サポート終了カウントダウン(Office 2010編)
本当にOfficeを買う必要はある? 無料で使えるOffice Onlineをチェック
2019年11月14日 06:00
Microsoftでは、Officeアプリケーションをウェブブラウザー上で利用できるサービスとして「Office Online」を展開しています。今回は、このサービスの使い勝手を見ていきましょう。
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Word/Excel/PowerPointがタダで使える「Office Online」「Word」はテーマや配色の設定や差し込み印刷ができない
Office 2010サポート終了後の乗り換え先としては、パッケージ版のOffice 2019を購入する方法、そしてサブスクリプションサービスであるOffice 365を契約する方法の2つが考えられます。ただ、選択肢はこれだけではありません。もう1つ検討してみたいのが、無料で提供されているOffice Onlineの利用です。
Office Onlineは、Microsoftアカウントさえ取得していれば使える無料サービスで、ウェブブラウザー上でWordやExcel、PowerPoint、OneNoteといったアプリが利用できます。
Office Onlineの各アプリでは、ファイルを新規作成したり、OneDriveに保存できるのはもちろん、.docxや.xlsxなどアプリごとの形式や、PDFなどのファイル形式でダウンロードすることもできます。既存のファイルをあらかじめOneDriveへ保存しておけば、Office Onlineで開いて編集することも可能です。
ポイントになるのは、デスクトップ版と比べて利用できる機能が少ないことでしょう。まずWordでは、リボンインターフェース上に[デザイン]タブがなく、テーマを設定したり配色を変更したりすることはできません。[差し込み文書]のタブもないため、例えば、宛先の名前を差し替えつつ印刷するといったことも不可能です。
ただ、シンプルなドキュメントを作成する用途であれば、ワープロとしての基本機能は備えられているので、全く問題ありません。ほかの人から送られてきたファイルを開いて文字を修正することはもちろん、変更履歴を記録しながら内容を修正したり、コメントを書き加えることもできます。
グラフやピボットテーブルの作成にも対応する「Excel」マスターの機能以外はデスクトップ版と遜色のない「PowerPoint」
Excelで省かれているのは[ページレイアウト]タブで、テーマの設定や印刷範囲の調整などができません。[数式]タブもありませんが、セル内に各種数式を直接入力して利用することは可能です。また、縦棒や折れ線、円、横棒グラフなどを作成できるほか、ピボットテーブルの作成にも対応しています。
ただ、Office Onlineの各アプリではマクロを実行することはできません。例えば、メールなどで受け取ったマクロ付きのExcelファイルを編集したいといったケースでは利用できません。業務などでマクロ付きのExcelファイルを利用している場合は注意が必要です。
PowerPointは、Office Online版とデスクトップ版でタブの種類には違いがありません。機能も充実していて、「SmartArt」の挿入が可能なほか、画面の切り替え効果の設定やオブジェクトへのアニメーションの適用も行えます。また、スライドショーを実行する機能も備えています。
省かれている機能で目立つものは、デスクトップ版の[表示]タブにはあるマスターの機能です。例えば、スライドマスターや配付資料マスターの編集はできません。画面切り替えやアニメーションにおいて細かな設定が行えない点も、デスクトップ版の違いとなります。
ここまで見てきたように、Office Onlineはデスクトップ版と比べ、いくつかの機能が省かれています。ただ、Office OnlineのWordやExcel、PowerPointで提供されている機能で十分というケースは、意外に多いのではないでしょうか。
例えば、会社から持ち帰った資料の参照や手直しが主な用途で、自宅のPCにインストールされたOfficeアプリを使って新規にドキュメントを作成することはめったにない、というなら、Office Onlineで十分対応できる可能性はあります。たとえドキュメントを作成する必要があっても、ごくシンプルな文書や家計簿程度であれば、フル機能のデスクトップ版を利用しなくても問題ないはずです。
Office Onlineは無償で利用できるので、まずは実際に使ってみて、機能はこれで十分なのか、それともやはりデスクトップ版が必要なのかを確認してみてもいいでしょう。
【お詫びと訂正 11月18日 16:46】
記事初出時、Office Onlineの商用利用権に関する記載内容に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。なお、Office Onlineの商用利用が可能なOffice 365のライセンスはBusiness、Business Premium、Enterprise E3/E5、ProPlusです。
また、商用利用とは、在宅勤務、持ち帰り仕事などの企業の業務と、個人事業主、国、地方公共団体、教育機関、NPOの業務を対象とします。
誤:例えば、会社から持ち帰った資料の参照や手直しが主な用途で、自宅のPCにインストールされたOfficeアプリを使って新規にドキュメントを作成することはめったにない
正:自宅のPCにインストールされたOfficeアプリを使って新規にドキュメントを作成することはめったにない
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