Microsoft 365徹底解説
第4回
Microsoft 365の「リモート削除」はiPhoneも、さまざまな業務利用端末を管理可能
2020年2月26日 06:00
Microsoft 365に組み込まれている「Microsoft Intune」では、前回解説したWindows 10だけでなく、AndroidやiOS/iPadOSの管理も可能だ。
この仕組みを利用すれば、スマートフォンの各種情報を取得できるほか、パスワードやPINの要件の設定、アプリの配布、スマートフォンのロックやデータ消去(ワイプ)といった操作をリモートから実行することができる。ここでは、Microsoft IntuneでiPhoneを管理するための基本的な手順を見ていこう。
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「Microsoft Intune」でiOS/iPadOSを管理する
Microsoft IntuneによるiPhoneの管理では、Appleが提供する「APNs」(Apple Push Notification Service)を利用する。APNsはiPhoneやiPadに対してプッシュ通知を行うための仕組みで、Microsoft Intuneはこれを介してiPhoneやiPadに接続し、リモートで端末を制御するというかたちである。
このAPNsを利用するには、MDMプッシュ証明書を構成する必要がある。Microsoft 365の管理センターから「Endpoint Management」を選んで「Microsoft Endpoint Manager admin center」を開き、左側のメニューから「デバイス」-「iOS」を選択。次の画面で「iOS登録」をクリックすると、「Apple MDMプッシュ通知証明書」の項目が表示される。なお、MDMプッシュ通知証明書の作成には、Apple IDが必要になる。
デバイスの登録には2種類の方法がある。すでにセットアップ済みのiPhoneでユーザー自身が「Intuneポータルサイト」アプリをApp Storeからインストールして登録する方法と、会社支給のデバイスを一括して登録する方法だ。
一括登録する場合は、「Apple Device Enrollment Program」を利用する。これはAppleが提供する企業および教育機関向けのプログラムで、デバイスのアクティベーションといったキッティング作業の負担を軽減するものだ。これを利用すれば、Microsoft Intuneへの登録を自動化できる。
一方、Intuneポータルサイトを利用する場合は、ユーザー自身でアプリをインストールした後、Microsoft 365アカウントでサインインし、Intuneの管理プロファイルのダウンロードとインストールを行う必要がある。
Microsoft Intuneでのリモート削除とリモートロック
Intuneに登録されたデバイスは、Microsoft Endpoint Manager admin centerの「デバイス」から確認できる。「すべてのデバイス」、あるいは「プラットフォーム別」の「iOS」を選択し、リストからいずれかのiPhoneをクリックすると、デバイスの概要を確認できる。
ここで表示されるのは、デバイス名やシリアル番号、電話番号、デバイスモデルなど。また、この画面からリモートワイプやリモートロックも可能だ。
なお、リモートワイプには、会社のデータのみを削除する「リタイヤ」と、工場出荷時の設定へリセットする「ワイプ」の2種類がある。後者では、会社と個人の両方のデータが削除されてしまうため、注意が必要だ。特に個人所有のデバイスを業務にも使うBYOD(Bring Your Own Device)の場合、デバイスを盗難、または紛失した場合にどうするかについて事前にポリシーを定め、デバイスの所有者と確認をしておくべきだろう。
このようにIntuneでは、登録したデバイスに対してアプリを配布したり、その利用を制御するための仕組みも備えている。これらについては次回解説したい。
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