サポート終了カウントダウン(Office 2010編)
サポート期限切れのMicrosoft Officeを使い続けるべきではない理由
見過ごせないOfficeとセキュリティの関係
2019年8月22日 06:00
2020年1月にサポート終了を迎えるWindows 7に続き、同じく2020年10月には、Office 2010のサポートが終了を迎えます。
移行先は、Windows 7がWindows 10となる一方、Office 2010はOffice 365への移行が想定されます。Windowsとは違って無料の移行期間などが用意されておらず、ライセンスの形態も大きく変わるため、移行にあたって戸惑っている人も多いでしょう。
この連載では、Office環境をスムーズに移行できるよう、ライセンスの違いや移行の必要性などを確認していきます。(編集部)
会社の書類やお店のチラシ、あるいは学級新聞や家計簿など、さまざまなものを作るためのオフィスアプリとして、多くのユーザーに利用されているのが「Microsoft Office」です。
「サポート終了カウントダウン(Office 2010編)」記事一覧
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サポートが終了しても起動しなくなるわけではないが……
WordやExcel、PowerPointなどのアプリで構成されるMicrosoft Officeは、多くのPCにプリインストールされているため、それをそのまま利用しているという人は多いでしょう。
ただ気を付けたいのは、プリインストールされているMicrosoft Officeのバージョンです。
問題となるのは2010年6月に発売され、その後多くのPCにプリインストールされた「Office 2010」です。このバージョンは2020年10月13日にサポート期限が終了してしまいます。
サポートが終了しても、WordやExcel、PowerPointといったアプリが起動しなくなるわけではありません。従来通り、それらのアプリを利用することはできますが、問題となるのはMicrosoftによるサポートが受けられなくなる点です。
それでは、サポートが受けられなくなると何が困るのでしょうか。
MicrosoftはOfficeに対し、有償/無償サポートを提供していますが、当然それらは利用できなくなります。
そして何よりも問題なのは、セキュリティ更新プログラムの提供がなくなってしまうことです。
多くの攻撃者が狙うMicrosoft Officeの脆弱性
マルウェアの感染などセキュリティ上問題のあるバグを特に脆弱性と呼び、セキュリティ更新プログラムは、この脆弱性を解消するために提供されています。
セキュリティ更新プログラムが提供されなくなれば、脆弱性がそのまま放置されることになり、極めて危険な状態でMicrosoft Officeを使い続けることになってしまいます。
実はMicrosoft Officeの脆弱性を悪用して感染するマルウェアは非常に多いのが現状です。
例えば、セキュリティベンダーであるKasperskyでは、2018年に最も多く標的になったアプリケーションにMicrosoft Officeを挙げています。
Microsoft Officeは世界中のユーザーに使われているため、その脆弱性を悪用すれば、多くのPCにマルウェアを感染させられるためでしょう。
ウイルス対策ソフトを使っていてもセキュリティ更新プログラムは重要
たとえ脆弱性が残っていたとしても、ウイルス対策ソフトを使っていれば大丈夫、と考えるかもしれません。
ただ、ウイルス対策ソフトによる新種のマルウェアの検知率は、以前よりも大幅に低下しています。あまりにも数多くの新種が現れるため、セキュリティベンダーにおける対応が後手に回っていることが、その背景にあります。
このような状況のため、ウイルス対策ソフトを使うだけでなく、セキュリティ更新プログラムを適用して脆弱性を解消しておくことが重要ですが、サポート期限が切れてしまうと、それもままなりません。
PCを安全に使いたいのであれば、サポート期限が切れるために新しいバージョンのMicrosoft Officeへ移行すべきです。
Office 2010から乗り換えるべきバージョンは?
では、現在Office 2010を使っている場合、どのバージョンのMicrosoft Officeに乗り換えればいいのでしょうか。
MicrosoftはOffice 2010を発売した後、「Office 2013」、そして「Office 2016」をリリースしていますが、乗り換えるのであれば最新の「Office 365」か「Office 2019」でしょう。
では、Office 365とOffice 2019は何が違うのでしょうか。
次回はその違いを詳しく解説していきます。
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