サポート終了カウントダウン(Office 2010編)
プランによって大きく異なるOffice 365
法人向けOffice 365は何が違う?
2019年9月5日 06:00
2020年1月にサポート終了を迎えるWindows 7に続き、同じく2020年10月には、Office 2010のサポートが終了を迎えます。
移行先は、Windows 7がWindows 10となる一方、Office 2010はOffice 365への移行が想定されます。Windowsとは違って無料の移行期間などが用意されておらず、ライセンスの形態も大きく変わるため、以降にあたって戸惑っている人も多いでしょう。
この連載では、Office環境をスムーズに移行できるよう、ライセンスの違いや移行の必要性などを確認していきます。(編集部)
Microsoftがクラウドサービスとして展開している「Office 365」にはさまざまなプランがあります。個人向けも法人向けも同じブランドなので、分かりづらいところがあります。そこで今回は、各プランの違いを詳しく解説していきます。
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状況によっては法人向けプランの方がお得!?
前回解説した通り、個人向けプランとして提供されているのが「Office 365 Solo」です。サブスクリプションモデルでWordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリケーションが利用できるほか、オンラインストレージであるOneDriveの容量が1TB分提供されています。
法人向けプランは一般法人向けと大企業向けの2つに分けられます。まず一般法人向けのプランは「Office 365 Business」と「Office 365 Business Premium」、そして「Office 365 Business Essentials」です。
Office 365 Businessは個人ユーザー向けのOffice 365 Soloに近いサービス内容で、サブスクリプションモデルで各Officeアプリケーションが利用できるほか、OneDriveを1TB分利用することが可能です。
このOffice 365 BusinessとOffice 365 Soloとの最大の違いは、Officeアプリケーションをインストールできる台数です。前回解説した通り、Office 365 Soloは同一ユーザーが使用するWindows PCまたはMacであれば、インストール可能な台数に制限はありません。
一方、Office 365 Businessでインストールできるのは、最大5台までのWindows PCまたはMacという制限があります。また法人向けプランということもあり、Skypeで毎月60分間無料通話ができる特典もありません。
その分、Office 365 Businessは料金も抑えられており、Office 365 Soloの1万2744円/年(もしくは1274円/月)に対し、Office 365 Businessは1万800円/年(もしくは1080円/月)と安価です。5台にインストールできれば十分ということであれば、個人でもあえて法人向けのOffice 365 Businessを利用する手もあるでしょう。
Business PremiumならExchangeやSharePointも利用可能
Office 365 Business Premiumは、Office 365 Businessで提供されるサービスに加え、メールを送受信やスケジュール管理/共有のための環境を提供する「Exchange」、情報共有のためのプラットフォームとして活用できる「SharePoint」、テキストチャットや音声通話、ウェブ会議が可能な「Microsoft Teams」などを含むプランです。
このOffice 365 Business Premiumで提供されているExchangeやSharePoint、Microsoft Teamsといったサービスはクラウド上で提供されているため、自社でサーバーを購入してWindows Serverをインストールするなどといった手間を掛ける必要はありません。
もちろん、メールアドレスに独自ドメインを利用することも可能で、ビジネスに必要なコミュニケーション/情報共有環境を素早く整えられるメリットがあります。
Office 365 Business Essentialsは、同Business PremiumからOfficeアプリケーションを省いたプランだと捉えられます。ExchangeやSharePoint、OneDrive、Microsoft Teamsなどは利用可能ですが、Windows PCやMacにWordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリケーションをインストールすることはできません。
業務でOfficeアプリケーションを利用することはないが、メールや社内でのコミュニケーションのためにExchangeやSharePointを利用する必要がある、といったユーザーのためのプランと言えるでしょう。
大企業向けのOffice 365 Enterprise
ここまで解説したOffice 365 Business/Business Premium/Business Essentialsの各プランは、主に中小企業向けに提供されているもので、1企業あたりの最大ユーザー数には300までの上限が設けられています。
こうしたユーザー数の上限がなく、大企業でも利用できるプランが「Office 365 Enterprise」と呼ばれるプランです。「Office 365 ProPlus」、「Office 365 E1」、「Office 365 E3」、「Office 365 E5」の4つが該当します。
Office 365は、Officeアプリケーションと1TB分のOneDriveの容量のみが提供されるサービスで、大企業向けのOffice 365 Business Essentialsだと言えるでしょう。Office 365 E1はOfficeアプリケーションは含まれず、ExchangeやOneDrive、Microsoft Teams、SharePointなどのクラウドサービスのみが利用できるプランで、こちらはOffice 365 Business Essentialsに相当します。
Office 365 Business Premiumと同様、Officeアプリケーションとクラウドサービスのいずれも利用できるのがOffice 365 E3と同E5です。ただ、Office 365 Business Premiumと異なり、OneDriveの容量が無制限(対象プランのサブスクリプションユーザーが5人以上の場合。それ以外は1TB)となるほか、訴訟時の電子情報開示を支援する機能などを備えています。
さらにOffice 365 E5では、高度なセキュリティを実現する「Office 365 ATP(Advanced Threat Protection)」や「Office 365 Cloud App Security」が利用可能、オンラインの会議に一般の電話会議を使って参加できる電話会議機能が追加されている、といった違いがあります。
このように同じOffice 365であっても、プランによって提供されるサービスや機能は大きく異なります。特に企業でOffice 365を利用する場合には、十分にサービス内容を吟味し、適切なプランを選ぶ必要があるでしょう。
次回はOffice 365の法人向けプランで提供される機能やサービスを詳しく見ていきます。
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