サポート終了カウントダウン(Office 2010編)
Office 365とOffice 2019、似て非なる2つのOffice
サブスクリプションと永続モデルはどっちがお得?
2019年8月29日 11:00
2020年1月にサポート終了を迎えるWindows 7に続き、同じく2020年10月には、Office 2010のサポートが終了を迎えます。
移行先は、Windows 7がWindows 10となる一方、Office 2010はOffice 365への移行が想定されます。Windowsとは違って無料の移行期間などが用意されておらず、ライセンスの形態も大きく変わるため、以降にあたって戸惑っている人も多いでしょう。
この連載では、Office環境をスムーズに移行できるよう、ライセンスの違いや移行の必要性などを確認していきます。(編集部)
前回解説したように、「Office 2010」は2020年10月にサポートが終了し、それ以降はセキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、そのまま使い続けるのは危険です。安全にPCを使い続けたいと考えるのであれば、サポート終了までに最新版に移行すべきでしょう。
「サポート終了カウントダウン(Office 2010編)」記事一覧
- サポート期限切れのMicrosoft Officeを使い続けるべきではない理由
- Office 365とOffice 2019、似て非なる2つのOffice
- プランによって大きく異なるOffice 365
- 法人向けOffice 365が備える豊富な機能
- Office 365の「Microsoft Teams」は何がすごい!?
- 動画で情報共有できる「Microsoft Stream」を活用
- 独自ドメインで利用するOffice 365
- さまざまなグラフも作成可能! モバイル版Excelの機能をチェック
- 外出先でのプレゼンで威力を発揮! モバイル版PowerPointをチェック
- Office 365サブスクリプションで提供される共同編集の魅力
- 本当にOfficeを買う必要はある? 無料で使えるOffice Onlineをチェック
- 新機能をいち早く試せる「Office Insider」に参加してみよう
- Office 365にトラブルが発生! そのとき管理者は何をするべき!?
- Exchange Online+Outlookのスケジュール共有で働き方改革を実現
Office 365はサブスクリプション、Office 2019は永続ライセンス
ここで悩ましいのが、現在のOfficeの最新版は「Office 365」と「Office 2019」の2つがあるという点です。
両者の最大の違いはライセンス形態で、Office 365は、料金を月額あるいは年額で支払うサブスクリプションモデルであるのに対し、Office 2019は従来のOffice製品と同様に永続ライセンスで、最初にライセンス使用料を支払うだけで済みます。
なお、Office 365にはさまざまなプランがあります。個人ユーザー向けに提供されているプランは「Office 365 Solo」と呼ばれ、料金は月額が1274円、年が1万2744円です。
一方、Office 2019には、WordとExcel、Outlookが含まれる「Office Personal 2019」と、それにPowerPointが追加された「Office Home & Business 2019」があります。価格はOffice Personal 2019は3万2184円、Office Home&Business 2019が3万7584円です。
Office 365とOffice 2019は、このように料金体系が大きく異なるほかにも、さまざまな違いがあります。詳しく見ていきましょう。
Office 365なら常に最新の状態で利用できる
まず、Office 365 SoloとOffice 2019の違いの1つに、利用できるアプリの種類があります。
Office Personal 2019とOffice Home & Business 2019で使えるアプリは前述した通りですが、Office 365 Soloでは「Word」、「Excel」、「PowerPoint、「Outlook」に加え、DTPソフトである「Publisher」と、データベースの「Access」を利用することが可能です(PublisherとAccessはWindows版のみ)。
また、基本的に新機能が追加されないOffice 2019に対し、Office 365では毎月新機能が追加されることも大きな違いでしょう。
例えば2019年6月には、WordやExcel、PowerPointなどで使える「アイコン」に300種類以上が新たに追加されたほか、ドキュメントにコメントを追記する際、「@(ユーザー名)」でほかのユーザーを指定し、メンションを送ることも可能になっています。
インストール可能台数に制限がないOffice 365
Officeアプリをインストールできる台数も、Office 365 SoloとOffice 2019では大きく異なります。
Office 2019の場合、インストールが可能なPCの台数は、同一ユーザーが利用する2台のWindows PC(Office Home & Businees 2019はMacへのインストールも可能)ですが、Office 365 Soloは、同一ユーザーが使用するWindows PCまたはMacであれば、インストールが可能な台数に制限はありません。
