【連載】 第42回 MSN SearchはGoogleを超えたか? ●新しいMSN Searchの検索エンジン たぶん皆さんはもう知っていると思うけれど、Microsoftの新しい検索エンジンであるMSN Searchのベータ版が先ごろリリースされた。そしてこちらはまだ皆さんがあまり知らない話だと思うけれど、MSNは最近「msnsearch's WebLog」というブログをスタートさせている。それからもちろん、検索エンジンをめぐる戦争もどんどん激しくなっている。 MSNのサイト管理者向けヘルプを読むと、彼らがスパムをどう定義しているかがわかる。
そしてMSNは、次のような方法を勧めている。
このサイト管理者向けヘルプは、MSN Searchの検索結果で適切なサイトの紹介文が掲載されるようにするためには、どうすればいいかについても書かれている。 「コンテンツを素晴らしいデザインで構成し、そしてあなたが掲載しようとしていることについて適切な用語を効果的に使用する――MSN Searchのロボットがあなたのサイトから集めてきて構成する紹介文に好影響を与えようと考えたら、そんな風なことに気を配りましょう」 そして次のような戦術も紹介されている。
さて、ここのところ僕はこのMSN Searchという新しい検索エンジンについてのさまざまな記事やブログの投稿などを読み続けてきた。そうした記事の中には、なかなか興味深いものもたくさんある。いくつか紹介してみよう。 「MSN Searchが提供している機能の中には、Googleに実装されていないものもある。結果レベル調整がそうだ。グラフィカルに表現された3本のスライドバーを操作することで、検索をさらに絞り込むことができる。ひとつは『完全一致』と『あいまい一致』のレベルを設定できるし、他の2つのバーは『検索頻度が高い』『検索頻度が低い』、『最近更新された』『ほとんど更新されない』を設定できるようになっている」(NEWSFACTOR) 「新しいMSN Searchの最高にカッコいい機能は、スライダーを動かして検索結果をコントロールできることだ。(中略)この3本のスライダーを組み合わせれば、同じ検索キーワードを使う場合でも、より広い範囲で検索をすることが可能だ。特定の目的の検索を行なっている人にとっては、相当に強力なツールとなるだろう。もっとも、実際に検索してみたらすごく奇妙な結果になってしまうこともあるかもしれないけどね。いずれにせよ、検索エンジンをユーザーの側がコントロールできるというのは非常に素晴らしいアイデアだと思うし、ぜひ使ってみたいと思う。ただ世間に広めるためには、もう少し改良する必要はあると思う」(SearchEngineWatch) 「この新しい検索エンジンを使っていると、なんだか昔に戻ったような感覚を感じた――そう、AltavistaがRaging Searchをリリースした時を思い出したのだ」(Traffick) 「MSN SearchはGoogleを超える機能をいくつか実装している。しかし全般的に見れば、落胆する出来栄えだった」(TechNewsWorld) 「もっとも重要なことは、Microsoftが自社の検索エンジンを所有するに至ったという事実だ。今後はこれをベースにして新しい機能が加えられ、性能も進化していき、そして同社の既存の製品やサービスとさまざまに連携していくことになるだろう」(PC WORLD) 「新しいMSN Searchは、Googleを追い落とすことにはならないだろう――しかし問題はない。別に追い落とさなければならないわけじゃないのだから」(CNetにおけるForrester Researchのアナリストの発言)
■URL この2年ぐらいで、ペイパークリック(PPC)広告の市場はぐんぐんと成長し、大規模になりつつある。この結果、良くなったことがたくさんある一方で、悪くなったこともたくさん表われる結果となった。たとえば検索エンジンに対して大量のスパムが仕掛けられるようになったし、メールボックスもスパムだらけになった。ブログを書けば、コメントはスパムで埋め尽くされ、そしてPPCの広告には「クリックスパム」なるものも登場してきた。 クリックスパムというのは、インターネット広告をクリックしまくって、クリックスルー率で広告料金を支払っている広告主に多額のカネを支払わせてしまうというスパムの手口だ。 このクリックの洪水は、防ぐのはたいへん難しい。そもそも、新しい手口でさえない。もう何年も前から、Webのトラフィックを人工的に水増しするために使われてきたやり方である。手口にはマニュアルとオートマチックの2種類がある。マニュアルはとにかく人の手を借り、クリックしまくるというものだ。典型的な手口としては、アフィリエイトの収入を増やすためのものがある。オートマチックは、hitbotsと呼ばれるプログラムを使って、人力でやるのと同じことを行なわせる。結果としてはマニュアルと同じだ。 最近もある企業がGoogleの広告にこのクリックスパムを仕掛け、不正を行なっていたとしてGoogle側から提訴される騒ぎになっている。 この件については、連載の次回でもう少しお話ししてみたい。どうすればクリックの洪水を摘発することができるのだろう? ●サーチエンジンオーバードライブ、みんなありがとう先日告知したSearch Engine Overdriveのイベントには、75人もの人たちが集まってくれた。皆さんにお礼を言っておきたい。本当にありがとう。
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