アラフィフすずまりの「今日も元気に仕事しよう!」

睡眠改善インストラクターが「快適睡眠づくりフェア」に参加して気になったこと

快適睡眠づくりフェア

 パシフィコ横浜で5月31日から6月2日まで開催された「快適睡眠づくりフェア」に行ってきました。日本最大級の睡眠フェアで、会場はさまさまなブランドのベッドが並ぶ展示販売会場になっており、ベッドの寝比べができるとあって、横になっている方をたくさん見かけました。

会場の様子

 展示内容は、最新の快眠デバイス、サービス、アプリ、機能性寝具、寝室、オーダーメイド枕のほか、睡眠改善のための食品、サプリメント、チョコレートやコーヒーなどの嗜好性食品などバラエティに富んでました。

 特に気になる製品については、家電Watchでレポートしているのでそちらをご覧ください。

 会場奥に用意されたステージでは、睡眠に関する無料セミナーが連日開催されていました。始まればほぼ満席という感じで、会場に足を運んだ方々の関心を集めていたようです。

このときのイベントステージでは、睡眠改善インストラクターによるセミナーが行われていました

 来場者はイメージしていたよりは正直、少なかったと思います。キーワードとしての「睡眠」は立っているはずですし、出展社が用意した会場内の睡眠無料相談コーナーは、いつ見ても人が並んでいたので、イベントそのものが初めてで知名度が低かったことが一番の理由ではないかと思います。そんななか会場に足を運んだ方は、睡眠に関して意識が高い、明確な悩みを持っていると考えていいでしょう。

睡眠相談窓口は常に盛況

 睡眠は、自分の健康やパフォーマンスが明らかに低下したと感じて、初めて意識し始めることが少なくありません。ですから、寝なくてもなんとかなってると思える層には、なかなか情報が伝わりません。パフォーマンスが上がると言われても、今より改善された状態が実感としてなければ、今が最高だと思うはずです。

 私も自分が震災の影響で不眠症になり、昼間にぼんやりして仕事が全くできなくなるという経験をしなければ、睡眠に着目していなかったと思います。

いびき対策製品やスマートベッドは少なめ

 しかし、世界的に注目されているジャンルもあるのです。それが「いびき」です。今年ラスベガスで見た「CES 2019」のスリープテックゾーンでは、いびきにフォーカスした製品を見かけました。

 しかしいびき関連プロダクトとして、今回出展されていたのはデジタル耳栓の「QuietOn Sleep」のみ。

QuietOn Sleep

 QuietOn Sleepは、フィンランドQuietOnによる、アクティブノイズキャンセリングでいびきを低減させるというイヤープラグです。音楽は聞けませんが、人の声だけをハッキリ聞こえるようにする機能を備えるなど、睡眠中だけでなく、仕事に集中したいときにも使える製品です。出展製品の中から注目の製品やサービスを選考する「快眠アワード」受賞製品になりました。

 もしいびき対策グッズが一堂に会していたら、かなり見応えがあったと思いますし、たまたま通りかかった方々の注目度もかなり違ったのではないかという気がします。

 若い方なら親のいびき、結婚されてる方ならパートナーのいびきや自分のいびきを「何とかしたい!」となりそうですし、私のような更年期世代の女性は「いつの間にかいびきかくようになって恥ずかしいから、こっそり何とかしたい」となりそうです。

 スマートベッドに関しては、フランスベッド社製の「睡眠モニタリング機能付きマットレス(ルーパーRP-5000SE)」が1つ展示されているのみでした。

参考:ベッドに入れるだけで睡眠計測、「au HOME」のホームIoT新製品で睡眠の質が変わるかも

睡眠モニタリング機能付きマットレス
機能性としては収納力を大きくアピールするベッドも

 会場の半分を占めるのは、スリープテックとは関係のない従来通りのベッドです。もちろん快眠は「テック」が担うものとは限らず、心地よく眠れる寝具であればいいのです。しかし、スマートベッド勢に存在感をアピールして欲しかった! と思ってしまうのは、私がこのような業界にいるせいでしょう。

 たまたま近くにいたメーカーの方にベッド業界におけるベッドのスマート化の話題性について伺ってみましたが「まあやってるところはやってるみたい」という程度で、特に関心はなさそうでした。ベッドを選びに来る方は何を基準に見ているのかという質問に対しては「知ってるブランドかどうか」とのこと。

睡眠トラッキングは“置くだけ”の製品が主流に?

 睡眠トラッキング機能を持つスマートウォッチや活動量計といったウェアラブル製品が1点もなかったというのも特徴の1つでした。その代わりマットレスの下に入れたり、枕に付けるタイプの非接触型の製品はありました。

「Sleepace」の非接触型の睡眠トラッキングデバイス

 ウェアラブル製品は、充電を忘れて記録できなかったという経験を自分でもたまにします。置いておくだけなら、旅行で不在にするとき以外はバッテリー切れの心配も、記録漏れの心配もありません。

 ちなみに筆者の知る限りでは、スマートウォッチとシートタイプの睡眠トラッカーの両方を出していて、計測データをアプリにまとめられる「Withings」というメーカーもあります。ブースがあったらかなり存在感を示せたかもしれません。

 よく眠るためのコツが無料で学べて、最新の快眠グッズを直接手に取って触ることができる機会はそうないでしょう。試食もできるし、来ると結構、健康にいいことが多いはず! 来年はもっとバラエティに富んだ製品に出会えることを期待しています。

 

アラフィフすずまりの「今日も元気に仕事しよう!」連載記事一覧

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。