を供給したいということを、お互いに話し合ってはいる。だがMicrosoftが単機能しかない検索エンジンに取り組むのか、それとも複合的な検索エンジンに取り組もうと考えるのかは、まだ不透明だ」。 そして早ければ12カ月以内には、MSN Searchのテストバージョンを試すことができるようになるという。メディはそう言っている。 ■URL「MICROSOFT WATCH」の記事 http://www.microsoft-watch.com/article2/0,1995,1602890,00.asp ●Appleの新しい検索エンジン サンフランシスコで先日開かれたソフトウェア開発者の会議で、Apple Computerのスティーブ・ジョブズがMacintoshの新機能の説明を行なった。これは「Spotlight」と呼ばれていて、ハードディスクの中身を検索する技術だ。SpotlightのテクノロジーはiTunesから借用されたもので、Mac OSの次期バージョン(コードネーム:Tiger)に組み込まれる予定の機能だという。Tigerは1年以内にはリリースされる予定だ。 この話は、なんだかGoogleのPuffinやMicrosoftのLonghornの話にどこか共通点があるように見える。検索エンジンは今後、ローカルドライブのファイル検索を取り込んでいくというのが大きな潮流になるのかもしれない。 ●Googleのページランクはどこへ?
Future PR lookup http://www.webmasterbrain.com/upcoming-pagerank-value-checking-tool--tool11.htm ●Googleが禁止しているSEOに気をつけよう SEOスパムを大規模に展開する企業が現われた。あちこちのWebサイトから、いくつか引用してみよう。 GoogleGuyが書いている。「マウスオーバーをリダイレクトさせるJavaScriptを使ったり、他のサイトに誘導するドアウェイ(入口)ページを作ったりするような行為を進めるSEOがある。しかしこれらはスパム行為と判断されて、Googleから警告されることになるので注意してほしい」。 同じくGoogleGuyの発言。「SEOや検索エンジン関連のフォーラムでTraffic Powerという企業が問題になっている。名前を出さずに言及されていることが多いが、企業の名前をきちんと開示することが必要だ。他の人たちにもきちんと注意してもらわなければならないから」。 Girald Gibbs & De Bartolomeo LLP(GG&D)のWebサイト。「弊社はサンフランシスコに本拠地を置き、全米でビジネスを展開している法律事務所です。現在、Traffic Powerに対し、その不適切なビジネスに関する集団訴訟を検討しております。同社のビジネス手法に対して苦情があり、われわれの訴訟にご協力いただけるという方は、以下のフォームに必要な項目を入力してメールを送信してください」。 「あなたのWebサイトのSEOを請け負っている企業が『このページをアップロードして使って欲しい』と言ってきたとき、それがスパムだった場合の責任を負わなければならないのはあなたであるということを忘れてはならない。SEOが用意したページをきちんとチェックして、卑劣なリダイレクトを行なっていたり、ドアウェイなどのスパムページにリンクを張るものだったりしないかどうかを調べた方がいい」。これもGoogleGuyの発言だ。 Traffic Powerは、ネバダ州ラスベガスに本社を持つ企業である。 ■URLGirald Gibbs & De Bartolomeo LLPのWebサイト http://www.girardgibbs.com/traffic-power.html (2004/06/30) [Reported by ジェフ・ルート&佐々木俊尚]
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