さらに、Office 365 Soloであれば、Android版またはiOS版のOfficeアプリで、フル機能が利用できます。複数台のPCやモバイルデバイスでOfficeアプリを使いたいのであれば、Office 365 Soloは極めて魅力的な選択肢となるでしょう。
そのほか、オンラインストレージ「OneDrive」の容量が1TB分提供されるほか、Skypeを利用して固定電話や携帯電話に60分間無料で通話できるなど、Office 365 Soloにはさまざまな特典が用意されています。
Office 365の特典をどう考えるかが選択の鍵
単純に価格だけで考えた場合に最もお得なのは、現時点でOffice 2019を購入し、サポート終了期限である2025年10月までバージョンアップせずに使い続ける方法でしょう。
Office 365 Soloの利用料が変わらないと仮定した場合、2025年まで年額で6年間使い続けると7万6464円がかかりますが、Office 2019ならPowerPointが利用できるOffice Home & Business 2019でも3万7584円を最初に支払うだけなので、Office 365 Soloのおよそ半額で済む計算です。
しかし、2025年までに新バージョンがリリースされて(その可能性は高いでしょう)バージョンアップを行えば、Office 2019を購入する価格面でのアドバンテージはほぼなくなります。
さらに同一ユーザーであればインストール可能な台数に制限がないこと、Windows PCやMacだけでなく、AndroidやiOS版アプリのフル機能が使える点なども考慮すると、Office 365 Soloは十分に魅力ある価格設定だと言えるのではないでしょうか。
次回は、Office 365で用意されている各プランの違いについて、詳しく紹介していきます。
「Windows 7サポート終了! 「どうしたらいい?」を解決!」記事一覧
- Windows 7が使える期限はいつ?
- そうは言っても、Windows 7のままで大丈夫?
- サポートの種類がよく分からない
- Windows 7のサポートを2023年まで延ばせる?
- Windows 10でもサポートは切れるの?
- Windows 8.1に移行するのはダメなの?
- アップグレードか買い換えか?いつ、どうやって?
- Windows 7で使っていたアプリや周辺機器は?
- Internet Explorerはそのまま使える?
- 古い環境からどうやってデータを移行する?
- MicrosoftアカウントなしでWindows 10は使えない?
- Windows 10なら市販のウイルス対策ソフトは不要?
- 大量のWindows 7 PCを入れ替えは会社への負担大……
- Windows 10のメディアってどこから入手すればいいの?
- Windows 7 32bitからWindows 10 64bitへアップグレードできる?
- 前に無料アップグレードしたPCをもう一度Windows 10したい
- Windows 7の仮想デスクトップに移行できる?
- 慣れたWindows 7の操作を変えたくない
- Windows 7 Home PremiumからWindows 10 Proにできる?
- Windows 10へのアップグレード後にWindows 7へ戻せる?
- Windows 7のサポート終了メッセージを消すには?
- プレゼンのときの画面切り替えはどうする?
- 空き容量不足でWindows 10にアップグレードできない?
- Windows 10で「iTunes」を使うには?
- PDFがウェブブラウザーで開くのはイヤ
- コントロールパネルって、なくなった?
- Windows 7のあの機能どうなった?
- 初期セットアップの個人用と組織用って?
- アップグレードしたらキーボードが英語入力に?
- Windows 10のバージョンと名前が一致しない
- スクリーンショットを撮りたい
【どうするWindows 10アップグレード】記事一覧
- 迫る「Windows 7サポート終了」、そのとき起こる困りごととは?
- Windows 7から10への“おトク”な移行をチャートで診断!
- Windows 10にするなら、ついでにSSDへの移行で幸せに
- 外付けHDD不要! 無料クラウドを活用してWindows 10へ
- OfficeなどのアプリもOSと同時に最新版へ移行しよう
- Windows 10標準のセキュリティ機能だけで十分に安全
- Windows 10ならサポート切れなし! 使い続けても安心
- 【PR】「ASUSのPC」がビジネス向けに本格参入、OSがPro!保証が長い!
- 【ゲーマーのためのWindows 10移行講座】
- 【コンソールゲーマーのためのWindows 10入門講座】
- 【PCだけでできることって? ゲーマーのためのWindows 10移行講座】
- Windows 7、2023年まで使い続けるにはどうすればいい?
- Windows 7の最新環境、今作ってみたら大変だった!
- 9年前のPC「VAIO P」をWindows 10にアップグレードしたらどうなる?
- 【最高のゲーミング環境はPCにあり!ゲーマーのためのWindows 10移行講座】
- 「サポートが切れたWindows 7」は今後どうなる? 「Windows XPで起きたこと」から考えてみた